teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

オリンピック中止か擁護かで喧嘩する必要のないデータ

news.yahoo.co.jp

f:id:teruyastar:20210808193432j:plain

開幕日の4連休は夏休みスタートともかぶりみんなおでかけ。
その後自粛率が上昇というデータ。

ドコモの携帯ビックデータを見て、1.0に近づくほど携帯が移動してない=自粛率が高い、0はコロナ以前と変わらないという大まかなデータ。もちろんコロナでも移動必須な人はたくさんいるので正確ではないが大まかな傾向としては数千万契約のドコモなので信頼できるデータだ。

もっと広い期間を年代別で見てみよう。

www.yomiuri.co.jp

f:id:teruyastar:20210808165552j:plain

元記事は右端の部分。
(10代の青線は4月の休校や、緊急事態宣言開けの開校なので社会人と違って変動がより大きい。)

五輪開会式当日は、コロナ2度めの夏休みスタートと4連休がかぶったため、緊急事態宣言にもかかわらず家族旅行が捗り、遊びたいざかりの20代にいたっては自粛率0.07も低下。20代の1年と50代の1年は価値が違うというのは僕も納得するのであまり大きくは責められないものの、同じ20代で真面目に自粛した人はやりきれないだろう。

4連休明けると自粛率は大きく回復。確かにステイホームのときに見れるオリンピックという大きなコンテンツはありがたいし、毎日のように感染率過去最多更新のニュースが流れるのも自粛に影響しただろう。

中止派は「五輪がなければ4回目の緊急事態宣言の自粛率初動をもう0.05上げれた」というのは真実だろう。4回目の緊急事態宣言に初動が効かなかったのはオリンピックというメッセージのせい。4連休もオリンピックの体育の日入れ替えで実現されている。夏休み4連休の自粛低下と、連休明けでコロナ過去最多更新ニュースでの差は0.1近くになるので、その半分、少なくとも緊急事態宣言初動の0.05はオリンピックのせいと言える。

そして擁護派の「緊急事態宣言を重ねるごとにみんな慣れて、ワクチンの接種も進み、自粛率は0.1以上純減し続けている」も正しい。東京オリンピックがなかったとしても4回の純減は避けられなかった。これは0.05では覆せない。仮に初動が0.05高くても結局緊急事態宣言もすぐに慣れて自粛になれる傾向があるので結果は収斂される。

どちらかというと、政府がデルタ株に対する強いメッセージを出せなかったのが原因だ。

www3.nhk.or.jp

およそ3分の2の14人は、友人など複数での会食や、大人数での誕生会、それにマスクなしで室内での音楽ライブに参加など、感染リスクが高い行動を取っていたことが分かりました。

またマスクを着けずに、仕事のあとで職場で会話していたケースもありました。

こうした行動を取ったことについて聞いたところ、「外食が感染のリスクだとは知らなかった」とか、「職場ではマスク着用は不要だと思っていた」などという回答があったということで、対策の知識が十分行き届いていないことや、意識の低さが見られたとしています。


note.com

【感染経路】正直言って不明。心当たりがあるといえばあるし、ないと言えばない。飲み会などには行ってないが、取材や編集者との打合せ、語学のレッスン、知人と軽い会食など、発症2週間前に遡るといろいろな人に会っている。ときには話が盛り上がり、マスクを外したまま喋ったり笑ったりしていたこともある。つまり、感染して当たり前というほどの無茶はしていないが、積極的に予防策を講じていたとも言いがたい。

どういう経路で感染したか語ってくれるのはありがたい。これはわりとコロナにかかる人の一般的な認知だと思われる。飲み会さえいかなければ、一緒に昼食をとったり、マスク外してしゃべってもたいていは大丈夫だろうと。

ここで「3密」を更新して「マスクを外して喋らない」「そのために昼食も同僚と取らず孤食の徹底」につながる強いメッセージが必要だった。全くそれが届いてない。これは政府を批判していい。同僚との昼食再開は希望者全員がワクチンを打ち終わった後の状況次第だろう。

ただ、noteの人を叩いてはいけない。叩かれるのを恐れるとどういう感染経路だったかちゃんと話してもらえず、ネットで注意喚起ができなくなり、濃厚接触者への追跡注意もできなくなるからだ。ちゃんと情報共有してもらえる事に感謝したい。


www.buzzfeed.com

ーー従来株からの感染力のパワーアップをわかりやすく伝えるとすると、どれぐらいの行為で感染するウイルスになっているのでしょう。

例えば、無症状の時期の感染者を含むお友達2〜3人でランチに行って、大騒ぎするわけでもなく普通の声で話して感染している人がいます。または職場でマスクを外して少し話をするとか、それぐらいでも感染しています。

こうした飛沫を浴びたり吸ったりするチャンスが生じる行為は、これまでも何度もやってきて、無事だったかもしれません。しかし今は同じ行為でも感染のしやすさがうんと上がっているのです。

米国CDCが7月末に発表したデルタ株のリスク評価結果によると、デルタ株の基本再生産数は5.0から9.5の間くらいであろうと考えられている。

(略)

いま、デルタ株の流行拡大を受けて、「あの頃と同等に対策しなければならない」という声も聞かれる。もしも、7割5分くらいの実効再生産数の減少があるとどうなるだろうか。実は、最も低いとされるデルタ株の基本再生産数の想定値を使っても、5.0×(1-0.75)=1.25であり、いまだに1を上回ってしまう。もちろん、それより高い6.0が基本再生産数だと6.0×(1-0.75)=1.50である。5.0だと8割削減に成功したとしても、新規感染者数は良くて横這い程度になるに過ぎない。

要するに「8割削減では減らない可能性がある」ということである。

従来株が何も対策しないときの基本再生産数2.5。1を超えると感染拡大でこれではパンデミック。
それを緊急事態宣言や個人の自粛や対策で実行再生産数0.8などまでに抑えてきた。
しかしデルタ株は基本が5.0から9.5。
どう自粛を頑張っても実行1.5を下回るのが難しそうである。
日本は戦争の反省で、軍国主義的なロックダウンという手法はとりづらい。
ロックダウンすると別の意味でアナフィラキシーショックが起こるだろう。

デルタの感染力が2倍から4倍というだけでも、中止派と擁護派が0.05で必死に争ってるのを軽く吹き飛ばす脅威である。

オリンピックがなければ医療スタッフを現場に回せて助かるという見方もある。
が、6月ですでに「医療崩壊」を「自宅療養」と言い換えて7月は1万人超えてることから焼け石に水だろう。

ーー医療の負担も増えていますか?

我々は限界を超えたらお断りせざるを得ません。

感染対策は1年半やってきていますから、淡々と受け入れて治療やケアをする。重症化したら集中治療室に移して、管が抜けたらコロナ病棟に戻し、元気になったら退院するなりリハビリ病院に移すなり、治療の流れはできています。

もちろん患者が増えたら負担は増えるのですが、そこを超えて阿鼻叫喚の世界にはなりません。

むしろ、感染者が増えて困るのは病院ではなく、受け入れてもらう病院がない人たちです。

休みなし24時間で2年間もコロナと戦えるわけはなく、医療従事者も自分の限界とメンタルヘルスと、ライフバランスを長期的に考えて働かなくてはいけない。

自宅療養の時点ですでに医療の限界は超えてるわけで、どちらかというとコロナ意外の対応もこなすためにコロナ患者がトリアージされてる形だ。こうなると海外と同じくコロナは自衛するしかない。マスクを外してのおしゃべり、共用物の扱い、同居人意外との一緒の昼食、手洗い、換気などが注意点となる。



するとオリパラを中止するのは意味ないことだろうか?
今日はオリンピック最終日であるが、まだパラリンピックが残っている。

www.buzzfeed.com

リスクが自分ごと化していない20代に声を届かせるには?

ーーしかし、20代で夜間の繁華街に飲みに出かけている人が、オリンピックを中止したとして飲みにいくのをやめるでしょうか?

それだけでやめるとは決して思っていません。オリンピックを中断するのは一つのショックセラピーではあるのですが、それにプラスして、外出自粛を強く打つ規制をかけることなどが組み合わさって、やっと伝播の頻度が下げられるのではないかと思います。

それぐらい流行は厳しい状態にあるということです。


8割おじさんこと西浦教授によれば、ショックセラピーとしての効果が期待できるという。確かに最初から中止ではなく、途中で中止させるという強行策を取るぐらいなら相当やばいというメッセージを送ることはできる。


でもこれをやると選手や海外メディアから総スカン喰らう事は確実。「俺らの国はコロナで何万人死者がでようが自己責任でオールスターも観戦するし、サッカーでもバカ騒ぎする。オリンピックと同じでワクチンはみんな打った。日本の国民は全て上にお伺いを建てて法を作らないと、自分で責任取る判断もできないのか? アメリカだろうが中国だろうが基本的に国は国民を守っちゃくれねえ。銃持って自衛するようにコロナも自分で身を守れ。国がじゃねえ。自分だ。」なんて言われてもおかしくない。日本の国民性を反映した政府がオリンピック中止の責任取るような事はしないだろう。


例えオリンピック中止でも一時的なメッセージであり、最初のグラフを一時的に0.1自粛率高めるぐらいの効果しか見込めない。またすぐに慣れてしまう。そして上の記事は7/29のもので、8/8閉会式の今はもう過去最多更新し続ける感染ニュースが頼りない政府より大きなメッセージとして機能している。

 

gendai.ismedia.jp

仮にロックダウンを実施して、それで満足に足る結果が得られないくらいの場合、その後には正にこれ以上切れるカードがないことになる。

そのような事態を避けたいのだが、現在までに分断が進行していると考えられ、ロックダウンに協力的に対応できなくなる方の発生も予期される。


(略)

みなさんに私からもお願いしたい。どうか、今回ばかりは皆で協力して一旦切り抜けることはできないだろうか。ヒトからヒトにうつる病気の感染リスクは、まだかかっていない人の周囲の人の感染状態に依存しており、1人がかかると、次の方のリスクが急上昇することに繋がる。皆で感染が止まると、集団レベルでリスクを下げることができる。様々な不満もあるかも知れないが、皆さんの協力がなければ秋以降を見通すことができない。

これにつきる。
デルタを目の前にして0.05の正しさを言い争ってる状況ではない。
どちらも正しいゆえ後に引けなくなってる人もいるだろうが、お互い正義にこだわりすぎると正義の暴走と同調圧力の闇に飲まれ是々非々ができなくなってしまう。それは陰謀論やなんとかセミナーの入り口にもなりかねない。ここらで引き返すのが懸命だ。


個人的に菅総理は期待できない。
緊急時におけるメッセージの出し方で、演技力、パフォーマンス力がなければ国民を導く事はできない。それは選挙で意思表示すればよい。
良かったことは一心にヘイトを集めてくれたこと。
不本意だろうがみんなの不満を引き受ける悪役となったこと。
ワクチンが全ての希望者に行き届くまで、コロナは強く自衛しながら、オリンピック後の生活をどう生きていくかに意識を集中したほうがいいだろう。