teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

長期的視野の「選択と集中」とは具体的に何年ぐらい先だろうか?

選択と集中」は本当に正しいのか?|日本総研
https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=6937

選択と集中」には2つの点でリスクがあると考えられます。

第1は、「当たりはずれが大きい」という点です。
確かに、ニッチャー企業として成功している事例は多数見られます。
しかしその陰には、それ以上に失敗している企業もあるわけです。


第2は、「長期的視野がない」という点です。
企業は得意分野だけやっていればいい、というのは、
確かに短期的にはそうかもしれません。
しかし長期的にはどうでしょうか?


要は、「ケースバイケース」という
至極当たり前のことを踏まえることです。
したがって、自社の戦略を見直す際には、
選択と集中」といった単純なパターンで決め打ちしてしまうのではなく、
その企業固有の業界環境や成長ステージを勘案するという、
当たり前のことを慎重に行うことが大切だということになるのです。


6年前のコラムにツッコむのもなんですが、
結論が当たり前のことを慎重に、、なので、
ちょっとこの先を書いてみます。


6年前でも液晶に選択と集中をしたシャープの失敗は指摘されてますが、
シャープや三洋以下の総合三流メーカーだった、サムスン
液晶、DRAM、携帯の世界視野に集中してトップになりました。


もちろん全てを変える改革をしたサムスンの会長はすごいのですが、
会長が井深大スティーブ・ジョブズほどの
ビジョナリーだったかというとそういうわけではない。

サムスンは、その未来を見通せる有識者を沢山雇い、
世界市場をくまなく調査してどこへ進むべきか決めるわけです。
別にこれまでTV事業か何かの偉業があるわけでもなく、
過去にこだわるものもなかった分、方向付けもしやすかった。

日本の家電だと、利益率が高い日本市場ばかりにこだわって
世界の需要を真剣にリサーチしなかった。
それは選択と集中の短期的視点と言われても仕方ない。


ジョブスほどのビジョナリーが必要かというと、
ジョブスだってそれなりにミスジャッジの製品は出していて
全ての選択と集中が成功したわけではない。
彼は現実歪曲空間という能力で、
他人の知恵や有用な意見を自分のこだわりからいったんは否定して、
熟考の末、自分のアイディアのように取り込んで昇華する事ができた。
(要はパクリなんだが)

そう考えると稀代のビジョナリー、ジョブスであっても
自分より有能な人達の力を借りて未来を作っていた事になる。

Googleだと、ラリー&ペイジがビジョナリーというわけではなく、
手がけたテーマ、「Webのデータベース化と高速検索の追求」が、
インターネットやコンピューターの本質をついてたので、
そのままスケール拡大できた。
有能な人材も集まり、短期的には無駄とも思える
未来への投資には事欠かない。


とすると、社長がビジョナリーであっても、なくても
未来をそれぞれの視点で見通す洞察力の高い有能な人材を
周りにどれだけ確保して、真剣に世界の将来をリサーチするか?
、、という話ではありません。

上記起業だって最初からそんなに金と人材が豊富なわけじゃない。


必要なのは100年後の世界はどうなってるか?
200年後の世界はどうなってるか?
という「自分が生きてない未来前提の議論」です。
他社はみんな10年後か、
せいぜい自分が定年の30年後までしか考えてないので
100年先の企業を目指してる会社には
長期的視点の洞察レベルが違ってくる。


このブログで何度か引用してますが
Appleはそういう未来を考えてそうな文化が有ります。

Twitter / shu uesugi (上杉周作):
http://twitter.com/chibicode/status/33769337827368960


アップルで働くまで、イノベーションというのは
「今にない、新しいものを作ること」だと思ってた。
でもそれは違って、イノベーションというのは
「未来にある普通のものを作ること」なのです。
この違いを理解できるまでかなり時間がかかった。


googleが、まだ現実的に使えないロボットの会社を買収したり、
量子コンピュータにとりかかったり、人工知能に投資したりというのも
未来を見据えた上での話。

サムスンの長期戦略がどこまでかわかりませんが、
日本の家電メーカーよりずっと先にあることは間違いないでしょう。

ここ十何年か、常に倍プッシュの賭けにでて、
いまや時価総額でドコモを抜いたソフトバンクも、
300年先を考えてるそうです。


【全文】ソフトバンク孫社長が語った“300年後のテクノロジー”予想すげえ! - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2137464371947919301


これは会社じゃなくても、個人にも言えます。
自分が死んだ時、どう語られる人になりたいか、
その業界の歴史にどういう足跡を残すかと考える人の方が
大きな仕事をこなします。


そんなこと言ったって、
スピードの早いIT業界じゃ
3年後だって予想できないよと言われるかもしれません。
それ以上に自分が生きてない時代のことなんか
想像しても現実感がなく、意味ないと言われるかもしれません。


でも最初は遊び感覚で考えていいんです。
自分の業界の延長線上だけで考えると確かに現実感はないでしょう。
しかし、現実はさまざまな業界での革新が絡んできます。
世界の成長速度は僕達が自分の業界の知識だけで思ってるより、
急激に加速し続けています。
全然違う業界の革新が、自分の業界の飛躍をもたらすことは多い。


50年前の人で、
誰もがiPhoneをもって、世界の裏側の人とスカイプで無料通話して、
タダで動画共有できて、検索すればたいていのことは調べられて、
Facebookで昔の友人と気軽に再会できるようになるとか、
予想した人はそういなかったでしょう。


普通にやったら実用化に100年先や200年先の
ロボットや人工知能の研究も、
いろんな業界の技術革新で、ほんとに生きてるうちに
実用的なアンドロイドができるかもしれません。

200年、300年先に予想したことが、
10年、20年先の未来になってもおかしくない。
あなたが森羅万象すべてを把握してる神でないのなら
未来は自分が想像してるより圧縮されてやってきます。
だから、自分が死んだ後ぐらいの未来戦略でちょうどいいんです。

10年20年前の世界の延長線上で人生設計を予想した人は、
世の中や自分の業界がその世界線から外れ、
今この瞬間にこの仕事をこの給料でやってるとは、
良くも悪くも思わなかったんじゃないでしょうか。
僕は300年先を考える人達の世界へ簡単に振り回されました。


僕のそんな10年先ぐらいの戦略では、
Googelが無料サービス始めただけで潰れるかもしれません。
未来はいろんな所から圧縮されてやってくるのですから。



最初のコラムに続けるとしたら、
選択と集中の具体的長期的視野というのは、
孫正義が300年先なんだから、その話を元に
そのひとつ向こう350年先の議論や計画を、*1
毎年でも、毎月でも定期的に、気軽に話せる機会を設けましょう、
となるでしょう。


無料通話アプリ「LINE」のユーザー数が1億を突破。19か月での達成はTwitterFacebookより速いペース
http://www.gapsis.jp/2013/01/line-100000000.html

世界のエントロピー増大が止められないとしたら
そのときが思ったより早くきて真っ先にチャンスを捕まえられるとしたら、
長期的視点からの「選択と集中」は、
どれだけ先の未来から現在の事業へ繋げるか?
どうやって現在の事業から未来へシフトしていくか?
と、未来からドラえもんのように考える人達かもしれません。

魔法少女まどか☆マギカ WIKI - ネタバレ考察/台詞集/キュゥべえ
http://www22.atwiki.jp/madoka-magica/pages/56.html


第11話

「原因は君にあったんだ」
「正しくは、君の魔法の副作用――と言うべきかな」
「君が時間を巻き戻してきた理由はただ一つ――鹿目まどかの安否だ」
「同じ理由と目的で、何度も時間を遡るうちに、君は幾つもの並行世界を、螺旋状に束ねてしまったんだろう――鹿目まどかの存在を中心軸にしてね」
「その結果、決して絡まるはずのなかった平行世界の因果線が、全て今の時間軸のまどかに連結されてしまったとしたら、彼女の、あの途方もない魔力係数にも納得がいく」
「君が繰り返してきた時間――その中で循環した因果の全てが、巡り巡って、鹿目まどかに繋がってしまったんだ」
「あらゆる出来事の元凶としてね」
「お手柄だよ、ほむら」
「君がまどかを最強の魔女に育ててくれたんだ」


第10話

「契約は成立だ。君の祈りは、エントロピーを凌駕した。
さあ、解き放ってごらん。その新しい力を!」

*1:もちろん200年や100年と中期計画にブレイクダウンして。孫正義も毎年アップデートするだろうし。