teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

漫画、アニメから影響するメンタリティについて

大切な物を妻に捨てろと言われた - Aerodynamik - 航空力学
http://d.hatena.ne.jp/aerodynamik/20080110/p2


うつで、休職中の夫が
妻に「男おいどん」という漫画を捨てろと
家に置いとくのも許さないと言われた話。


ここでも言いたいことは
「根拠なんてなくていいから、
一分のすきもなく自分を信じて、
絶対最後はうまくいくと思って動け!」
なんだけど。
あえて、お気に入りの漫画、アニメ、映画などによる
行動への影響を考えてみる。



考えの元は「引き寄せの法則」
ザ・シークレットをやっても願いがかなわない人のための、本当の実践の仕方。 - あるSEとゲーマーのはてな
http://d.hatena.ne.jp/teruyastar/20080109/1199901974



例えばこういう意見。
『男おいどん』は捨てた方がいい - 【B面】犬にかぶらせろ!
http://d.hatena.ne.jp/gotanda6/20080111/otoko


この漫画に同調することはよい結果を生み出さない。



反対にこういう意見。

おいどんで煮詰まったら『ワダチ』を読め! - ぼうふら漂遊日記
http://d.hatena.ne.jp/bakuhatugoro/20080111/p2


ぜろだまBlog: あんたこの踏み絵どう思う
http://zerodama.seesaa.net/article/78261876.html


「男おいどん」はそういう物語じゃない。
肯定的にみれるという意見。



引き寄せの法則で考えると、
どっちも正しくて
ただ現状として悪いところのおいどんに同調してるから
それは捨てたほうがいい。


漫画に同調するといっても、
それは主人公なのか、敵役なのか、脇役なのか、
また、物語のどの部分と同調するのか、、、
たくさんの見方があるので何が悪影響で好影響になるかわからない。



漫画に同調するということなんだけど、
僕が格闘系漫画にはまった学生の頃は当然格闘部に入ってたし
小学校の頃はキャプ翼か、キッカーズかなんかで
サッカー部に所属してた。


もちろん漫画のように大活躍というわけにはいかないw


これ、自己啓発書のときとまったく同じパターンなんだけど、
「漫画(もしくは自己啓発書)を読む」

「主人公が努力する姿に感銘を受ける」

「自分もやってみようとする」

「現実は厳しい」

「理想と現実のギャップに苦しむ」

「妥協するか諦める」


だいたいこんなパターンw
で、大人になるとどんどん「カイジ」とかたぶん
「おいどん」とかの悪いほうに共感していくようになって
ダメになる感じw


特にタチが悪いのは漫画の主人公と自分を比べる、
もしくは世の中の勝ち組と自分を比べて
その「理想と現実のギャップに苦しんでる」とき。
これを何度も繰り返したり長く続いたりすると
確実に鬱になるか、壊れる。


これは、わりとルールの幅が広いビジネスマンやアーティストよりも
特にルールが限定されて門が狭く厳しい
スポーツの世界で顕著に思う。
(スポーツで限界を感じる引退年齢はわりと早めなのが救い)


クラスだろうが、学校だろうが、県大会だろうが
なんでも絶対に序列がつくので、
理想と現実のギャップに苦しまないのは
クラスで一人とか、
学校で一人とか、
県で一人とか、
どこまでいっても上には上がいるから
もしみんなが漫画の主人公なみの大きな理想をもってたとしたら
それだけたくさん苦しむことになる。


で、苦しむのがいやだからどこかで妥協する。
「俺はヒーローじゃない」
「もう、子供の頃のような夢はみないで
現実に足をつけて生きよう」
「みんなも夢はみないほうがいい」
「俺だったら、、そうだなとりあえず450番ぐらいは狙えるかな?」
と、こうやってバランスが成り立つのかな?



とすると、
漫画や、アニメは、
努力の過程を描くだけにさらに悪影響が高い気もする。
ハリウッド映画とかは90分でそういう事を描く暇もなく
ハッピーエンドで終わる確率も高いため、悪影響は少ないかな?



「自分は漫画や、アニメの主人公と同じようになれる!」
と信じきれるのは小学校のチャレンジしはじめたときぐらいで
一度でも失敗すると、
「やっぱりあれは漫画か、僕にはできないかもしれない」
と思う人がほとんどでしょう。
「いや、努力すればきっといつかは!」
と思ってても、頭の片隅で「無理かも」って思いが少しでもあれば
無理なわけです。



ちょっとややこしいんですけど、
漫画の主人公を夢見て
バカみたいに自分を信じきれる人はうまくいきますが
漫画の主人公を夢見て
ギャップを感じて苦労して悩みながら、いつか俺も!
という人はうまくいかないわけです。
これは
「常にうまくいく自己暗示」と
「常にうまくいってない(うまくいかない)自己暗示」になります。
うまくいくときって、
ずっとシンプルで素直でアッサリしてるんですよ。


みんなと同じ練習(勉強)をしたって
みんなよりうまくなるわけないじゃないですか。
苦労して努力してって人は、
みんなより多く練習時間を取ろうとか、
もっともっと苦労しようと思うのでしょうけど
現実には練習時間が2倍でも2倍うまくなるわけじゃなく、
またトップとの実力差は2倍どころじゃなかったりします。
こんな努力を積み重ねても挫折は目に見えてるわけです。


自分を信じきってる人は、
自分がうまくいくことしか考えてないから
「現実的にうまくいく方法を自然と取り始めます」
まず、一流の今うまくいってる人達の真似をはじめ、
その中でも自分の資質にあう方法と
そうじゃないのを選り分け、改良して、
練習は時間よりも、質を重視に考え、
同じ練習でも筋肉の動きを常に意識し、
ただの練習でも緊張感を試合のそれに近いところまで高めたり、
呼吸から、姿勢から、食べ物、休憩の取り方まで
とにかく
「一番楽に伸びるやり方」
「楽しく続けていけるやり方」を作り上げ
常に改善していきます。
愚直に練習する人と比べたら結果はいわずもがな。



自分を信じきれない人や、苦労しないとだめという人からは
こういう練習方法や思考、注意力は絶対出てこないですし、
自分を信じきれる人なら、
自然とこういう行動を取ってしまうものです。
もちろん自分を信じるのに、
うまくいくと思うのに根拠なんかいりません。



で、漫画と自分を重ね合わせるときに、
「ダメ人間が主人公の漫画」は論外ですし
「努力を重ねて強くなる漫画」も、
人間技じゃない努力や、
命を懸けるようなリスクを犯して
強さを手に入れたりするので、
理想と現実のギャップを広げるだけです。
努力前に共感できて、
努力の壁を越えるのに共感ができないのは悪影響ありそう。


オススメしてみたいのは
「最初から主人公が最強の漫画」
できれば知性があるほうがいいですね。
効率の悪いというか、実現不可能な努力を描いてる漫画よりは
最初から根拠なく最強マインドで自信をもつほうが全然オススメできます。


物語の山や谷を作ったり努力型のようにじょじょに盛り上げたりとか
じゃないのでそういうタイプの漫画ってなかなかなさそうにも思えますが。
、、、あまりおもいつかないw
とりあえず、これまでブログで取り上げたいくつかを紹介。



彼氏彼女の事情 (1)
彼氏彼女の事情 (1)津田 雅美

おすすめ平均
stars笑えてシリアス、面白くって、キャラたちも素敵!
stars非凡な作品
stars大切な人
stars一気に21巻まで突っ走ろう!
stars訳がとっても素敵!

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学園一を争う天才美男美女の、深い悩みの物語?
主人公の「褒められたい!」っていう変態っぷりには好感もてますw


ドリームス (17) (少年マガジンコミックス)
ドリームス (17) (少年マガジンコミックス)七三太朗 川 三番地

講談社 2000-03
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野球に関して底知れぬ真剣さを感じさせる少年。
基本がダメ人間として設定してるのはもう無理がある気がするw
成るべくして成るという感じ。
こういう効率のいい練習なら努力もいいと思う。



ドラゴン桜 (1)
ドラゴン桜 (1)三田 紀房

おすすめ平均
stars固定概念をまず粉砕すべき。
stars面白い
starsこの作者は東大生じゃないので・・
stars友人東大生です
stars最終巻が出てあらためて振り返る、最初が肝心

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これは、三流高校から東大生を送り出そうという漫画なのだが、
話のはじめは
「一発逆転を狙った2流弁護士が、私立学校の経営建て直しを狙って
 それを足がかりに学校経営の一人者となって成功しよう」という
物凄いご都合主義の連載のはじまりだった。


漫画の絵を見て分かると思うけど、
プロの漫画家としてはデッサン的にも未熟で2流そのものだったと思うが
これの人気に火がつき、ドラマ化やゲーム化もされ、
関連出版書も売れ、東大受験者も増加するという
ちょっとした社会現象にいたった。


この漫画には東大に入る思考、
とても都合のいい考え方がつまってて
落ちこぼれの学生も、2流弁護士も、2流漫画家も
みんなやり方次第でうまくいくというのがまさに実践されてる。


「絶対最後はうまくいく」
というのを信じて自分の今の位置とゴールの
点と点を結ぶ。
後は自分のもってる物、能力をカスタマイズして、
最短でゴールにたどり着くようイメージする。
足りないものも全部都合よく手に入るようにイメージする。
どうしても自分の身につけないといけない能力とかは
それも普通じゃない、
最短の練習方法、又は楽に続けられる方法で
身につけるイメージをする。


ひたすらしつこくて申し訳ないがw
漫画一つとっても、成るべくして成ってる主人公は
「根拠なく自分を信じきる」ことから全て始まるのですよ。