「勝ち」を楽しむのではなく「負け方」を楽しもう。「勝ち負け」を入れ替えると人生は何十倍も楽しくなる。

teruyastar.hatenablog.com
こちらの続き。

僕としてはパイを喰らうのに「我慢」「努力」「辛抱」は必要はないと思っていて、
「人生で女という負け組を引いた人」も
「人生で男という負け組を引いた人」も
「人生で底辺という負け組を引いた人」も、
別に、70億いたら69.9億人が負け組なんだから、いかにその負け方を楽しむか?
という自分のみに集中すればいいと思ってる。

それが広告の最後、

時代の中心に、男も女もない。
わたしは、私に生まれたことを讃えたい。
来るべきなのは、一人ひとりが作る、
「私の時代」だ。
そうやって想像するだけで、ワクワクしませんか。

わたしは、私。

につながる。

この記事はブログでよく引用してるさんまシステムというコラムから「負け方を楽しむ」の紹介です。

ほぼ日「さんまシステム」の魚拓まとめ - teppeis blog


第17回 師匠

昔ね、うちの師匠(笑福亭松之助)から言われて、
これは助かったなということがありまして。

我々の弟子稼業というのは、
掃除をさせられるじゃないですか。
で、掃除をしていると師匠が、
「それ、楽しいか」って言うんです。
「いいえ」って答えると「そやろ」って。
「そういうのが楽しいわけがない」と、
おっしゃるんですね。

そのときに、師匠に、
「掃除はどうしたら楽しいか考えろ」
って言われたんですけど、そこでしたねぇ。
あの、掃除なんて、
楽しくなるわけがないんですよ。ところが、
「楽しくなることを考えてることは楽しい」
っていうところにね、
18歳のときに気づかせていただいたのが
非常に助かりましたね。

とくに我々はお笑いやりたいから、
そこはスッと一所懸命できたんです。
けど、たぶん、そうじゃないふつうの人は、
「掃除は楽しくない」
というところでやめてしまう人が
多いんじゃないかと思うんですけど、
楽しくないものをどうすれば楽しいか、
ということを考えていくと楽しいんです。

そこにたどり着くことが、
さっきの夢と現実の話じゃないけど、
「入れ換える」ことなんですよ。

話の原点は楽しくない掃除をどう楽しくするか考えること。
あなたが69.9億人の負け組の方であれば、これがいかに「楽しく負けるか」に関わってきます。

第10回 動物とサッカー

糸井
さんまさんって、
ドキュメンタリー番組、好きですよね。
ぼくも夜中にけっこう見てますけど。

さんま
見てしまいますねぇ。
『アニマル・プラネット』さえ
見なければ寝れたのに、とか。

糸井
はいはいはい(笑)。

さんま
なんか、変なチャンネルで
夜中にやってるんですよね。

糸井
ディスカバリーチャンネルとかね。

さんま
そう。でね、動物ものって、
見て、損すること多いじゃないですか。

糸井
ああ、はいはい(笑)。
象とかは、わりとつまんないですよね。

さんま
そう。象とか。クワー(笑)。

糸井
象、期待はずれですよね、毎度ね(笑)。

さんま
もう、なんでしょう、ありがちなのが、
「そんなん、知ってるわ!」っていう。

糸井
ははははははは。

さんま
多々ある。

糸井
あるある(笑)。

さんま
見終わってから、
「これ、見たことあるわ!」とか。

糸井
あああるある(笑)。

さんま
こんなん見るんやったら
寝ときゃよかったとかね。

糸井
はぁー、寝られないわけですねぇ。

さんま
それでいうと、
私の場合は、サッカーですね。
スペインリーグとかね、
あれを見だすと、寝れない。

糸井
ぼくはサッカーはあまり知らないんですが、
やっぱり、ハズレの試合も、多々。

さんま
もう、ハズレのほうが多いですよ。
そんなにすごい試合には滅多に出会えない。
ただ、やっぱり1年に2回ぐらいある、
すごい場面に出会うために見るんですね。

糸井
生じゃないとダメなんですよね、スポーツは。

さんま
生で体感したいんです。
あれ、不思議なもんでね、
VTRで見るのとオンエアで見るのとでは
すごさがもう、ぜんぜん違う。

さんまさんぐらいの忙しさだったら、アニマルプラネットも、スペインリーグも見れないはずなんですよね。しかも番組自体は「ハズレの方が多い」。でも見てしまう。セルフツッコミすらもう楽しんでますよね。多少後悔はするんでしょうけど。

11回 ハズレをつかむ快感

糸井
つまり、さんまさんが
望んでやってることのほとんどは、
ハズレくじをつかんでるという
時間なんじゃないですかね。

さんま
ああ、はい、はい。

糸井
動物もののドキュメンタリーを見るのも、
スペインのサッカーを見るのも、
手でこう、くじをつかんで、ハズレを引いて、
何回も何回もハズレを引いて、
やっと当たりを見つけたい、みたいなことで。

さんま
そうそうそうそう。
だからね、宝探しとか好きなんですよ。
オパール探しとか、砂金とか、
すっごい好きですね。
あの、ハズレをつかむ快感というか‥‥。

糸井
うん、うん。

さんま
はい。いやもう、絶対ぼく、そうですね。
あの、そこを楽しみたいと思って生きてる。

糸井
はい、はい。

さんま
だから、ダメなのに追い続ける。
さっき出てきた
『ロードランナー』じゃないですけどね、
あれに出てくるコヨーテの生き様に
心打たれたりするのは、そこなんでしょうね。
追いかけて行って、ダメなときのほうが、
やっぱり、楽しいですね。

糸井
ハズレのほうこそ愛おしい、みたいな。

さんま
はい。あの、だから、
ギャンブルなんかでも、調子いいときは
もう勝手に(勝ちが)来るんで、
おもしろくないんですよ。

糸井
ああ、はい。

さんま
ダメなときにどう打つか、っていうほうが、
やっぱり楽しいですね。

糸井
なるほどね。

さんま
「負けたわ、今日は」って言いながらね、
「‥‥でもほんとうは、
 もっと(負け分が)行ってたな」って
思うときのほうが、勝った感があるんですよ。

糸井
あと、負けたんだけども、
拍手を送りたくなるような手で負けて、
「おまえ、それをやったの?」っていう
ときなんかはうれしいですよね。

さんま
それはありますね。
「あ、こうやったか」っていうね。

糸井
そうなんですよねぇ。

さんま
だから、競馬なんかでも、
昔の騎手の福永(洋一)さんなんかがね、
人気のない、ダメな馬を、
バーンっと行かすのがすっごい好きでしたね。

糸井
なんでしょうね、そういうのってね。

さんま
なんなんでしょうね。
もう、「だめもと」で「いてまえ」が
やっぱり、好きなんですよね。

糸井
なるほど、なるほど。

さんま
だから、あの、マラソンで、
完走目的で走る人の気持ちは
ぼくにはわからない。

糸井
勝負だから。

さんま
勝負ですから。
たとえ、5時間くらいかかる人でもね、
「しかけろ」と。

糸井 (笑)

さんま
競技なら、しかけろと。とにかく。
しかけろというか、あの、
しかけてほしいんですよ。

糸井
うん(笑)。

さんま
ほんとうに健康のために、
ただ趣味でやってらっしゃる方は別ですよ。
でも、競技に出て、
「1位になったら金メダルですよ」
っていうなら、やっぱりね。

糸井
しかけろと。

さんま
そういうほうが、
マラソンがおもしろくなるなぁと
思いますね。

糸井
しかけてハズレてもいいから。

さんま
そうなんですよ。

ここが本題で
勝ちを楽しむのではなく、負け方を楽しむ。
配られた手札でどうしかけるか? を楽しむ。
勝ち負けの楽しさを逆転するんですね。

人生や勝負で勝つというのは、実際一握りの人で
決勝の最後まで負けない人は1人だけです。
すると勝ちを楽しもうとするほとんどの人の人生は辛くなる。
でももし「負けを楽しもう」とするとほとんどの人が人生楽しめるんですよね。

配られた札が「女」でも「男」でも「底辺」でも「ブサイク」でも「貧乏」でも、その手札でどう「しかける」か。

こうなると負けはいくらでもできるので、
誰もやらない、いろんなしかけの試行錯誤が楽しめます。

それは努力や根性や我慢という概念でなく、楽しく続けられる。
そして楽しくいろんなことしかけ続けてる人こそ勝利に近くなる。
だって努力でやってないから。

もしさんまさんが「出っ歯」という負け札を抱えて、「掃除」という楽しくない負け札を楽しくする方法(を考えることそのものが楽しい)に気づけなかったら、今の地位は無く、ギャンブルとサッカー好きの中年サラリーマンやってたかもしれません。

さんまさんはお笑い芸人や、ゲストや、素人をいじるのが天才的に上手いです。
もっと言えば、芸人やゲストや素人がハズしたものを拾って笑いに変えるのが上手い。
この技術はまさに、人生のハズレを楽しむ思考です。

12回 落合采配

さんま
昔ね、長嶋さんが、
桑田を抑えで起用したときに、
世間から叩かれたじゃないですか。

糸井
はいはいはい。

さんま
野村監督なんかはね、
「あの人のやることはわからん」
とか冷たく言ってたんですけどね。
そのあと、個人的にお会いしたとき、
ぼく、監督に訊いたんですよ。
「あのぅ、監督、あれは
 なんで桑田に投げさせたんですか」と。

糸井
おお。

さんま
そしたらね、監督が言うたんです。
「さんまちゃん、
 おもしろかったでしょ?」って。

糸井
はーー。

さんま
「さんまちゃん、おもしろかったでしょ?」
って言われたときにね、ぼくはもう、
「はい、むちゃくちゃおもしろかったです」
って言うしかないんですよ。
あ、もう、「ここだ!」っていう(笑)。

糸井
なるほどね。

さんま
たぶんね、巨人の選手の中でも、
「長嶋さんの采配はわからない」
っていう人もいると思うんですよ。
ついていけない人もいると思う。

糸井
そうでしょうね。

さんま
でも、ぼくはやっぱり、
「いや、長嶋さんは正解や」って
いつも言ってるんですけどもね。

糸井
勝負を大切にする人と、
現場を大切にする人と、
記録を大切にする人と、
いろいろいると思うんですよ。

さんま
そうですね。
で、けっきょくは、ぜんぶ正解なんですよ。

糸井
正解なんですよね。

さんま
正解です。

糸井
で、たぶん、いちばんいけないのは、
「こうすればみんなが文句言わないだろうな」
っていう選択だと思うんですよ。

さんま
ああ、はいはいはい。

糸井
つまり、あそこで、
「代えなければ文句は出ないな」
っていう考え方をしちゃったら、
ダメなんだと思うんです。

さんま
ああ、なるほどねえ。

長嶋さんも「しかけれるかどうか」「楽しめるかどうか」の采配なんですね。
記録とか勝利とかではなく、野球をどう楽しむかという視点でしかない。
だから大学野球時代からそのプレーが面白く、スターだった。

「こうすればみんなが文句言わないだろうな」は、「負けたときの責任逃れが最優先」でほんと何も楽しめない人生ですよね。ただ周りの目にビクビクしてるだけで終わる人生。まさに「そごうの一連の広告」が伝えたい主体性のファッションに通じます。

www.youtube.com

第13回 考えてる時間

さんま
ということは、さっきの話に戻りますけど、
ものすごくムダなことを一所懸命やってる自分が
やっぱり好きなのかもしれませんね。

糸井
順番でいうと、
なにやってる時間がいちばん長いんですか。

さんま
寝てないときにですか。

糸井
ええ。

さんま
テレビを見てる‥‥いや、違うな‥‥
なにがトップや‥‥ギャンブル、スポーツ。

糸井
テレビよりも。

さんま
そうですね、テレビはその下ですね。
だから、やっぱり、
ギャンブル、スポーツ、女というのを
ひとくくりにすると‥‥。

糸井
ひとくくりにしますか。

さんま
え、ひとくくりにしちゃダメですか?

一同 (爆笑)

糸井
どうしてひとくくりになるんだ(笑)!

さんま
だ・か・ら!
女はギャンブルであり、スポーツであるわけ!

一同 (笑)

さんま
て言うたら、また女性に
怒られるかもわかりませんけど。

糸井 (笑)

さんま
あのね、ぼくみたいにね、
女性と多々問題を起こしてたり、
お金を請求されたりする人生を送ってるとね、
女性までそこに含まれてしまうんですよ。

ここ面白かったんですが、「誰かと付き合うのもハズレを楽しむギャンブル」として捉えてますね。いろんな女性問題起こして、お金請求されたさんまさんならでは。これ、モテる人の思考回路かもしれませんね。

第14回 生きてるだけでまる儲け

さんま
あのね、ロシアの哲学者かなんかがね、
「夢と現実を入れ替えろ」
って言ってるんですよ。
そうすれば人生楽になるっていう。

糸井
あああ。

さんま
それはね、かなり、共感しますね。

糸井
夢を現実の自分に置き換える。

さんま
置き換えるだけで楽になるんですよ。
だから、ポジティブな人って、
いつも頭の中ではいいこと考えてて、
現実にイヤなことがあったって、
あの、べつにいいんですよ。
いいことばっかり考えて、
それを現実に置き換えたら、
すごい幸せな人生になれるという。

糸井
それはもう、宗教ですね。
さんま ああ、そうかもしれませんね。
これはでもね、簡単ですし、
みんなすべきですね。

さんま
あの、楽しいことを考えて、
楽しくしようとして、
ダメなときにもそうやって楽しめるって、
ものすごく大事です。
ものすごく大事で、楽です。

糸井
あああ、なるほど。
だって、ハズレもオッケーですもんね。

この夢と現実を入れ替えるという表現はこのブログで最初紹介した時、よく意味が飲み込めなかったんですよね。でもいまはわかります。人生における「勝ち」と「負け」を入れ替えるわけです。「負け」てもしかける方を楽しむ。ハズレこそ楽しむ。


第16回 幸せって何だっけ

さんま
だから、「苦労は買ってでもせい」
なんていうけど、あんなことば、
早く、なくしたほうがいいですよね。

糸井
ああ、そうですね。
冗談じゃないですよね。

さんま
冗談じゃないです。
「苦労は売ってでもやめろ」って思いますよ。

糸井 (笑)

さんま
もう、なんていうんでしょう。
辞書から消したほうがいいようなことばが
たくさんありますよね。
「苦労」なんて消したほうがいいし、
「努力」っていうのも消したいし、
「幸せ」も消したほうがいいですよ。

幸せって言うのは、いわゆる「勝ち組」なんですよね。
幸せを意識するというのは「勝ち」にこだわる人生になるし、それは人生のほんのちょっとしか楽しめなくなる。

しかも「幸せ」とういのは誰かと比較した相対的なものであって、どこまで追っても人をうらやむ事になりかねない。

そして勝ち続けるひと握りの「幸せ」という概念があるから相対的に多数の「不幸」が生まれる。そこから上は不幸しか感じない以上、幸せを追い求める人は常に下へマウントを取り続けないと幸せになれません。でもインスタでいくら幸せ自慢をしたところで、上には上がいるから幸せを追う限り必ず不幸になります。
それは「勝ち」を追うほど人生で「負ける」のと同じ。

どんな手札が配られ、不遇や悪いことが重なっても「負けを楽しむ」という開き直りなら「人生を楽しむ」と同義。その試行錯誤には「苦労」も「努力」もない。手札は負けていてもいかにそこから「しかけるか」を考える事が楽しいから。たとえ負け続けた人生でも、生きて負けを楽しんだだけまるもうけになる。


生きてるだけでまる儲けは、前にさんまシステムを引用したときにまとめましたね。

teruyastar.hatenablog.com
ここで最初に引用した17回に、「掃除」と「負け」を入れ替えてみましょう。

第17回 師匠

昔ね、うちの師匠(笑福亭松之助)から言われて、
これは助かったなということがありまして。

我々の弟子稼業というのは、
「負け」をさせられるじゃないですか。
で、「負け」をしていると師匠が、
「それ、楽しいか」って言うんです。
「いいえ」って答えると「そやろ」って。
「そういうのが楽しいわけがない」と、
おっしゃるんですね。

そのときに、師匠に、
「負けはどうしたら楽しいか考えろ」
って言われたんですけど、そこでしたねぇ。
あの、「負け」なんて、
楽しくなるわけがないんですよ。ところが、
「楽しくなることを考えてることは楽しい」
っていうところにね、
18歳のときに気づかせていただいたのが
非常に助かりましたね。

とくに我々はお笑いやりたいから、
そこはスッと一所懸命できたんです。
けど、たぶん、そうじゃないふつうの人は、
「負けは楽しくない」
というところでやめてしまう人が
多いんじゃないかと思うんですけど、
楽しくないものをどうすれば楽しいか、
ということを考えていくと楽しいんです。

そこにたどり着くことが、
さっきの夢と現実の話じゃないけど、
「入れ換える」ことなんですよ。


引用はここまでなんですが、さんまさん一連の「人生の負けを楽しむ」という考え方は、さんまさん自身を楽しい人生に変えたし、それは成功とか幸せとか芸能人とか関係なく楽しく生きれただろうし、そごうの広告の最後の文に通じる話だと思うのです。

時代の中心に、男も女もない。
わたしは、私に生まれたことを讃えたい。
来るべきなのは、一人ひとりが作る、
「私の時代」だ。
そうやって想像するだけで、ワクワクしませんか。

わたしは、私。