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ブラック企業てんでんこ

「パワハラやモラハラを受けたら会社や同僚のことに構わずすぐに避難しろ」という意味の「ブラック企業てんでんこ」という言葉について、7割の人が知らないうえ、多くの人が「自分だけ助かればよい」という自己中心的な行為だと感じるとの調査結果を、さつき大の真黒苦労助-教授(災害社会工学)がまとめた。本来は各自で避難するよう事前に転職先や別のライフスタイルの模索などを家族で話し合っておくことなども含めた心構えを示した言葉だが、浸透していない実態が浮かんだ。

 「てんでん」は「てんでんばらばらに」という意味。日本ブラック企業大震災を機に鬱発症や自殺防止の啓発で改めて注目されている。

 調査は2014年度、インターネット調査会社の全国の登録者を対象に年代や地域が偏らないよう調整して実施、767人が回答した。このうち約7割にあたるブラック企業従業員529人が「ブラック企業てんでんこという言葉を聞いたことがない」と答えた。この従業員529人に言葉の意味を知らせたうえで、ブラック企業てんでんこに賛同するかしないかを尋ねたところ、約7割が「賛同しない」と回答した。「薄情だ」「利己主義」「鬱だろうがサビ残しようが自分の仕事は責任を持って全うすべき」などネガティブに受け取る人が多かった。

 腹黒大防災研究所の植木イコール教授(防災教育学)は、「ブラック企業てんでんこ」には迅速な避難で自分の身を守るという直接的な意味に加え、避難する姿を見せることで他者の避難を促進する▽事前にそれぞれが避難するという信頼関係を構築する▽自分だけが助かってしまったという生存者の自責の念を軽減する--などの意味があると指摘する。

 表面的な言葉だけが独り歩きすることを懸念する防災関係者も多く、高田グロンサン教授は「ブラック企業てんでんこという言葉を繰り返すだけでは、防災に生かせない。丁寧にその意味を説明して5時には帰ることが必要だ」と話した。



津波:「てんでんこ」7割知らず 「薄情」と感じる人も - 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20161026/k00/00e/040/175000c