ヒットコンテンツを作る心構え

カプコンに学ぶデスマーチにならない仕事術 - teruyastarはかく語りき
http://d.hatena.ne.jp/teruyastar/20100311/1268260951


1、経営と開発を分けて考えないフラットな組織への移行
2、越権行為を行う勇気

3、ヒットコンテンツを作る心構え


3つめ書いてませんが、もちろん埋没費用で計上してます('A`)
改めて新規記事として後日リンク予定。


上の記事からの続き。




実はここでいいたいことは、
ハックルベリーさんのこのエントリーと同じです。

コンテンツが売れなくなったという嘘 - ハックルベリーに会いに行く
http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20100205/1265364049


もし映像ソフトをもっと売りたいのならば、
『THIS IS IT』のようなソフトを作ればいいのである。
そうすれば、みんなそれに飢えているわけだから、いくらでも売れるのだ。
その意味で、時代はむしろ、映像ソフトに追い風だと言ってもいいくらいだ。
なにしろ『THIS IS IT』のようなソフトをリリースすれば、
ビッグセールスは約束されているのだから。


だからぼくは、「それをやればいいのに」と思うのである。
しかし人々は、それをやらない。
なぜか?
その答えは、おそらくこうだ。


映像ソフトにかかわるほとんどの人々が、そもそも
「『THIS IS IT』のようなソフトを作ろうという発想」に欠けているのだ。
「お金や時間がない」とか「時代が違う」とか「ノウハウがない」とか、
「そもそも実力や才能がない」などというのは、
みんな後から取ってつけた言い訳である。
それ以前に、そもそもそういう気持ちがない。


「おれも『THIS IS IT』のようなソフトを作ってやるんだ!」
という、気概と情熱に欠けている。
だから、「『THIS IS IT』のようなソフトを作ろうという発想」には、
なかなか結びつかないのだ。


ぼくは、実はそれこそが今のコンテンツ業界が抱える一番の問題だと考えている。

が、、例にあまりにも特別な、
マイケル追悼の『THIS IS IT』を持って来てるので、たぶん伝わらないかも。
ゲームソフト1回売るごとに宮本茂を殺すわけにはいかないので、
ちょっと改編します。


もしゲームソフトをもっと売りたいのならば、
スーパーマリオを超える』ソフトを作ればいいのである。
そうすれば、みんなそれに飢えているわけだから、いくらでも売れるのだ。
その意味で、時代はむしろ、ゲームソフトに追い風だと言ってもいいくらいだ。
なにしろ『スーパーマリオを超える』ようなソフトをリリースすれば、
ビッグセールスは約束されているのだから。


だからぼくは、「それをやればいいのに」と思うのである。
しかし人々は、それをやらない。
なぜか?
その答えは、おそらくこうだ。


ゲームソフトにかかわるほとんどの人々が、そもそも
「『スーパーマリオを超える』ソフトを作ろうという発想」に欠けているのだ。
「お金や時間がない」とか「時代が違う」とか「ノウハウがない」とか、
「そもそも実力や才能がない」などというのは、
みんな後から取ってつけた言い訳である。
それ以前に、そもそもそういう気持ちがない。


「おれも『スーパーマリオを超える』ソフトを作ってやるんだ!」という、
気概と情熱に欠けている。だから、
「『スーパーマリオを超える』ソフトを作ろうという発想」には、
なかなか結びつかないのだ。


ぼくは、実はそれこそが今のゲーム業界が抱える一番の問題だと考えている。


いや、それこそ無茶を言うなというのはもちろんわかる。
なにせ600万本超という日本一の売上を誇り、
世界市場で見ると4000万本超というギネスにも載る化物ソフトだ。
でもここでいいたいのは挑戦しようと言う意気込みの話。


実は、話に聞くだけでもその通りの発想をしたチームが2つある。
ひとつは「ソニックチーム」。

合言葉は「スーパーマリオを超えるキャラを作ろう」*1

ということでたくさんの知恵を絞り、
メガドライブでソニックザヘッジホッグを作ったはよかったが、
メガドライブは日本で売れてないので超えてません。


でも、北米市場ではメガドライブを牽引する大ヒットを飛ばします。
おかげで北米のメガドライブスーパーファミコンと市場をちょうど2分し
ソニックにおいては当時のキャラクター人気度で
マリオとミッキーマウスを抜いて堂々1位。
むこうでは日本ですら放送されてない
ソニックのアニメまで放送される人気ぶり。
北米ではある意味マリオを超えたわけです。

ちなみにこれが向こうで流れた日本じゃありえない比較広告。
(マリオは遅く、ソニックは速い。価格もメガドライブが安いとかなんとかw)



そしてもうひとつが「ゲームフリーク」。

合言葉は「スーパーマリオの売上を超えよう」。

このあまりにも馬鹿げた目標に挑戦して作られたのが
ポケットモンスター赤」と
ポケットモンスター緑」。
*2


なにせ目標が「スーパーマリオの売上を超える」なので、
どう真正面から努力しても勝てそうな気はしません。
しかし、やるときめたらいろんなアイデアがでてきます。


そこで出てきたひとつの知恵が、ゲームボーイの通信対戦。
さらには「赤」「緑」という、出てくるポケモンの種類が違うバージョン戦略。
こんな売り方、相当卑怯な知恵にも思うかもしれませんが、
もちろん中身の全てにさまざまな知恵がROMギリギリまで詰め込まれ
ポケモンは「両方あわせて」スーパーマリオの売上を超えました。*3
*4



え、、無理?



わかります。
それはよーーくわかります。
お金がない。
時間もない。
時代も違う。
ノウハウもない。
そもそも実力や才能がない。



ならちょっと条件を当時に戻して考えなおしましょう。
「お金」は
メガドライブと、ゲームボーイのソフトなんで
クリアできるメーカーは多いですね。
「時間」も
当時の容量は今と比べ物になりませんね。
「ノウハウ」は、
ソニックチームゲームフリーク
はじめて作るんだからあるわけないですね。
「実力や才能」、
誰かの才能に頼るとか、
実力をつける気はないというプロはそもそもいないですね。*5



とすると、当時ならソニックの発売されてないときのメガドライブ北米市場や、
ポケモンが出る前、月のソフト発売本数が10本を割るゲームボーイ市場なら*6
みんな勝負でき、、、、

そんなばかなw

スーファミならともかく、この時期の2つの市場は見方によっては余計厳しい、、


みんな後から取ってつけた言い訳である。
それ以前に、そもそもそういう気持ちがない。


やはりスーパーマリオというのも例が極端すぎたかもしれません。
しかし現在の市場と言うのは、
90点ぐらいじゃ許されないぐらいみんな目がこえてて
自分の夢を努力では届かないぐらい大きくもつ気持ちこそ大事なんだと思います。


カプコンの竹内氏がいったように

「海外の最先端ミドルウェアに追いつくのではなく、飛び越してしまえ!」


スーパーマリオみたいなのを作りたい」じゃなく
スーパーマリオを超えるものを作りたい」。
ドラクエみたいなのを作りたい」でもなく、
ドラクエを超えるものを作りたい」。
努力や徹夜では到底達成できない夢を、、

夢って言葉と目標という言葉は同じようで違う。
手に届きそうなものは目標といいます。


ゲームクリエイターになることを夢にしないでください。
なれることは目標として、
クリエイターになった後に、夢をもってください


この気持の違いが、単なる劣化コピーで終わるか、
オリジナリティあふれるヒットコンテンツになるかの違いじゃないでしょうか?


もちろん一人で熱くなっても無理な話で、
チームが同じ夢を、同じビジョンを共有し、
さらに会社の全面的なバックアップがなければ不可能です。
なので、

1、経営と開発を分けて考えないフラットな組織への移行
2、越権行為を行う勇気と知恵

というのも大事になってきます。



だけどうちの会社じゃやっぱり無理?


よーーーーーーくわかります。
わかりますというか、、、
昔いた僕の会社がそうでした、、orz



どれだけ説得を試みても社長は「リスクは取れない」の一点張り。
だけどリスクを取れない事情や気持ち、、気持ちはわかるんです。

みんな無意識で反応する
自分の最大限の自己保存のため
できるだけ動かず、できるだけリスクを犯さず、
時間いっぱい、完璧に、安全にしあげよう。

社長は待ちました。
社長としてはそのリスクで会社を潰すわけにはいかないんです。
だから「リスクのないヒットする安全な企画」が僕たちからあがってくるのを。
僕が入る前から、、、たぶん5年間ぐらい、、、

ゲームが大好きという経営者は少ない。
経営者はお金をどう増やすかがゲーム性のようなもの。

しかしあがってくるのはどこか「リスク」のあるものばかり。
ゲーマーでない社長にはオタク系のビジュアルや、
ブラウザ系のゲームでも、理解そのものが難しいところです。
フラットな組織変更の提案でも、
ボトムアップの判断に任せるわけにわいかないと却下するのも当たり前。
「社長が理解できる高確率なヒット企画」があがってくるまで、
冒険はできずこれまでの縮小再生産をつづけるしかありません。

いくらデータを集めても絶対はないのだが、
経営側としては根拠のない冒険は見過ごせない。

そのかわり、現場から考えると
まるで利益になりそうにないプロジェクトは上からいくつも降りてきます。
経営層と、開発層の思いは完全に分離してますが、ある意味社長も必死なんです。
結果、少ない予算で、何のバックアップもないまま、すべてを総花的にやる。
現場はもうこの僅かな可能性をいわれるがままにやるしかない。


そういう組織は、人が内部から壊れていく。
鬱になったり、病気になったりする。
まあ、発展性のない業務に長時間据えられて、
強いストレスに晒されながら安い給料で働くわけだからねえ。
一個一個のデスマーチは、マーチである限り終わりはあるわけだけど、
デスマーチは仕事の様態ではなく企業の仕事のとり方に起因するから、
その業界や企業や経営者の考えが変わらない限りチェーン状に無限連鎖になってる。

あれは、、悲惨ですよ。
数年にわたり終わりのない縮小再生産。
総花的にやるもんだから全てのプロジェクトが赤字。
売上は右肩下がり。
エーススタッフの離脱。
それに加えてスタッフ半数をリストラ。
ボーナスは当然なく、
給料も2割カット。
それでも困難な資金繰り。
先が見えなく、スタッフモチベーションは最悪。
そのうち給料遅配がはじまり、、、、





グシャッ、、

ここで少し、4年前のことを振り返った稲船氏。
「当時はどん底の状態。経営サイドは
『リスクを回避してくれ。新しいゲームを作るな。
続編でお金になりそうなものだけをやれ』
という。そこで『はい、わかりました。その通りです』と答えた。

そして実際はその逆をした」

という。


キーワードは

「リスクを考えないこと」

だという。
当時は次世代ゲーム機が発表された頃で、
「どの次世代ハードが勝つのか」が焦点となった。
まだ発売前の段階では、いくらデータを集めても絶対はないのだが、
経営側としては根拠のない冒険は見過ごせない。
その状態でどう押し通すか。

稲船氏は「嘘をつくことも大切」とあっさり答えた。


耳が痛いどころか、目から汗がでてくる。
この記事を数年前に読みたかったのは誰よりもオレなんだ








越権行為を行う勇気と知恵


、、、(´・ω・`)











ま、この部分はわすれて。



開拓されきった市場でさらに、スキマ時間の奪い合い


元々、ファミコンやプレステ1の時代は、どの会社もイケイケでした。
すぐ思いつくネタで、だれもまだやってない
新しい楽しい刺激を作れたわけです。
ハリウッドで、スピルバーグが思いつくままヒットさせるように。


そして今は、ネタがあらかたやり尽くされました。
すぐ思いついて耕せるような土地はないわけです。
それにプレステ1のころとは違って、暇を潰すならゲームじゃなくても、
ネットだったり、携帯だったり、VHSよりずっと手軽なDVDも普及しました。*7
あとは残されたゲームプレイの時間を
1本の大ヒットソフトがごっそり持っていくとか、
レッドオーシャンとか言われる感じ。
それ以外残ってるのは、技術的にも、予算的にも、時間的にも、矛盾するばかりの
誰も見向きもしない荒地。
ここを耕そうと思っても、、
それ以前に、そもそもそういう気持ちがない。

だから、そういった矛盾する荒地には誰もいないんですよね。

先の記事でkeitaroさんからとても共感するトラックバックをいただきました。

世界観のない人が自己満足に挑む世界 - keitaro-news
http://d.hatena.ne.jp/keitaro2272/20100312/1268341091

たぶん世界観がない。


目指すべき世界観がないのです。
いままでの日本の製造業の開発競争は高効率な生産ラインを作って
精度が高く安価な商品を作り続けてきました。
しかし、そのノウハウは今や世界中に分散されつつあります。
生産ラインで世界的に競争力を誇っているところは、
一部の家電産業や自動車産業ぐらいしかないと思います。

世界観がない人は既存の定規の数値目標を信望する。


世界観は未来への意志の積み重ねで作られます。
その世界観が正しいかどうかは誰にも分かりません。
しかし、その世界観は自分にとって正しいことは間違いありません。
その世界観を共有していく行為が世間で認められていくならば、
それは『目指すべき道』として概ね正しいのだと思います。

新しい世界に必要なのは興味と勇気だけです。大航海時代を思い起こしましょう。


矛盾するリスクのある開拓地なら、いくらでも広がってます。
当時のカプコンだと、

CEDEC 2008 カプコン稲船敬二氏が基調講演。クリエイターと経営が歩み寄り、世界へ攻めるゲームを作る
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080910/ina.htm


カプコンは早くからXbox 360用タイトルの開発に名乗りを上げていた。
当時、稲船氏はゲーム業界の色々な人から、
「どうしてXbox 360でやるの? Xboxがあれだけ失敗していては無理でしょう」
と言われたという。
これに対して稲船氏は、
「どうしてダメなんですか? 頑張れば何とかなるんじゃないですか?」と答えた。
「その時点で視野が違う。大丈夫でしょう、という中で、
僕は日本だけを見ていなかった。
海外で外国人が考えることを考えてやろう思っていた」という。



「日本人は同じ会社の端末に変えようという意識が強いが、

外国人はそうじゃない。フロンティア精神がある。

それが世界を動かしているところがあって、
日本のゲーム業界はこれについていけていない」と業界の問題を指摘した。

「Gamefest Japan 2008」セッションレポート カプコン竹内氏、世界で戦うための開発基盤作りを大いに語る
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080905/gf2.htm


今度は主戦場である国内市場のソフト売り上げに注目してみると、
圧倒的なニンテンドーDSに続き、プレイステーション 2がいまだ強く、
それに続いて固定機のWiiが並ぶ。
ハイエンド機であるプレイステーション 3Xbox 360はわずかだ。
しかし、ソフト1本あたりの平均売り上げ本数を見てみると、
意外にもその差は縮まってくる。
総タイトル数に大きな違いがあるためだ。
さらに、そこからファーストパーティの売り上げを除くと、
つまりサードパーティのみの数字になるわけだが、さらにその差が縮まる。
特にプレイステーション 3ニンテンドーDSとほぼ並び、トップレベルの数字である。


竹内氏によるゲーム市場の分析グラフ。
ニンテンドーDSが非常に強く目をうばわれがちだが、
よくよく見てみると、高性能ゲームプラットフォームの市場は、
サードパーティの1タイトルあたり売り上げ本数においては悪くない数字である


高性能機用のゲーム開発は、本当に採算性が悪いのか?
竹内氏の話はこの点でも明快だった
ここで浮かび上がってくる思いは、
「みんなが思っているより、高性能機向けのゲーム市場は有望なのでは?」
ということだ。
特に採算性において、高性能機ゲームの開発は一般に思われているほど悪くはない、
というのが竹内氏の結論だ。


そこで気になるのが、
高性能機向けタイトルにつきものの開発コスト・採算性の問題だ。
竹内氏に言わせると、3Dゲームの初期に比べれば、機材費は格段に安くなっており、
外市場に目を向ければミリオン級のタイトルは枚挙にいとまがないほどだ。
国内サードパーティが「売れない、売れない」と嘆くのは、
ユーザーの価値基準が上昇し、良いものは売れる、ダメなものは売れないという
二極化が進んだ結果である。

その負担が過剰に重くのしかかってしまうのは、業界の自業自得的な結果だという。


「どんな開発になりたいのか、具体的なイメージを持つ」ということだ。
この意識がない開発会社は、意外にもかなり多いという。
カプコンでは経営基盤足りうる開発力の充実を目指して「選択と集中」を徹底した。
それはつまり、粗製濫造に陥る危険性のある
「全てのユーザーを満足させる多様なラインナップ」ではなく、
「多くのユーザーを満足させる限定されたラインナップ」を目指すということだ。
とりもなおさず、これは「デッドライジング」、
ロスト プラネット」という作品が生まれた背景に直結した考え方である。



そうして形になったマルチコア世代機向け開発プラットフォーム
「MTフレームワーク」を使い、最初の作品である「デッドライジング」が登場する。
これはゲーム内容のユニーク性において、後にも先にも例をみないほどの作品だ。
海外デベロッパーに先駆けて、
Xbox 360における初のZ指定タイトル(CERO、18才以上推奨)となり、
ドイツと韓国では販売禁止措置まで取られた。
日本国内でも、「売れるわけがない」と言われながら、
それでも竹内氏は「多くのユーザーを満足させる」と信じて突き進んだわけである。
結果は、ご存知の通りのミリオンヒットだ。


続く「ロストプラネット」も大変だ。
海外製FPSが全盛の時代、
日本発の3Dシューティングゲームが売れるわけないと思われていたところに、
FPSライクなシューティングゲームであり、ロボットものである。
「絶対に売れないだろう、頼むからやめてくれ」的なことまで言われながら、
開発メンバーは海外性FPSを徹底的にやり込み、そのエッセンスを吸収した上で、
日本発のゲームだからこそ出来るゲーム性を盛り込んだ。
ふたを開けてみれば、「ロストプラネット」は
全世界でダブルミリオンの売り上げを達成した。


いずれの作品にも共通するのは、それが他に例を見ない、
類似品でないオリジナルな作品であり、
海外の最新作品に勝るとも劣らない3Dグラフィックのクオリティを備え、
しかも効率的で強力な開発基盤により、

スケジュールに大きな狂いなくリリースされたということである。


こうした強力なラインナップを構築するために竹内氏が守った原則は、
やはり先に挙げた「選択と集中」である。
あれもこれもと手を伸ばしていては、コストがかさむばかりか、
結果がでないタイトルも多数出て、開発者モチベーションは下がり、人材が育たない。
強力な開発基盤を維持するためには、

得意ジャンルでトップをキープすることが何よりも大事であり、

そこでカプコンは「アクションのカプコン」という選択をしたわけだ。

カプコンを変えた「安い、早い、美味い」の3原則と、その先にある「総合力」 - GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20090903_312660.html


「同じものを作ってもホンマに売れるわけがないんです。
さらに、カプコンがそれを嫌う理由は、モチベーションです。
発想の部分でオリジナルに勝つのは至難。
しかも狭い発想の中で、開発者はものすごく苦しい思いをすることになります」。


ちなみにカプコンではいくつものシリーズ作品を抱えているが、
「同じシリーズに連続で関わっていると頭を抱え出すスタッフが多い」とのことで、
そのために定期的にメンバーを入れ替えているのだそうだ。
最近プロジェクトを終えた「バイオハザード5」のチームもすでに解散しており、
メンバーはそれぞれ全く違うタイプのゲームに関わっているという。


竹内氏の語る「半主流化」の好例が「ロストプラネット」だ。
世界でミリオンセラーとなった同作だが、企画当初は散々に叩かれたという。


「なんといっても、ロボット、SF、3人称シューティング。
不人気ジャンルの3重苦です。
こんなに売れない要素をくっつけたような作品は無い、
売れたら大変なこっちゃと言われて、叩きに叩かれました」。


こうしていったんはボツになりかけた「ロストプラネット」の企画。
しかし竹内氏はヒットを確信しており、あきらめなかった。
問題は、経営サイドをどうやって納得させるかということだ。
そこで、どうしたか。


「でも、それに対して、アメリカ人はロボットが好き、TPSも好き、
SFも好きですよと。これまでは、たまたま売れるゲームがなかっただけで、
出せばヒットは確実。こんなチャンスを逃すのは惜しいですよと、
かなり強引な理屈で説得しました。
そしたらなんと、プロジェクトに許可が出まして」という竹内氏のトークには会場も爆笑。

、、、(´・ω・`)




そして前の記事でお題をもらいましたのでこのさいついでに。

id:minakagami 米国産のカンパニー制を廃し、日本のお家芸である配置転換をすることによって、カプコン内で「雇用の流動化」を実現し、成功している。/でも、モンハンのまぐれ当たりに助けられた疑惑の検証が必要じゃない?

モンハンは偶然大ヒットしたのか?


モンハンは4年をかけて地道に拡大させてきましたが、
裏で相当なマーケティングをしかけてます。

旧はちま起稿 - カプコン「モンハン3の今期販売計画は200万本だよ!」
http://hatimaki.blog110.fc2.com/blog-entry-1040.html


PS2 モンハン : 28万8550本


モンハンG:
PS2版 23万7393本
Wii版 初週14万本


PS2 モンハン2: 69万2228本


PSP モンハン: 112万2604本


PSP モンハン2: 172万3187本


PSP モンハン2G: 300万8554本
(現在360万本超。発売2年たった今もご当地CMなどが流れている)


モンスターハンターポータブル 2nd G』のご当地CMが完成 - ファミ通.com
http://www.famitsu.com/game/news/1230648_1124.html


国内で300万本オーバーのシリーズ作品というと、
ドラクエと、ポケモン、、、NEWスーパーマリオブラザーズしか思いつきません。


これ、昔やってたがっちりマンデーでの解説がわかりやすいのですが、、、
あ、、動画あった。
ちょうどこれまでの記事にあることが
動画で開発現場みれてわかりやすいですね。
モンハンについては、2番目の動画からどうぞ。


http://www.dailymotion.com/swf/xagi2l
http://www.dailymotion.com/swf/xagi2a


一応動画が消えたときのために解説しておきますと、
カプコンは元々、格闘ブームの時、
格闘ゲーム大会のイベントを行ったり、手伝ったりしてたんですよね。
で、それがモンハンのイベントとして復活。
ここでモンハン協力プレイをできるイベントとして用意して、
そのイベントでは全く儲からないけど、
イベントを体験した子の友達に普及させるマーケティングを続けたのが鍵、
とあります。


そして、10年ぐらい前のカプコンて、社員1000名ぐらいでした。
それでもいまよりたくさんのタイトル抱えてたから、
たぶん開発スタッフの方が多かったと予想できます。
でもいまは、

カプコンの「新」アメーバ経営、ゲーム業界でヒット連発の秘密(1) | 企業戦略 | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン
https://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/45da8ed11eecb4088bfa3154b41e7e7d/


従業員約1800名(うち開発スタッフ約700名)

と、800名近く増えてるのに開発スタッフの方が少ない。
じゃあ残りの1100名は何をやってるのか?


、、と考えると、これが、動画でもあったモンハンをはじめとする
さまざまなメディアミックス戦略の人たちなんじゃないかと。


ここまで手広くしかけてると、
モンハンも、他のいろんなソフトも、ただの偶然ではなく
「戦略面からなるべくしてなった」という印象を受けます。

発売後に販売30万本を超えれば、コンテンツやモバイル部門のスタッフが加わり、
さらなる知名度アップを狙って映画やアニメ化などマルチメディア展開を模索する。
バイオハザード」シリーズにおけるフルCG映像化
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントとの共同制作)や、
イケメン武将が登場する「戦国BASARA」のアニメ・舞台化などが典型だ。

面白いゲーム作って広告打って終わり、ではなく、
ゲームを作る前から、発売後の展開やフォロー、
ヒットしてあとのメディアミックスまで「全部に血が通ってる」。
決して投げっぱなしのグダグダメディアミックスではなく、
それぞれのクオリティーコントロールに力を入れようとしてる。
もちろん、これは一気呵成にここまでできたのではなく、
4年かけて地道に基礎体力から、正しいスパイラルを拡大してきたとのことです。

「安い、早い、美味い」をキーワードに、開発体制の大改革を敢行したカプコン
竹内氏は、その効果がさらに正の相互作用を起こし、さらなる開発体制の強化、
ひいてはゲームデベロッパー・パブリッシャーとしての
「総合力」の強化につながったと語る。


「早く作ればさらに安く作れるようになり、
安く作ることができればさらに美味しく作ることができるようになります。
こういうスパイラルを築いていくことが、
カプコンの基礎体力に大きな影響を及ぼしました。
これは組織とか、エンジンといった単体では機能しません。
全てが合わさることではじめて機能する。
そういった『総合力』を企業として付けていくことを
イメージされると良いのではないでしょうか」。

日本のゲーム業界を復活させるには:(2)カプコン竹内潤氏に聞く | WIRED VISION
http://wiredvision.jp/news/200906/2009061921.html


竹内氏によると、国際的なヒット作を作ろうという日本のゲーム開発者は、
欧米のテイストをまねようとするのではなく、
「面白いゲーム」を作ることに集中する必要があるという。


「それは、カプコンに初めて参加した開発チームが学ぶことだ。

われわれが開発に費やす全ての仕事は、エンドユーザーの感情にリンクされなければならない」

と竹内氏は語った。
「会社や製品を世界に拡大していくための戦略にはさまざまなものがあるだろうが、

(面白いゲームの制作に)集中するということができなかったら、会社の存在理由が失われてしまう」

まとめ

だからぼくは、「それをやればいいのに」と思うのである。
しかし人々は、それをやらない。
なぜか?


そもそもそういう気持ちがないのだ。

昔と違って、今はネタがあらかたやり尽くされた。
すぐ思いついて耕せるような土地はもうないわけです。


残ってるのは、技術的にも、予算的にも、時間的にも矛盾するばかりの
誰も見向きもしない荒地。
ここを耕そうと思っても、、
それ以前に、そもそもそういう気持ちがない。
そこに何かが埋まってるなんて夢にも思ってない。

だから、そういった矛盾する荒地には誰もいないんですよね。

自己保存本能は人間にとって大切なものだが、
(荒地を耕しても)「失敗するかもしれない」という否定語は、
この自己保存本能に過剰反応を起こさせて、
脳の働きにブレーキをかけてしまう。
それゆえ、コツコツやるという人は、

自分が現在持っている以上の力を発揮することが難しいのである。

反対に、とても到達できそうにない目的に向かって一気にかけ上がろうと考えると、
脳は信じられないほど高いパフォーマンスを示してくれる。


これはスポーツだけでなく、あらゆるジャンルに言えることだが、

人間は結果を求めると、持てる能力を十分に発揮することができなくなる。
ポイントは、「損得勘定抜きに」だ。
キーワードは「リスクを考えないこと」だという。
「海外の最先端ミドルウェアに追いつくのではなく、飛び越してしまえ!」


そうやってどんどんつきつめていくと、
「ではどうやって矛盾を解決していけばいいのだろう?」
「たったひとつのアイディアで、3つも4つも矛盾が解決することなんてあるんだろうか?」


などと思うかもしれません。
以下の話に何かヒントをつかめたら幸いです。

危機から復活を遂げたカプコンは世界企業に変われるか デジタル家電&エンタメ-新清士のゲームスクランブル:IT-PLUS
http://it.nikkei.co.jp/digital/column/gamescramble.aspx?n=MMITew000022052009


■「対義語の組み合わせが成功を生む」という思考法


そこから得たのが、「対義語の組み合わせが成功を生む」という思考法だ。
ゲーム業界に限らず、「経営」と「開発」は水と油ほどの対立関係にある。

この対立を解くことで企業が成長するように、

対義語をうまく組み合わせることで成功のチャンスは生まれるという。


マイクロソフトの初代「Xbox」は日本でまったく販売結果を残せず、
多くの日本企業は04年当時、
「Xbox360のゲーム市場には可能性がない」と判断していた。
また、海外市場向けタイトルの開発も、「嗜好が異なる日本人には難しい」
という考え方が業界内では支配的で、本腰を入れる企業は少なかった。


ところが、稲船氏はこれを対義語と捉えて、あえて取り組んだ。

無謀な挑戦にも見えるが、*8それをどのように戦略的に解決するかという方法論が

カプコンの新しい強みを作り出すと考えた。


マツダの似た話を見かけたので、関連:

「ほんとうのプロダクトアウト開発」 ― マツダはなぜ、よみがえったのか? - naoyaのはてなダイアリー
http://d.hatena.ne.jp/naoya/20100313/1268444915



ほんとうのプロダクトアウトとは、RX-8のような製品の開発過程を指すのだ。
すなわち、無理難題とも言える目標を経営陣が掲げ、現場はその目標を超えようと知恵を絞り、
試行錯誤を重ね、そして目標以上のものを創り出す―。
これが、ほんとうの「モノづくり」であり「プロダクトアウト」である。



「二律背反」を乗り越えるのが、技術者っちゅうもんでしょう。:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20100311/213310/


それにしても、コストを強く意識しつつ、初志であるスポーツカーの定義、
「人馬一体」を堅持するというのは、とてつもない二律背反のように思えるのですが。
みんなが「楽しさ」に素直にお金を払ってくれればいいのに、と思いませんか。


貴:いや、そこを乗り越えるのが技術者っちゅうもんでしょう。


また、こういう矛盾解決法も参考になるかもしれません。


フレームワーク脳を打ち破る宮本茂の言葉 - teruyastarはかく語りき
http://d.hatena.ne.jp/teruyastar/20090128/1233071017

*1:みたいな

*2:ゲームフリーク任天堂のチームではなく任天堂に持ち込みをかけた開発会社です。

*3:また、その後のメディアミックスや世界展開は、当時の山内社長が「100年に一度の奇跡」と言わしめるような、世界的ブームを巻き起こしたのはみんなが知るところ。

*4:もうひとつ例を挙げるなら、当時のファイナルファンタジーも「ドラクエ超え」を意識して作られたそうです。

*5:ん?

*6:ポケモンが発売される直前のゲームボーイ市場は風前のともし火でした

*7:それはPS2のせいだがな! DVDを再生できないGCWiiはゲームの立場をわかってる

*8:無謀な挑戦にしかみえねえよw