teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

僕は子供の夢を応援しない親にはならないなんて言わないよ絶対

僕は子供の夢を応援しない親にはならない

ある日、母親と大学について話しているときに父親が口を挟んできた。

「大学のお金は一切出さないから勝手にしろよ。」

この話は高校に進学した時から聞いていたので、高校三年生になってもう一度聞かされてもそんなに驚かなかった。だが、次の言葉には少し傷ついた。

「お前の生活を見てるとわかるけど、お前は絶対いつか失敗する。」
「勉強とお金稼ぐことの両立なんて無理。」
「勉強なんかより大切なことがある。」

僕の生活のどんなところを見て失敗するのか疑問に思っていると、母親がそのことについて突っ込んだ

「増田は勉強も頑張っとるし、家のお手伝いもしてる。」

すると父親はこんな風に言った。

「そんなレベルの低い話じゃない。お前は黙っとけ。」

父親は高卒できっと学歴コンプレックスを持っている。勉強の話になると、いつも勉強なんかより大切なことがあるとか言って僕の頑張りを認めないし。うちには余裕がないから、お前には一銭も金は出さんとも言う。

受験勉強なんて長い人生の中では、ちっぽけなものかもしれない。生活費とか稼ぎながら、勉強するのは大変なことかもしれない。でも親がなんと根拠もなく(少なくとも僕に論理的な説明はなかった)お前はいつか失敗するなんて言うのはどうかと思う。

僕はやりたいこと、夢があって大学を目指している。お金を出さないのは構わないが、せめて自分の夢を応援してくれたっていいんじゃないか。受験生に勉強は無駄だということを言わなくてもいいんじゃないか。なんかすごく悲しいし辛い。

父親も苦労しているようだし、だからこそいろいろと言ってくるのだろう。でも僕に今できることなんて勉強するぐらいしかない。だからもっともっと勉強して、大学に行く。大学でも夢に向かって勉強する。自分が勉強したことが無駄じゃなかったってことを証明したいし、子供ができたら子供のやりたいことを尊重して、応援してやれる親になりたい。

これはいい父親ですね。


増田は父親の尊敬できない言い分に対して強い反発心を抱いている。結果、確固たる自立心を高校生のうちに身につけて勉学に励んでいる。

でもこの増田が、子供の面倒をきっちり見て大学までのお金をきちんと用意して子供の好きな夢を応援したらどうだろうか?
そこまで恵まれた子は、ほんとに勉強するだろうか?
ハングリー精神はそだつだろうか?
高校生のうちに自立心を身につけるだろうか?

親の金で大学にいかせてもらってる大半の人を見るとそうではない。20歳超えても自立心なんぞかけらも持たず、勉強そっちのけで遊び呆けてる人たちが半数以上いる。

これはよく、戦後に苦労した人たちが「子供にはこんな苦労をかけさせたくない」といって子供を過保護にした結果、親の会社を引き継げる能力がない2代目が誕生したり苦労をしらないゆえ逆に社会で苦労する悪循環を引き起こすことにもなりかねない。

ダメリーダー理論

これは僕の勝手な持論ですが、ひとつのグループの能力は内部のメンバーで暗黙のうちに定義されたところまで引き出されます。

例えばチームの大黒柱をチームから外してしまうと、それをまずいと思ったメンバー内から、次の大黒柱が成長するという論です。

これは家族にもある程度適用されます。つまり、
「親がしっかりしすぎていると、子供はダメになり」
「親がダメだと、子供はしっかりするようになる」
です。

この論からすると、しっかりリーダーシップを取れるチームはリーダーの能力次第で成果だせますが、「俺はよくわかんないから、みんな一緒に考えよう、よろしく頼む」といって、メンバーに権限委譲する形のリーダーは、メンバーの能力を引き出す形で成果を出せます。

例えば鉄鋼王アンドリューカーネギーの墓碑には「己より優れた者を周りに集めた者、ここに眠る」だそうです。

どんな形の経営者でも、例えばリーダーシップがなく人徳者でなくても、かなりダメな部類の社長でも意外となんとかやっていけるのは、こういう内部のバランスが働くからです。

じゃあ親は子供の夢にどう接したらいいのか

これもあくまで僕の個人的な考えですが、子供を子供扱いしないことです。ビジネスパートナーとして投資したら大きくリターンがあるかどうかで判断します。

学校を卒業した時どうやってお金を稼ぐか?
というのはかなり重要なテーマなのですが、お金を汚いものだと思ってるのか、なぜか家族会議することはほぼありません。

どの業界が盛り上がるかなどは時代によって変わるものですが、大学3年生から就職先を考え始めるのは遅すぎます。
そもそも大学進学からある程度判定する必要があり、その前の高校進学も含めると、小中学生のときから定期的に話し合っておく必要があります。夢ではなく、「現実」として。

だからはっきりした目的意識もなく、ただ就職に有利だとか、もう少しみんなと遊んでいたいから、恋人と同じ大学に進みたいからみたいな理由だけでは、大学進学の投資はできません。それなら高校までにしてきた勉強や趣味を活かして1円起業で苦労させるほうがマシです。

もちろん、アイドルになりたい、サッカー選手になりたい、ロックバンドや、お笑い芸人、囲碁名人になりたいでも構いません。これら全てにおいて練習や創作やプロデュースに創意工夫する地頭力は必要になりますから、結局、学校の勉強における世の中の原理原則を知る必要があるからです。

地頭で考えられずに、ただ先輩や先生に言われたことをひたすら努力するだけではどの一流にもなれず食っていけません。*1アイドルとかサッカー選手とか旬のある職業なら、ピークを過ぎた後のことも考えておく必要があります。

逆にこの地頭で創意工夫した経験値があれば、途中で子供が「現実」を変更したり、時代の流れが変わったとしても、その経験が次の糧となって、うまくピボットしやすくなります。


なので、僕が親になっても「夢」には投資しないでしょう。あくまでこの先、生きていく「現実」に対応するために、小学生のパートナーへ「なぜ」「どうやって」を本人から深掘りして引き出し、お互いの地頭を鍛えていく方が結果的に応援になるのではと思います。といっても、子供の素直で常識のない発想からはこっちが教えてもらうことの方が多いんですけどね。



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もう恋なんてしない

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*1:言われたことをするなというわけではなく、それ以上の工夫が必要