eスポーツ選手を将棋の駒としか考えない、お金を運んできそうな人達がもっと増えて欲しい

note.mu
世間の流行りと、身の回りのローカルに例えた、オーバーウォッチ愛にあふれる名文です。

ただどうしてもいいたい事が一つ。

思うに日本は「Esports」という単語が“お金を運んできそう”という理由だけで大人が集い、ゲームへの愛もプレイヤーへのリスペクトもない人たちで組織され、なんとなく大会が企画されてます。

日本の優秀なプレイヤーたちは搾取されないためにもゲームや所属先の垣根を超えた選手会を作るなり、交渉をしてくれるEsportsに精通した代理人を付けるなりした方が良いです。

そのゲームをやったこともなく、選手をスポンサー獲得のための将棋の駒、それも「歩」くらいにしか考えてない大人が運営する組織とは距離を置き、人生を一緒に切り開いてくれる良い大人たちと組んだほうがいいですね。

日本のe-sportsの歴史を調べると、ここ10年ほぼ手弁当で運営され、ゲームのへの愛とプレイヤーリスペクトがあるわりに「金がない」部分で選手や観客がないがしろにされ続けるといった状況が続いていました。今年やっと賞金制度で国からお墨付きもらって変わるかどうかというところ。

teruyastar.hatenablog.com

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ボランティア運営されてる夏の甲子園と似た状況だったんですよね。高野連が高校球児をビジネスの食い物にしてはいけないと、甲子園球場借りるのも無料、TV放映権も無料、審判や球場整備も無料。外野2万席も無料(今年から外野も500円で有料化)。

高校野球を食い物にしない代償として夏の炎天下で3回戦から決勝まで4連投という過酷なスケジュールを選手は強いられ、観客も熱中症で運ばれ続け、4億払ってドーム借りることはできず、複数球場の進行で中2日開けるといったこともできません。

なので、高校球児を食い物にしていいから放映権料取ってくれよ。座席もプロ野球なみの料金にしていいよ。視聴率とるため決勝ナイターにしてもいいよ。それでドーム借りて熱中症を防ぎ、複数球場進行で中2日あけて投手の肩や肘を守り、学校、親、地方企業が払ってる選手や応援団への旅費を全額無料化したほうが助かるよ。高校野球に愛やリスペクトが無くとも「お金」があったほうが選手も観客も救われるよと。

ゲームへの愛や、選手へのリスペクトを形で表すには「お金」が一番大事。会場抑えるのも、一流のスタッフ揃えるのも、選手たちのストーリービデオ作るのも、快適な練習環境や健康的な食事、栄養管理士を置くのも、全てお金。

それにはビジネスとして将来的な視聴率見越した大きな絵をかける人が必要です。正直、興行さえ上手ければ、ゲームへの愛や選手へのリスペクトは2の次でいいかと思います。

例えば任天堂の山内社長、セガの中山社長、SCEの久夛良木社長、スクウェアの鈴木社長、エニックスの福嶋社長、ナムコの中村社長、バンダイの山科社長、コナミの上月社長、カプコンの辻元社長 などの大手ゲーム開発会社の社長はみんな「山師」で、創業者がゲーム愛もタイトル愛も特に強いわけではありません。

他にもっとゲーム愛やタイトル愛が強い会社はたくさんありましたが、ビジネスの数字を追うよりもゲームの理想やタイトルの理想を優先しすぎて、そういう会社は従業員に給料払うこともできずほぼ生き残れなくなりました。生き残ったのはむしろゲーマーから社長の姿勢を批判され続けたような大手です。

コーエーだけは創業者と開発者が同じでゲーム愛がありましたが、だから信長や三国志ばかり作り、大手のなかでも一番小さく出遅れました。資金面で襟川会長のゲームと関係ない金融資産運用がなければ今のコーエーはなかった可能性もあります。


僕もオーバーウォッチシーンを見てきたのですが、
太平洋地域、ContendersPacific S2のグループB全勝でプレイオフ進出するのが日本のCAG、CYCLOPS athlete gamingです。

cyclops-osaka.jp

Overwatch Contenders 2018 Season 2: Pacific - Liquipedia Overwatch Wiki

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1年前からすでに国内最強だった6人を順番に切り捨て、さらなる強さを目指し
結果当時の最強チームをさらなる最強メンバーへと全員入れ替えてます。
そして今月もまた2人追加。


その追加2人含め CAG7人全て8月から始まるオーバーウォッチワールドカップ日本代表選手となっています。


外から見たらこれだけ短期間に将棋の駒のように切り捨てる CAG が選手をリスペクトしてるとは見えない点もあります。戦力外通告を出される選手は辛い所でしょう。

CAGは過去この7人がいない時代に、メンバーへの不信感から脱退した選手が話題になりましたが、最後に運営に対しても「新しい駒が来たら、古い駒は捨てられる」とまさに元記事と同じ表現で指摘していました。

なんならOW初期シーンをずっと引っ張ってきたDetonatorというチームが同じ選手を大事に育て、選手の成長を信じて勝とうと、一緒に人生を切り開いていこうとリスペクトし続けたように見えます。

じゃあゲーム愛や選手へのリスペクトが見えるDetonatorに入ったほうがよく、Detonatorよりも切り捨てられる可能性がかなり高い CAG には入らないほうがいいかというとそうは思いません。

結果DetonatorはContendersの前身となる同じ台湾リーグで海外チームに一度も勝てずOW部門を解散。*1

Overwatch Pacific Championship 2017 - Season 1 - Liquipedia Overwatch Wiki

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3勝25敗。の3勝は同じ日本トップチームのSunSisterに勝利。
今回CAGが勝ったBlank Esportsや、Hong Kong Attitudeには足元も及ばず。

DeToNator.GOLD - Liquipedia Overwatch Wiki

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CAGにはこの元Detonator選手のAmeKen,SamuraiD,SABAGOD(Sabage)の3人(コーチのXQQ含めたら4人)いるので、選手を大事にするDetonatorでも結果を出せなかった以上、報われたとはいいがたい。

 

もちろんこれで CAGが選手のリスペクトしてないとはいえませんが、
ただ世界で勝つために「選手を躊躇なく入れ替える決断」は日本のどこのチームよりも徹底してると思います。

オーナーと選手は一定の距離をおき、お互いが勝利のためにベストを尽くし、シーズンごとに交渉する。OWLでもそうですが、あくまで興行や勝利のためお互いが協力しあえる関係性の期間や距離をもつのがプロだと思います。

ゲーム愛、選手へのリスペクトが一番で、ただお金の匂いを嗅ぎつけた山師には近づかないというのでは、梅原大吾がMadCatzのスポンサーを受けてプロ化することもなく今の彼の人生はなかったでしょう。

むしろもっと「お金や勝利を運んできそうな人達」と選手は付き合って利用すべきかと。OWLの成功も各チームオーナー20億の参入資金とそれに匹敵する選手や施設への投資、ブリザードの強欲とも思えるビジネスセンスがなければ実現できてません。

勝負事なので
「興行」「お金」「勝利」>「ゲーム愛」「選手へのリスペクト」
だと下位選手は救われませんが、上位選手は大きく報われ、さらに新しい選手が夢を見れます。

「ゲーム愛」「選手へのリスペクト」>「興行」「お金」「勝利」
では上位も下位も関係者も報われません。

そして日本のEsports関係者は1度でいいのでロサンゼルスのブリザードアリーナに行き、ファンを熱狂させるには?スーパースターを生み出すには?表面的な演出部分ではなく、心構えの部分から学びにいったほうが良いです

なので日本のe-sports関係者も、ゲーム愛や、選手のリスペクト優先の発想を逆転する必要があるかと。「興行」としてお金を大きく回すことを優先しなかったのがこれまでの日本 e-sportsだったから。OWは一人のスーパースターを生み出すのにも試合で他5人のスーパースターと、スタッフやコーチといった影のスーパースターが必要で、それを支えるお金が必要。選手をリスペクトする様々な「心構えの部分」に「お金」が必要です。

日本はお金を忌み嫌い、ゲーム愛や選手のリスペクトだけでボランティア大会を運営しながら、金が無いゆえ選手や観客に満足な環境を提供できない *2 という甲子園的な発想から、もっとOWL並にお金を動かす人達と付き合っていく必要があるのではないかと考えます。

「お金」も「勝利」も「ゲーム愛」も「選手のリスペクト」も全部大事という意味では、元記事の方と僕もそう変わらないし、同じ方向を向いてると言えるでしょう。元記事がCAGを応援してることからも、選手を短期契約で駒のように扱うCAGを敵視してるわけではないのでしょう。ただ選手たちがお金を搾取しようとしてる汚い大人に近づかないよう100%善意で警告してるのもわかります。そういう意味では僕の書いてることも表現の違いでしか無い。

しかしDetonatorも、CAGも同じ目標なのに「勝利」と「選手のリスペクト」のバランスは違う。eスポーツの盛り上がりや結果のためには「興行」「お金」「勝利」を選手、運営双方で重要視して付き合っていくチームが増えてもいいと思います。もちろん OW部門がなくなったとはいえ、ちゃんと選手の今後を考えて付き合っていくDetonatorのやり方で運営を続けていくのも否定しない。人気チームだしね。

ざっくり言えば、プロで「お金」がなくて選手に環境整えられない「リスペクト」なんて成立しないように、「勝利」を勝ち取れない選手への「リスペクト」も存在しない。ただプロの定義は幅広く「人気」を勝ち取る選手の「リスペクト」はありえる。eスポーツ化というのは、アマチュアからそういう厳しいプロの世界へ認識を変えることではないでしょうか。

*1:厳密にはその後のDetonator.KRというALL韓国チームは強かったが、ここでは割愛

*2:環境がクソすぎて、金かけないことを選手や観客にリスペクトが無いと非難する人もいる。