teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

「社員が社員に給与を分け与える評価システム」を考えてみた

(簡潔に無借金経営で、ちゃんと給料払える利益出てるとして)
まず、会社の利益から30%ほど資本金に回す。
次のプロジェクトの勝負とかもありますしね。
で、仮に残りの70%を社員給与に分割していく。
いわゆる業績連動給与。


それを今まで払ってた100とした場合、
40%は「通常通りの役職給与の割合」で社員に分割する役職別連動。
40%は「社長から平まで均等」に分割する全体業績連動。
20%は、社員が他の社員へ給与を分け与える。重み付け360度評価。



例えば、30万もらってた人の 20% は6万ですね。
これを 100ポイント とし 1ポイント 600円で
部下、同僚、上司、に自分の給与を分け与えるわけです。
ここで割り振る条件は1つ。
「誰がより頑張ってくれたら、次の全体の業績連動給与が上がるか?」
を、社内の自分に関わる人で360度判定するわけです。

その人の「好感度」で決まる給料


単なる技術力、営業力だけの判定ではなく
ホントにその人と仕事をするとやりやすいとか、
場の空気が良くなるとか、大事なことを教えてもらったとか、
業績とは全然関係ないけどとても助かることをしてくれた場合でも、
本人にとって業績が上がること以上に大事であればそれもOK。
もちろん技術的に、この人がいないとあのプロジェクトは無理だったとか
ほんとに、全員から見えるだけのいろんな総合的なプラス評価を
ポイントから給与還元するわけです。


集まる人には一時的に社長より給料高くなったりする人がいても構わないですし、
仮に0ポイントで、好感度無くても、それはみんなが判断したこと。
多分、そのみんなの判断は次の「業績連動給与」として上がる確率も高くなりますから、
80%の給与がなくなるわけではなく、膨らむ可能性が高い。
それに、例え社内の嫌われ役を買ってる上司だとしても、
嫌われ役って意外と信者がいたりするもんですから、ゼロにはならないでしょう。

与える人ほどもらえる


もうひとつ好循環なのは、とても技術力や好感度高くて
30万から、給与100万になった社員は、次の判定で100万の 20%。
20万をばら撒くということです。
そうなるとみんな好感度高い人の技術や振る舞いを
真似て覚えるほうが得で、一緒に仕事したい好感度高い人が
さらなる好感度高い人を生む。


勉強会や社内SNSなどで
自分だけの効率的なやり方をたくさんの人に教える人程、
人気は高くなりますし、教育効果が教え子から給与に反映される。


つまりGoogle のページランクシステム、
リンクをいっぱい貰うほど、ページの「重み」がまして
「重み」の増したページからのリンクほど、
次のページランクが高くなるという奴。
これを、給与判定の20%に取り込むわけです。


しかも、Google の機械判定の場合、批判リンクだろうが
炎上記事だろうが、ネガティブリンクでも「重み」は増しますが、
これは「人間判定の好感度」なので、ポジティブな「重み」しかありません。


そして、余計な詮索されないよう、
この20%システムだけは社内じゃなく、
第三者機関にやってもらって、ブラックボックス化します。


よくある普通の会社の「360度評価」というやつは、
この「重み」付けがなかったり、
誰を評価したからといって、
別に自分の給与が上がったり下がったりしないので、
部下や同僚や、上司とプラスで褒めあうだけの
「談合」になることがあるんですよね。


でもこれだと、なにせ「自分の給与から払う」のですからw
株と一緒で、真剣に自分の「全体業績連動給与」が
上がりそうのところに分け与えないと、ヘタに談合すると
自分の次の給与も沈みますからね。


ま、相当非常識なこと言ってるのは自覚してますw
ひとつの思考実験として以下解説。


個別「バッファ」の奪い合い問題


なんでこれを考えたかというと、
「スケジュールバッファをみんなで奪い合う」敵対状況から、
「スケジュールバッファをみんなで与え合う」協力関係にしたい
わけですよ。
例えば、


最初から締め切り終盤勢いの開発は可能か? - teruyastarはかく語りき
http://d.hatena.ne.jp/teruyastar/20111218/1324156559

↑先日のエントリーでは、「出来る人達」の「バッファ」を最大限に活かすため、
知恵を絞らないと無理な目標設定や、
「会議なし」「管理なし」「教育軽視」にまで踏み込んでますが…
「教育軽視」はまずいですよね。


そこがスッキリしなかったので、
別の視点で今回堀り下げたのがここ。
社員の評価判定です。

11の「やめたこと」で実現した1000万ダウンロード突破【スマホ2011冬】 - デジタル - 日経トレンディネット
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20111215/1039018/


2.「職種別の目標設定をやめる」


プログラマー、企画など職種別に目標を設定すると、
自分の担当部分しか見なくなる。
評価はまずそのアプリの完成度に注目。

その中で自分がどれだけ貢献したかというポイントに変更した。


同日に似た悩みのホットエントリーもありました。

品質に厳しい組織で、なぜ品質が劣化するのか? - 現場のためのソフトウェア開発プロセス - たかのり日記
http://d.hatena.ne.jp/szk-takanori/20111218/p1


典型的な例として、「バグ密度などの指標を決め、品質見解などを求める」、
ということがありますが、
結果をチェックされるために、それを求められる開発側は、
適切な取り組み/分析をするよりも、指標値の範囲内に収めよう、
という思考が働くのです(本末転倒)。


そうなると、品質の良いモノを提供しようという意識も弱くなり、
大概は、それなりに良く見える品質レポートを提出して納得する/させる、
ということになるのです。


「よくある話」と思う人も多いかもしれませんが、
品質を厳しくチェックするがために、品質が劣化する、という矛盾
には、
開発者も品質担当者も悩んでいる状況が続いている現場は
多いのではないでしょうか?

クオリティを追求するよりも、
バグチェックを1発で通る事が評価基準となると
お互いがキッチリ自分の仕事を果たしただけなのに、
「安全」で「中品質」な売れない製品になっちゃいますね。


本来は「安全」で「高品質」な売れる商品を協力して作るべきなんでしょう。
もちろんバグがあると困るので、
1発でバグ無しの方が個別ごとの評価高くなるのはわかりますが…

4.「スケジュール管理をやめる」
スケジュールありきだと、
だれもがクオリティーよりスケジュールを優先してしまう。
スケジュール表をまとめただけで仕事をした気になってしまうのも問題。


で、この3つの話の解決案は、
個人別、職種別の「バッファを分け与えよう」ということです。
みんながスケジュールの余裕を「自己保全」に全部使い切るので、
社内でスケジュールバッファの奪い合いになり、
毎回スケジュールは遅れ、プロジェクトが炎上しかねる。

出来る人が2倍余計に仕事しても、手伝っても給料は上がらない


例えば「出来る人」が、ノルマをスケジュールより早めに終わらせたとしても、
「早く終わったんなら、これもやってくれ」
「自分の仕事終わったならあいつ助けてやれ」と、
上司に次の仕事ねじ込まれるじゃないですか。


「なんで同じ給料なのにあいつの作業までやらないといけないわけ?」
ってゆう奴はちょっとけち臭いですけど、まあ正論で、
次の仕事こなしたからといって、別に2倍給料もらえないどころか、
下手すりゃそれが当たり前という顔で、ありがとうの一言もない。
それ以上にその次の仕事が後を引いて遅れてしまうと、
なにやってんだと別の上司からマイナス評価にすらされてしまう。


またそのせいで遅れてたら誰か手伝ってくれるかとおもいきや、
「みんな同じ社内文化の考え」だから、
余計な仕事は抱え込むまいと忙しいフリをする。
(命令されたら嫌々手伝う)

仕事を頑張って早く終わらせると今度はそれが普通のノルマとなる


だから仕事を早く終わらせるのは危険なんですよ。
それなら締め切りギリギリまで、
「重要じゃないけどやったほうがいいかもしれないこと」に専念、、


例えばフォルダ整理とか、ネットサーフィンで有用な情報探しとか、
(2ch、ニコニコは会社でブロックされてるから)
手元の iPhone でそういう業界の動向をチェックしてるのは、
みんな仕事早く終わらせてマイナス評価になりたくないからなんですよ。
そして、みんなで見えないスケジュールバッファの奪い合いをする。
管理側は、それをなんとかしようといろんな会議や管理ツールで
バッファを短くしようとするというイタチごっこで、
さらにコストがかさむ。

でも、仕事2倍働いて2倍利益が上がるかの数値判定は不可能


別に、上司がちゃんと働いた分の評価をしたらいいじゃないかというと、
一人の部分的な仕事をはっきりと数字に評価するのは無理なんですね。
サブプログラマーが普通の2倍、3倍働いたからといって、
それがどれだけ売り上げになったのか?
別にそこが売れるためどれだけ肝だったかどうか数値判定する手段がない。
利益が同じなのに素直に3倍の給料払うと赤字だったりするし、
専門職の仕事の凄さは専門職にしか判定できない。


ドラゴンボールの「悟空xベジータ戦」で、
ヤジロベーが大猿ベジータの尻尾切りましたけど、
たったそれだけの働きはどれだけ評価に値するのか?
あれがなければ地球は終わってたけど、
でも給料としてはメインの悟空達より100分の1も働いてないのでは?
などと数値化しようというのはおこがましい話です。





そこで、世の中業績連動賞与というものが普及してきてまして、

技術者の貢献度が反映されない?業績給に4割が不満/Tech総研
http://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=000512&__m=1


「会社業績や売上利益に対する“技術者の貢献”は
 給与・賞与面で反映されている」
と答えたエンジニアのうち、そのことに
「かなり/やや満足している」のは39%だ。
「どちらともいえない」がほぼ同数の34%、
「あまり/まったく満足していない」人が28%いる。

これはどういうことだろうか。


不満の理由はおそらく、
業績に応じて給与・ボーナスが増減する仕組みになっているにもかかわらず、
「好業績に対して、期待したほど給与に反映されていない」ことへの不満か、
「業績が悪化し、予想以上に給与が下がった」
ことへの不満のいずれかが考えられる。
つまり、どちらの場合も業績がどう給与に反映されるかが不透明
なため、
「自分は頑張ったのにそれが正当に評価・連動されていない」
という根本的な不満とともに、常にくすぶっていると思われる。


実際、会社の業績への自分の貢献度については、
総計で「かなりの貢献をしている」(17%)
「どちらかといえば貢献している」(58%)
と、高い自己評価をしている人たちである。
この評価のギャップは、そう簡単に埋まりそうにない。

(まあ、ヤジロベーからみたら自分がいなければ地球は救われなかったわけですしね)



仮に透明度が高くても
自己評価と会社の評価はどうしてもギャップがでますから、
誰も他人の評価に完全に満足することはない。


それでもこの記事の「4割が不満」というタイトルはあおり気味で、
そうやって必ず不満が出る給与評価から、

そのことに「かなり/やや満足している」のは39%だ。

というのは結構いい数字で、元記事見ると
業績連動してない会社の「かなり/やや満足している」はたった 5% ですよ。
業績非連動では多く働いたほうが損するのだから、
そりゃみんなスケジュールバッファ奪い合いますよw


いい加減な主観と、最終利益分割の、ハイブリッド給与


給与、評価なんて主観的な部分が多すぎます。
殆どの人はその評価に不満で、
みんなが納得いくような評価システムはないんです。
その辺、面白法人カヤックさんは、
サイコロ給なんてのをやってる哲学が面白い。

KAYACスタイル 3: サイコロ給とスマイル給|面白法人カヤック
http://www.kayac.com/vision/style/dice


毎月「(サイコロの出目)%×給料」が、+αとして支給される。


これは、月額30万の人が、サイコロで6をだしたら、
30万×6%=1万8千円が+αで支給されるということ。
つまり、減ることはないので安心してください。


サイコロで給料が決められるなんて不謹慎?
いやいや、人間が人間を評価するなんてそもそもいい加減なもの。
もっともらしく説明してたって、
上司の感情1つでどうにでも変わってしまうもの。
だったら、仕組みなんてそのくらいで丁度いいと思いません?


自分の客観的評価は見つめなければならないが、
他人からの評価で暗い気持ちになるのはもったいない。
資本主義のモノサシで測れない価値もあるのだから。


そんな思いで、カヤック創業時から取り入れているのがサイコロ給。


そしてこの仕組みがあるから、初心に立ち返れる。
友達3人で立ち上げたカヤック。
もともと似た価値観があったとしても、そのうち時間にのみこまれ、
お金に対する価値観が変わることもあるでしょう。
そんなとき、毎月サイコロふって初心に返ろうじゃないか。と。


最後の最後は、運命を天に託そうじゃないかと。


いや、ほんといい言葉で、給与なんて運だと思います。
例えばゲーム会社で、360向けに配置された人と、GREE向けに配置された人がいて、
その売上で個別に業績連動とか言われても、
会社では自分で自由に仕事が選べるわけじゃないのに
納得いかないでしょう?
それがもし誰か何か協力できることがあっても、
やっぱり給与には反映されないじゃないですか。
手伝っただけ、こっちが泡食っただけのような。


そこで、自分の給与40%(役職分割含め実質80%)が
有無をいわさず「全体業績連動」となってれば、
協力だってしたほうがいい時もあるでしょう。
ホントは自分が損しないならみんな助けたいんですよ。
だったら、20%は「社員が、社員に給料を与える」ようにしたら、
どうせならその助けてもらった人にお礼を言いたいじゃないですか。


みんな会社のシステム文化と同じ考えで動く


「みんな同じ考えだから助けにこない」と最初でいったのと同じで、
「みんな同じ考えだから余裕ある人ほど助たい」。


とすると、「出来る人」は仕事を早く終らせるメリットが
格段に上がるんですよ。
別に他人と協力するのじゃなくても、
どんどん自分のクリティカルな仕事を片付けるのは、
同じプログラマーからの評価を上げたりしますし、
グラフィックツールで困ってることはないか?
サウンドで困ってることはないか?
プライベートで困ってて仕事に支障をきたしてることはないか?
と、とにかく周りの仕事環境や、現場の空気を良くする人、
部署の垣根を超えて仲良くなる人、
みんなが嫌がる雑務や裏方を引き受けてくれる人、
たくさんのアイディアを出し協力する人ほど、
社長より給与高くなるかもしれないシステムなわけです。


もともとスケジュール含めた「管理業務」の大半は、
この個別最適化と自己保身の無駄なバッファをどうやって減らしていくか?
という効率化のための高い管理コストなんですけど、
社員それぞれが自分の給与を上げるために
ほんとに重要な作業はなにか考え、自らバッファを分け与えてくれたら
管理コストなんて激減しますよ。

未熟で嫌われ者な俺は給料20%減りそうだから反対


もちろん、20%の給与格差は発生しますけどね。
単純なおべっか使いが人気出るわけじゃないのは、
みんなちゃんとその辺見抜いてるから大丈夫ですが、
成長途上の大半の人はたいしてもらえないでしょう。


でも、このシステムの目的は、
みんなでほんとの利益になることを、
自分の給与使ってまで真剣に知恵を出し考えてもらい
実質80%の「全体業績連動給与」を膨らますことにあるわけで、
20%もらうかどうかは、気にしなくていいんですよ。


「みんなでスケジュールバッファを奪い合う」状態の時のロスは
20%どころじゃなく、
みんなが自己保身と個別最適化ばかりに走って、
120%ぐらいロスする(赤字になる)こともざらですから、
みんなが本来の意味で垣根を超えアイディアを出し協力し合うことで、
全員の「ベース給与」を際限なくガンガン上げていくのが本来の目的。


「みんなで知恵を出しスケジュールバッファを分け与えれば」
会社は働きやすくなるし、たぶんここだと「出来る人」は現場でも
重役並みに給与高くなって辞めることも無いでしょう。


社長の役目は給料を払うこと


ならば、ここでは全員が給料を払うわけですから
みんなこの会社の社長になるということ。



という思考実験でした。


いや、さすがに今ある企業で
急にこんな無茶苦茶なルールは適用できないでしょうが、
最初から、これから新しく新会社作るときには、
ちょっとしたヒントになるんじゃないでしょうか?



一応、問題点も考えてみたんですが、
例えば

綺麗な女子社員にポイントが集る


まあこれは、、「自分の全体業績連動給与」が上がるかどうか
真剣に考えてもらったら、大きくは動かないと思いますが。
余ったポイントがなんか流れそうですね。
結婚したらゼロになったりとかw


それで会社の雰囲気や、やる気が上がるなら別にいいですけど。。


ほんとに何も働かない(使えない)社員が出てくる


これ、どの給与システムでも必ず何人か出てきません?
働きアリだけ集めても2割ぐらい働かなくなるとか、
なんか生物多様性の習性とかあるんですかね?


まあ、釣りバカの浜ちゃんが窓際族としても、
フーテンの寅さんが、家族に一人ぐらいいたとしても、
僕としては別にいいかなあと思うんですけどね。
そういう穀潰し的な視点とか、
凄く変な異常事態に活躍するかもしれませんし。
それこそ多様性の一貫なので、
そもそも「そいつの給料ぐらい俺が余計に稼いでやるよ。」
と出来る人のバッファを最大限に活用するのが、分け与える文化なので。



あと、ほんとに協力関係がうまく回ってる会社は、
「使えない人をどう使えるようにするか?」
という点でもすごくみんな協力的なので、
個別最適化する会社よりもずっと教育効果高いですよ。


ボーナスじゃなく、月ベース給与への業績連動は無茶では?


赤字なったら給与ゼロなのか? ということですね。
まあ、立上げ2年目まで赤字で3年目から黒にするような会社はたくさんあるわけで、
そのときはキャピタルだの銀行だの借り入れとかでやっていくわけじゃないですか。


赤字ベースからどれだけ売上と借入返済をしてるかという業績から
反映させることも可能ですし、
単月赤字、四半期赤字は、開発が2〜3年かかるようなゲームだと当たり前で
当然その間なんの売上もなかったりするわけですから、
これはもう業種や会社ごとケースバイケースですけど、


黒から赤になったという場合は、
単純に年ベースの給料40%保証とかでいいんじゃないですかね?
40%の均等分割がそっくりなくなり、
20%の360度好感度は残るとすると、
会議で何をやるかやらないかも、
みんな当事者意識にならざるをえないでしょう。


その場合ハイリスクハイリターンプロジェクトなど
思い切ったことできないんじゃないかと言われそうですが、
エンターテイメント業界に限って言えば、
前のエントリーの追記で書いたように、
シリーズの実績もない新規IPに100億ぶっこむのは僕は反対なんで。
リスクはとっても会社傾かない規模で育てていきたいですよね。


上の記事見るとそんなゲーム会社での月ベース業績連動があるということで
びっくりなんですがw

技術者の貢献度が反映されない?業績給に4割が不満/Tech総研
http://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=000512&__m=1


しかし、最近は月例給与にも業績評価を導入する企業が増えている。
また、給与体系を業績と連動した年俸制に一本化し、
前期の業績が次期の年俸にストレートに反映するという仕組みを、
管理職はおろか一般社員にまで適用するような“先進的な”企業もチラホラ出てきている。


例えば、あるゲームソフト会社では、全社員に年俸制を導入しているが、
その方法はまず独自の年俸給テーブルに基づき、
クラスとレベルに応じた年俸給を一人ひとりに設定する。
そのうえで、開発職には各製品の収益に応じた「収益リンクボーナス」を支給、
非開発職には全社事業収益などに応じた「業績リンクボーナス」を加算するというものだ。

40%が「公平分割」なのは新卒に多すぎる


どの職業まで適用されるか、
その比率とかはまあいろいろあると思いますが、
40%でもいいんじゃないかなというのは
よく「新人は3年間育てるまで赤字」とか言うじゃないですか。
これもある種、常識的な判断から「スケジュールバッファを喰い合う」状態
だと思うんですよ。


新人は3年目から業績連動が適用されますと言われても、
裏を返せば3年目まで本気を出すなというメッセージですし
それでお互いの協力が生まれるかどうか。


これだけ払ってかつ、みんなで知恵を出し合うとしたらさすがに
「半年で使える奴にしよう」という知恵も出てくると思うんですね。
もらってる側としてもそれだけ貰うと必至というか、
事業が順調に成長していくなかで、
新人を入れて拡大していくならそれも悪くないと思うのですが
やっぱ極端ですかね。


これだとトップの社長が一番損するから適用そのものが無理


社長は下からほめられたとしても、
自分よりベース給料高い上の役職からもらえるポイントは
存在しませんからね。


でも、スティーブ・ジョブズとか、任天堂岩田聡社長とか、
下からも目に見えて仕事してる人ならポイント集まるでしょうし、
40%は「役職分割」での連動ですから、
創業社長が実質現場についていけなくなっても安泰と言うか
それぐらいもらえたら充分じゃないですかね?


あるいは経営陣は上場してしまえば、
株というストック・オプションを活用できるので
なにかとやり方があるかと。


もちろんほんとの意味で損するのは、
みんなが自己保身と、バッファの奪い合いで、
まじめに仕事してるのに圧倒的に効率が悪い会社の社長だと思いますが。
こうなると社長自身が、社員へ分け与える気持ちを持ってるか?
がこの評価システムの肝かもしれませんね。




例えば、今年の震災では
国内と海外からなけなしのバッファが義援金として集まり、
東京あたりのコンビニ、スーパーでは食料を奪い合った
じゃないですか。

「分け与えればあまり、奪い合えば足りぬ」


相田みつを


というのは、もしかして経営にも言えることかもしれません。


追記


「社員が社員に給与を分け与える評価システム」
というのは、自分の給与減らすようでイメージ良くないですね。
朝三暮四かもしれませんが、
50%の役職給与連動
50%の全体業績連動。
プラス20%の、好感度ボーナス。


とか、利益から出てくるのは変わりませんが
会計名目上、自分の給与を減らさない分け方にしたほうが
余計な摩擦減りそうです。