アメリカの近未来は「エリジウム」か「新社会」か


“独立”する富裕層  - NHK クローズアップ現代
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3488_all.html


オープニングの格差社会見て
急激に「エリジウム」化しそうな感じなんだけど
意外とそうでもないというか、
国ごと変わる可能性もあるんじゃないかと思いました。


リンクにあるグラフが凄くて、
年5500万ドルと試算された市の運営費が、
2007年、2800万ドルぐらいから、
2012年、1850万ドルぐらいへと、
5年間でどんどん運営費下げてることなんですよね。

もちろん、治安維持費や、個別サービスにプレミアム価格を払うことで
どんどん必要なくなっていったサービスも多いでしょう。
株式会社であれば
最初の判断が文化、環境、公共といった概念ではなく、
「対費用効果の最大化」が先にくると思うので番組見る限りでも
自治体がかなり効率的に運用されてそうです。

普通は、なんらかの利権とか、働く公務員の保証、
効率化出来ず、クビ切れず、下げれない給料、
8割適当にやるより、完璧な平等で公平なサービスのために
その10倍の費用かけるとか
文化や、公共という建前でいくらでも天下りや談合がまかり通る。
市民はそれを知ってて止められないのが、
通常の自治体や政治。

政治家や市長を選んで、決算を任せる仕組みでは、
どうしてもその選挙は利権の組織戦がからんできます。

これまでどれだけ有能な市長や、知事がいて改革がうまくいっても、
彼らは毎日その利権団体と戦わねばならず、
1人でなんでも知ってるわけないから、
結局既存の利権団体の力を借り、
どこかで妥協しないといけなくなり、長くは持ちません。
マスコミにやられ、本来守るべき市民から攻撃されたり、
バカバカしくなって利権に取り込まれたり、
選挙で任期ごとに当選するのも難しい。


だからこの自治体、
市の株式会社化が誕生したことそのものが凄い。
この運営でも利権はあるかもしれませんが、
番組でのグラフと運営見る限り、
市民レベルで決算に関わってるように思えます。



富裕層が抜けた方の自治体なんですが、
旧態依然とした効率の悪い古い自治体のままでは
当然サービスの質が落ちます。
効率悪いまま、削れるところから削ろうというのでは、
元々利益の薄い会社が人員を削ったり、
商品の質を落とすようなもので、この先倒産、破綻するのみ。

ライバルであるサンディ・スプリングスが隣に誕生した以上、
平均年収1000万超えない自治体でも利権がからまない、
時代に合わせた合理的経営ができないとジリ貧。

1000万超えない自治体で、税収が半分に落ち込んだら
1から今の時代の公共サービスとはなんなのか考えなおして
常識を作り替え、効率最優先で運用させなければいけない。
サンディ・スプリングスなんて裁判長まで必要なときだけ
時給100ドルで雇うのに、貧乏な自治体は常勤雇用。
貧乏な方が高い運営費を支払う今の構造でやっていけるわけがない。


1から考えるのであれば、税収半分のままでも
本当に最適な公立教育はどこまでか検討したり、
有用なオンライン授業や、
1万円もしない中華タブレットを使ったゲーミフィケーション教育の投入、
医療費そのものに限界はないからどこかで諦めないといけないけど、
ノルウェーフィンランドのように、緊急時以外は
一度かかりつけの町医者を通して
その紹介でなければ大病院への受付ができないとすれば、
風邪でも気のせいでも、じいちゃんばあちゃんのおしゃべりも
全部大病院が引き受けて3時間もまつ必要はなくなるし、
誰それの利権や絶対的平等や公平を無視できるのならば
相当な効率的運営ができるはずなんですよね。



それができない以上、「エリジウム」化していくのかというと、
そうならない気がするのは、
リンクの動画にもあったようにサンディ・スプリングスの成功を受けて、
アメリカで新たに30の似たような市が生まれようとしてること。


そうするとすぐにも大きな社会問題化や
デモや暴動が起こるかもしれないけど
これが盛り上がらない小説だとしたら、
結末の理想的な着地点は
今の自治体がどうしようもないところまで追い詰められて
治安がマッドマックスになり、
サンディ・スプリングスの治安維持までも高騰化するのを予見した
サンディ側が、隣のその貧乏な自治体を吸収合併して
サンディ側の方法論で運営することだと思うんですよ。

サンディがM&Aした方が、
周辺自治体も常識はずれな効率的運営によって自立させた方が、
刑務所も警察も減らせて治安も安くつくと。

それで周辺自治体が同じように
豪勢な暮らしできるわけじゃありません。
ただ、自治体の収入にあわせた税金運用が、
優良企業レベルで常に最適化され何倍も効率的になれば、
その自治体で暮らす人が受けるサービスは毎年向上します。

毎年サービスが低下すれば当然治安も荒れますが、
毎年向上するのなら、治安も生活も安定します。



番組やコメンテーターは、盛り上げるために
格差社会」の危険性を前面に出しますけど
本当の問題は利権や天下り
時代に合わない非効率な運営で高コスト化している
自治体や政治を市民側から革命したことじゃないでしょうか。

税金が100%うまく運用出来てたら、
個人でやるより安くついてみんなの暮らしはどんどん楽になります。
貧困がうまれる国というのは、政治が腐ってて
例えそれが悪気のない努力の放棄だとしても、
その税金から中抜きしてる奴がたくさんいるからです。
本来流れるべき金をもせき止めて抜いてしまい、
お金が下まで回らない。

資本主義でも、社会主義でも市民はそれが分かっていながら
結局所属団体が得すれば自分もちょっと得するので
それぞれの利権と文化と主義主張で別れ、
どうしようもなかったことです。



順調に経済発展し続けてる時代では
非効率な自治体運営は有耶無耶にされ
優良企業が地元にいたら歳入もプラスでした。
その資本主義が行き過ぎて0.001%の超富裕層と、
貧困層まで別れると「エリジウム」です。



でも今だからこそ、タイミングが整ったのかもしれません。

経済成長が停滞して、格差が進んで
1000万レベルの富裕層が1%というこの段階。

つまり、格差が進んだからこそ増えた
所属団体の利権に流されない独立した人、
高い税金を不満に思う初級富裕層レベルの人達、
芸能人市長やタレント市長、利権をもった2世市長にも惑わされず、
市を自分達の経営手腕で改革させる初級富裕層人数
がやっと集まるのが
この2014年前後のタイミングなんじゃないでしょうか?


隣の貧乏自治体はさっさと破綻して、
サンディ側が取り込んだほうが安いぞ、
という状況にもっていってくれると、30の新たな地域にも波及して
それがほんとにうまくいったら
日本でも経済特区みたいな形で実験が始まると思うんですよね。

逆にこのタイミングを逃すと、
0.01%の超富裕層と貧困層
エリジウム」ごっこしないといけないのでしょうが
それは意外と現実味がない気がして、
サンディ・スプリングスに賛同する自治体が増え続けたら
政治も変わらざるをえないでしょう。

資本主義でも社会主義でもこれまでになかったレベルの
税金というエネルギーの正常運用化。
通常の自治体は税金を全力で使い切ることしか考えず、
運用コストは常に上がり続ける仕組みですが、
サンディ・スプリングスのグラフは使う税金が毎年最適化されて
期待できそうな数値を示しています。

税金エネルギーのロスが問題のポイントなので、
これが正されたら貧困以外のいろんな問題も期待できます。
一番税金を払ってた富裕層が
シンガポールへ移住する必要もなくなれば
さらなる税収アップにもなります。

住民
「私たちが作る市の方が、税金をより有効に使える。この法案の支持を求める。」


マリーケイ・ウッドワースさん
「自分たちが支払う税金に見合う行政サービスを受けているとは思えません。
私たちは社会を分断したいわけではありません。
ただこれまでの自治体に代わって、
より自分たちに合った自治体を作りたいだけなのです。」


番組ではこれしか言ってませんが、正しいと思います。
着地点として周りの自治体をも取り込むか、
周りの自治体自身がこれに合わせて変わるかどうか。

サンディスプリングスは同じ税金で
室の高い公共サービスや安全が手に入るから、
土地住宅価格が暴騰します。
ですが新たに30も出てこようとしてるのはいいことで、
こういう地区が増えるほど競争で土地住宅価格が下がっていき
中間層や、貧困層も入居できる隙間が出てきます。


最終的にすべての地区が政治汚職や利権団体にとらわれない
コスト意識のもてる本来の自治体になれたら、
一部の権益しか得しない公共事業につぎ込まれてた非効率な税金運用も、
低所得層への、時代に合わせた常識はずれのシステムとして
安定した生活と教育と医療を考慮し、
富裕層は治安セキュリティに市の半分の予算も
使わなくて済むかもしれない。


有能な経営者レベル市民達による市の株式会社化は
世界を変える可能性があるかもしれません。





関連:

アメリカレポート - サンディ・スプリングス市
「小さな政府」の成功モデル〔2011年3月25日公開〕 ― フォーラム日本
http://www.forum-nippon.com/conversation/sandy-springs


自治体を民間が運営する都市 - 森記念財団 pdf
http://www.mori-m-foundation.or.jp/column/pdf/miwa_090717.pdf


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