teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

中田敦彦はなぜ間違うのか?

togetter.com
動画内にちょくちょく間違いがあると、最近ネットでよく叩かれるオリラジ中田敦彦だが、疑問なのはなぜ自ら書籍ベース(ときに複数本)で解説し、自らホワイトボードにまとめてるのに、単語や時系列を間違うのか? だ。池上彰の本としてもそこまで書籍が間違ってるとは思えない。

その回答となる動画を見つけた。

www.youtube.com
中田敦彦は、30分近い解説動画をほぼ毎日上げている。

元の書籍を読む必要があり、それをホワイトボードにまとめる必要があり、動画はスタッフが字幕付けてくれたらなんとかなるものの、2ndチャンネルや、他のYoutuberとのコラボ、芸能活動まで含めると尋常じゃない活動量だ。

DaiGoのYouTuber活動、論文紹介は、論文は要点がまとまってるので読みやすくピックアップしやすいからできること。でも中田の書籍紹介は一通り網羅して30分-90分にまとめるのでどうやってるのか?

いわく、
「本を読む人間ではなかった」
「普通に読んでも頭に入ってこない」
「そこで受験勉強のやり方を思い返した」
「一回では読んでも頭に入らないのを受け入れる」
「途中で分からなくてもまず1回」
「苦しかったら飛ばしてもいい」
「1回全体の流れを掴んだら、次にゆっくり熟読」
「熟読も、自分の面白いところを優先的に読む」
「本の全部を貰おうとは思わない」
「本から何個か面白い所をいただければそれでいい」
「みんな本を読むのにプレッシャーを感じてると思う」
「全部読まなくていい。全部理解しなくていい。」
「僕の中でこれだと思ったら、アウトプット」
「20人ぐらいのお客さんを呼んでて、収録の締め切りがある」
「締切があるからブーストがかかる」
「本を読んでる途中でもちょこちょこスタッフにプレアウトプットをして修正かける」
「同じ本が並んでたらやわらかい本(薄く、漫画、イラストが多い本)を狙う」
「太い本買って積ん読が増えると、本買っても読めない奴という負け癖がつく」
「分厚くて超面白そうな本は、3日休み空くなどコンディション整った時に読む。」
「黙々と読むと疲れるので、面白いなー!こいつ話長いなー!など感情を声に出すと結構読める」
「本を大量に買うときも本屋で3時間かけて選ぶ」
「本は好き嫌いで選ぶ」
「中身開いてなんかやだなとか、著者の顔、装丁でも気が合わなさそうだったら置く」
「本選びは気の合う人を探すぐらいわがままでいい」
「再生回数上がってプレッシャーかかってきたので、むしろ出来る範囲でやろう」
「政治的な思想とか、専門用語間違えると批判が高まってプレッシャーが掛かる。完璧にやらず、時間内にできたものが自分の実力」
「毎日更新と決めて、収録決めて、できなかったものは実力だから、しょうがないじゃん」

「それでも前に進まないより、前に進んだほうがいい。嬉しい(本との)出会いもいっぱいある。」

「子供になんで勉強するかと聞かれたとき、役に立つから、ためになるから、立派になるためがゴールではなく、学ぶことそれ自体が快楽なんだよ。(Youtube大学は)それを伝えるだけのチャンネル。だからやわらかくても漫画でもいい。」
(中田自身がプレッシャーに感じたり、勉強の完璧さに苦しむ姿を見せる必要もない)


DaiGo「確かに、ちゃんとしなきゃいけない、ミスってはいけない、というのは人間が行動をやめてしまう一番の障害ですね」



完璧を目指さない、学びにプレッシャーを持ち込まない。
間違えてもいい、学ぶ楽しさを伝える。
トップ画像もそうありますね。

f:id:teruyastar:20200118170810j:plain

監修付けて、きっちりちゃんとやろうとすると楽しくなくなるくか、動画投稿が10分の1に減りそうです。

逆に、中田に対して反論動画作ろうにも、それはちゃんとしなきゃいけない、ミスってはいけないという側の動画だから、そんな完璧な動画はコストにみあわず、行動を辞めてしまうでしょう。


この騒動みて12年前の、はまちちゃんの記事思い出しました。

blog.hamachiya.jp

あのね、セキュアじゃなきゃ公開するなとか言ってる人たちよりも、
穴だらけで、拙いソースコードでもいいから
面白いもの便利なものを公開する人の方が、
ずっと世の中に役立っているんだ。


略)

そもそもセキュアでないとダメと言うなのなら、GoogleもYahooも今すぐ利用をやめるべきで、はてなに至っては今すぐサイトを閉鎖して会社をたたませなきゃだよ。
だって、ぜんぜん穴だらけだよ?

 




こちらは別のコラボ動画ですが、

www.youtube.com(17:30あたり)

教育系Youtuber鴨頭嘉人さんが、観客の層に合わせて講演のまとめや見せ方を変えていく、丁寧に戦略を練って狙っていくという話。鴨頭嘉人さんが客層を見て同じ素材でいろんな料理に味付けを変えるのに対して、策略家と思われてる中田が実はラーメン二郎系。OLが客としてきても俺のラーメンを喰え!視聴者に合わせず興味あることしかやらない。5G、新選組、サピエンス、禅、田中角栄、僕のいま興味ある本を聴いて!


なるほど。自分の好きな本、興味湧いたことを、時間の限り、プレッシャーで潰れないところまで、完璧じゃなくていいからやる。だからあの物量を投下できる。


僕も最初は浅い教育番組だと思いました。
中田敦彦が本で読み飛ばした所が適当に補完され、いろんな偉人の心象を漫画のような、しょぼいおっさんのように、下手くそにおちゃらけてボケまじりに演じて、それを「諸説あります」とか「わからないですよ?」とか「信じるか信じないかはあなた次第」とボカし放題です。でも、本人はわかりやすく伝えるために人物の動機や心象を想像で埋めてるんですね。あるいは漫画を参考にして。

学校の授業だったら、チャーチルの心象とか感情的なセリフとか出てこないですよね。そんなセリフ歴史書に載ってないので。中田のYoutube大学では演技しょぼいけど、漫画のようなセリフや感情のストーリーラインがボケ混じりに追加されてるので、やわらかく話として分かりやすい。たぶんそのストーリーラインを勝手に補完するときに間違いが入りやすいんでしょうが。


www.youtube.com
こちら初期の動画 登録13万人頃ですが、(35:00) 動画終わりに
「至らない所、誤字脱字、時系列の間違いなどご指摘お願いします」とあります。

どの動画でも、自分が間違ってるかも知れないという前提の予防線は張ってますね。流れを紹介するから、興味持ったら紹介した出典など手にとってくださいと。

なので間違ってる前提で楽しんで見てる人たちが肯定的なのもわかるし、
動画見ずに批判してる人、
動画見ても間違いを指摘するにはあまりにコスト高いからモヤモヤしてる人、
ちゃんとした完成度の高い動画ではなく、間違った情報が入った未完成動画の方がヒットするのは納得いかないくて、これをありがたがる視聴者がむしろ憎い人、などがいるのも納得です。

 

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下にはコメント欄で、いろんな指摘があります。
歴史系は特に。
歴史詳しい人はコメント欄や、Twitterで指摘した方がいいのでしょう。
コメント欄で議論に参加するような人は、間違いに振り回されず、自分で調べてより深く学んでいくでしょうね。

中田敦彦はどこへ行くのか?

実は、しくじり先生での中田敦彦の授業は、毎回もやっとしていました。
「えっ、そことばすの? 最後そんな独自解釈する? 俺はそう思わないなあ、、」
みたいな感想で、詳しい人には浅く、まったく知らない人には小難しい印象。

偉人伝の授業も当たり外れ多かったのか、視聴率も苦戦するようになったようですが、当時のTwitterではとても評判良く、初学者の導線として、2時間番組に面白おかしくまとめるとしたらこれがベターなのかなと。

ところがですね。今回のYoutube大学、結構面白い講座が多いんですよ。

www.youtube.com
まさかの、eスポーツ講義w
ゲームクラスタの僕としては
「まーた、メディアが煽るように無駄に金の匂いちらつかせやがって」と、
細かいツッコミどころ満載ですが、特に誰が困るわけでもないので面白く見ました。
(ちなみに JeSUのことは前に調べてます)

 

www.youtube.com哲学。
主に西洋哲学ですね。
キリスト教にも踏み込みます。
そう、中田の授業には本人の哲学が足りなかった。

www.youtube.com諸子百家。
中国の哲学。
だんだん深みにはまってます。

www.youtube.com日本の宗教。
そうそう、宗教の流れを知っておくのは今の世界の成り立ちや、考え方、哲学や、人の心理を把握するにもわりと重要なポイントです。

www.youtube.comまさかの創価学会w
あくまで解説は中立ですw

www.youtube.comサピエンス全史

国やお金というのは全部フィクション!
ここの常識を壊してくれると、一気に考え方や発想が広がります。

極端に言うと、哲学から宗教、近代歴史の流れで、
「あれ? もしかして自分でルール作っていいんじゃね?」
というぐらい世界は誰かが適当に作ったルールに拘束されています。
宗教も勝手ルールの一つ。

www.youtube.com
あるがままに見る。
物も、世の中も、自分自身も。

www.youtube.comFACT FULNESS

事実、みんなが思ってるより世界はどんどん良くなってる、の本です。
知らないことはみんな不安に思うんですよ。
逆にある程度知っているものこそ、ストーリーラインを勝手に補完して、偏見になってしまう。

特に僕は結構ステレオタイプの偏見にまみれていて、中田は浅いとか、お笑い芸人が教育番組なんか持つべきじゃないとか、細かい所間違いだらけじゃないかとか、オンラインサロン胡散臭いとか、事実を調べずに、感情と偏見で勝手に判断しちゃうんですね。

そういう自覚があるので、
時間あればなるべく1次情報と前後の流れを調べるようにしていて
中田はどういう思想でこの動画を始めたのか?
中田は動画でなにをしゃべってるか?
中田のコメント欄には何が書いてるのか?
中田の動画一覧はどういう流れになってるか?
などみていくと

実はカジサックから勧められた教育系は、最初ロザン宇治原に話がいってたとか。中田がカジサックのスタッフを見て、Youtuberがどういうものかイメージ掴めたとか。知れば知るとだいぶ印象が変わりました。

www.youtube.com7つの習慣

手垢のついた古い成功哲学のように見えて、これが年取ったり、立場変わったあと読み直すと深いんですよ。


こういった、歴史も含めた世界の成り立ち、人間のルールの成り立ち、心理の動きなど、世界や関係性を構成する要素の流れ。ゼロから物を作ったり、ゼロベースで考え直したり、見通しを立てたり、予想したり、分解するのにも役に立ちます。中田に足りなかった深みがどんどん揃っていってるんですよね。

なので、登録者100万超えて「禅」あたりか、Youtube登録者数の表示を中田は辞めました。この数字を追っても意味がないということらしいです。

中田はいったいどこへいくのでしょうか?


僕は絶対ないと思ってるのですが、もしこの勉強量を続けるのなら、いつしかタモリ、たけし、さんまのような大御所になれるかもしれません。

この3人ものすごく頭いいんですよ。
タモリの膨大な雑学。
ほぼ日刊イトイ新聞に表出する、さんまの宗教観。
たけしの舌を巻く数学力。
古くはお笑いBIG3なんて言われてましたが、土台に大きな「知」や「哲学」があるんですね。


BIG3だから面白いとかではなくて、いろんな知識の流れがあると、余裕が生まれて、いろんな発想ができて、時代に合わせて自分を調整していくことができるようになります。僕みたいに偏見を持たずに。

それこそYoutubeでうまく行かないTV芸人は多いですが、中田は流れを掴んで過去最速で100万人突破しましたしね。

なんだかんだ調べていくうちに、中田敦彦がどこに行くのか、次はどんな動画出すのか楽しみにしてる自分がいるわけです。



中田
「それでも前に進まないより、前に進んだほうがいい。
嬉しい(本との)出会いもいっぱいある。」


中田
「子供になんで勉強するかと聞かれたとき、
役に立つから、
ためになるから、
立派になるためがゴールではなく、
学ぶことそれ自体が快楽なんだよ。
(Youtube大学は)それを伝えるだけのチャンネル。
だからやわらかくても、漫画でもいい。」
(中田自身がプレッシャーに感じたり、勉強の完璧さに苦しむ姿を見せる必要もない)


DaiGo
「確かに、ちゃんとしなきゃいけない、
ミスってはいけないというのは、
人間が行動をやめてしまう一番の障害ですね」