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「チケット転売問題」日付のないチケットを販売してはどうか?

チケット転売問題

この声明、めっちゃダサい。
そうならないように仕組みやビジネスを設計するべき人達が、まるで自分たちは悪くないかのように叫んでる。根本原因は、あなたたちの怠慢だからね?
https://twitter.com/kentaro_kaiho/status/767962249201750017

ざっと以下の記事も見たところ「オークションにすればいいじゃないか」「最初からもう少し高額で売れば?」「いやいや高額化とかオークションで競り負ける学生とかもライブ体験してもらってより強いファンになってくれないと市場縮小するのでは。ファンを育てて長期的な関係を築くためにもそこはなかなか踏み切れない。海外ではやり始めてる歌手もいるけど。」という感じですね。


で?"チケット #転売NO "はファンたちに何を求めているの?本当に偉い人にインタビューしてきた。 - BASEMENT-TIMES

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これらを読んでのいわゆるチケット問題に対してのひとつの提案なのですが。

日付のないチケットを販売してから、その販売数に合わせて会場を抑えてはどうか?

日本縦断ツアーなどがそのアーティストの人気や音楽売上から予測して、年間でツアー予定の会場を抑えその後にチケット発売という形ではなく、「観客に合わせて会場を用意する」「チケット販売から1年以内のどこかで必ずライブをする保証あり*1」なら全員定価でチケット購入が可能です。

例えばトヨタやAppleなどは、なるべく在庫をもたずに「注文を受けてから車を生産してお客様に迅速に届ける流通」の仕組みをかなりの知恵と努力をもって構築していて、結果的にそういった仕組のひとつひとつが利益を最大化しています。ライブチケットも会場の都合を先に決めるのではなく、「注文を受けてからキャパにあわせた会場や公演数を決めて、ライブの日付を決める」にしてはどうでしょうか?

この極端な方法にはいくつか問題があると思うのでひとつづ検証していきましょう。

チケット販売してから会場を抑えるのでは、購入者はライブまでかなり長い期間待たされるのでは?

この点はトレードオフになります。

しかし今だってツアーの発表があってからの最終公演は9ヶ月先とか、場合によっては1年先になることもあります。また、これを生産工程や流通と考えると各種色んな面で期間短縮の工夫ができるはずです。

例えばレーベルやイベント会社で予め予測できる会場は当然最初から押さえてどのアーティストをあてるとか、チケット販売数に合わせてある程度融通が効くようにします。さらにレーベル間をまたいだ調整ができるように各社アーティストたちが協力できれば、さらに最適化できます。

期間短縮は他にも小さな工夫の積み重ねなのでずっと改善が必要なことですが、チケット販売数が人気に合わせてもれなく最大化しすべてのファンがチケットを購入できてライブが楽しめるのであれば、少し期間待たされるトレードオフはありかと思います。

ドーム5万人のキャパに対して、6万人のチケットが売れたらどうするの?

これは音楽ライブの話なので、5万のドーム1回と、1万人の小さな会場を抑えることで解決します。日付を最初に決めないのは年間でどの日に抑えられるか融通を利かすためです。

ドームで見たい人はどうするの?

ここは抽選にしてバッサリ諦めてもらいます。
ただ、音楽ライブはドームが素晴らしくて、ZeepTokyoは駄目なんてことはないと思うんですよね。チケットがほしいファンとしてはまずライブに行けることが重要であって、会場の規模は2の次かと。小さな会場の方がアーティストをより近くで見れていいというファンもいるかもしれません。

会場借りるからには満員にしたいんだけど?

チケット販売が5万7千人の場合、5万をドームでさばいても、ちょうどよく7千人埋まる会場は見つからず、1万キャパ会場で席が3000余ったりそこだけ黒字に届かないとかはあるかもしれません。日付が書いてない分、会場探したり追加販売する時間はあるのですが多少の損切りは必要かと思います。こういった変則的な対応は運営ノウハウが溜まって、この方式が標準になるほどアーティスト間やレーベル間で融通が効き解決していくと願います。

小さな会場では、ドリカム、ユーミン、セカイノオワリなどの不思議空間作れないのでは?

確かにこういった不思議空間ライブは例外で、会場の規模を分けるやり方では特別な世界観演出が必要なライブには完全に対応できません。
ただし、チケットを2年保証にするなどとして、あぶれた人は来年のライブに優先的に参加できるか、少額手数料で払い戻しできるとかで対応しつつ、公演回数そのものを販売に合わせてより最大化に近づける効果はあります。

そういう特別なライブで2年保証なんかすると、やはり業者が来年の優先権目当ての転売に走るのでは?

どの券が抽選されるか、どの規模の会場を押さえるか、何回公演するか、運営側がどれだけの損切りをする覚悟なのか、そもそもチケットはどれだけ売れたのか? などの完全な情報を把握してないと転売は難しいかと思います。優先権はあれど来年も定価で販売してから会場や公演数を決めればいいですしね。

そもそもドームのような巨大会場がそんなに空いてないのでは? 小さな会場もなかなか都合つかないと思う。

もしこの方法論で、音楽ライブの拡大によってどこの会場も祝祭日や平日夜が365日埋まるのならば、単純な市場原理で新たな会場が建設されていくでしょう。それだけ毎日埋まるほど音楽ライブシーンが拡大していくのならばどこかの資本やレーベルそのものが新たに会場建設してもいずれ元が取れるかと思われます。

地方の会場は選択肢が少なく都合つけるの厳しいのではないか?

これは普通にチケット販売数に合わせて隣県とか東北地方とかまとめてしまえば会場の選択肢は結構増えるかと思います。
沖縄だけは隣県に頼れないので厳しいかもしれませんが。まあ沖縄はもとから機材運ぶのも面倒だし、ライブ人口も隣県に頼れないし、観客が東京などのライブを体験してないからノリがいまいち分かってなくておとなしい(最近改善されてる気がする)とかでツアーとしては冷遇されがちなんですけどね。

追加公演では駄目なの?

追加公演は動員も期待できて、ちょうど都合よく会場もアーティストやスタッフのスケジュールも空いてるというパターンに合致しないと難しいです。それで済むならここまで転売が問題になってないですし。追加公演そのものも転売にかけられることはあるでしょう。

公演の日付を後から決められても、観客側の都合がつかないんだけど?

この方法が常識はずれな一番の理由はこれですね。

さすがに3ヶ月以上前から日程の告知はできると思います。今のチケット販売でも数ヶ月先の日程をお客がどうにか都合つけてるところはあるのですが、もちろん都合がつかない人も出てくるかと思うので、チケット転売を有りにしてもいいかと思います。少しの手数料で買い戻し、リセール販売という整備も必要ですが、それだと納得がいかない購入者もいるはずなので、チケット販売数ピッタリの会場を抑えるのではなく、少しキャパ余裕をもった会場で残りの席を日程が決まってからの通常販売という併売でもいいかと思います。

リセールと合わせて1割ほど席があれば対応できるのではないでしょうか。日付ありのチケットで競争率が高くなったり転売されるというのは諦めるしかありません。確実に定価で手に入れたいなら日付の無いほうという選択肢があるということですね。

S席が欲しいのだけど?

S席はファンクラブに会費払ってる人優先や、オークション形式でもいいと思うんですよね。そもそもファン層を広げるためや学生のファンを確保するためとか、とにかく定価でライブを維持したいという目的はS席以外で達成できるので。

一部の人気アーティストとしてはそのやり方で公演回数が増えて年間130日公演とかになるのは嫌なんだが。

通常の会場だけではさばけない100万人は呼べるような人気アーティストで、年間の公演数を50回以下に抑えたい場合、野外の大会場を使って観客をさばくという方法もあります。

それは嫌で屋内でやりたい場合は、ドームなどを優先しつつも入れなかった数万人のファンを来年優先的にとしたいですが、どうしても人気に対して公演数を抑えたい、野外も無理という場合は、供給が絶対的に足りずこの方式は使えないです。いままでと同じでダフ屋がまかり通るでしょう。

ただそこまでの人気歌手が、それだけの人気を維持し続けるのも例外的な気がしますし、それ以上ファン層を広げなくてもいいのではと思います。

これまでの慣習ややり方を変えるのは、業界的に誰も率先してやりたがらないので無理

といいつつ、例えばアーティスト172組(9/11に56組追加)がチケット転売問題にNOを示してますね。

チケット転売問題

これだけのアーティストやそれにつらなる運営側が本気で協力して取り組もうとすれば、さまざまな細かい問題も解決できるのではないでしょうか? 最初の構築は相当大変かと思いますが、1回その仕組を作ってしまえば何より運営やアーティスト側の利益が最大化され、ファンがチケットを買えなくなるという問題も解決できます。取り組みとしては大変でも、儲かるうえでファンのためにもなるならなら検討してみようかとなればいいのですが。


大きな問題としてはだいたいこんなところでしょうか。
興行に詳しいわけではないので他にもいろんな指摘があればツッコミ歓迎です。

まとめ

会場の都合と、アーティストの人気予測を基準にスケジュールをあわせて、チケットが取れなかったり、転売される現状よりは、お客さんの需要に合わせてあとから会場と公演数と日程を決めれば、みんなチケット取れるし転売されない。

音楽ライブは非日常で特別なものなので、もとよりお客さんの大半が日程は合わせてくれるし、会場決めるのが遅れても誰でもチケットが確実に定価で取れる方が双方嬉しいと思う。



どこかの記事で映画館でのライブビューイングや、ネット配信チケットで供給量が増えた分、需要としての転売が緩和されてるところもあるという意見も見ましたが、今後それに加えてVR用ライブ配信チケットなんかも出てくるでしょうから、根本的な対策ではないにしてもそっちのほうが最初の一手としては手軽かもしれませんね。

*1:アーティストが病にでも倒れない限り