この記事は三部構成です。
第一部 開発費の増大で崩壊する?
第二部 バブル崩壊の噂
第三部 さらなる承認欲求へ
第一部 開発費の増大で崩壊する?
ソーシャルゲームとキャバクラの違い - よそ行きの妄想
http://d.hatena.ne.jp/chnpk/20120116/1326667699
任天堂の岩田社長は、ソーシャルゲームについて
ユーザーとの長期的な関係が構築できないのではないかと言っていた。
これはもしかすると、
上述したような歪な構図を指してのことだったのかもしれない。
実際今のような収益を将来にわたって維持するということは、
不可能に近いのではないかと私も思う。
そんなことはないんじゃないか?
僕はまだ伸びてる市場をわりと長期で獲得できると思う。
その理由をこの記事に突っ込む形で書いてみます。
さて、同著によれば、ソーシャルゲームにハマる理由は、
大きく分けて2つの仕掛けに集約されるということだ。
2つの仕掛けのうちひとつは可視化とフィードバックのサイクル、
もうひとつがソーシャル・パワーという謎の力として整理されている。
(略)
ただ、このフレームワークの前者、即ち可視化とフィードバックは、
要するにステータスやランキングを可視化すること、
及び目標達成時に達成感を味わえるような演出を導入することなどによって
プレイヤーのゲームに対するモチベーションを維持させる
仕掛けのことを言うらしいが、
それは何もソーシャルゲームに限った話ではなく、
古くファミコンの時代からあまねくゲームとはそういうものである。
それはその通りで、
家庭用ゲーム機と対比できない理由ということで
2大理由のひとつがバッサリ切り捨てられてるが、
著者はむしろ、ユーザーではなく
開発者における可視化とフィードバックサイクルを見落としてないか?
と感じた。
フィードバックサイクルがゲームを面白くする
ファミコンも
ゲームウォッチと同じで来年にも終わるブームだ
と言われ続けました。
でもROMが大容量化したり、
独自サウンドチップをカセットに積んだり、
ついにスーパーファミコンへバトンタッチする頃には
ブームではない一定の市場として誰もが認識するようになった。
で、そのとき宮本茂のインタビューで
(ハード屋として)金型を作って試そうとしても、
最適な金型を見つけるのに1日に3つぐらいしか試せない。
でも、(ソフト屋として)マリオのジャンプを気持ちよく最適化するには
数値や数式を変えるだけで1日何十回も試すことが出来る。
(僕のうろ覚え。要出典)
というニュアンスの記事をどこかでみたんですよね。
金型を作るようなおもちゃと、TVゲームでは
試行錯誤のフィードバック回数が違う。
とはいえ、TVゲームも発売して何万人とかに遊んでもらえないと
本当にウケるか、ヒットするかわかりません。
発売後のフィードバックをえてこそ、
何がもっと必要で何がいらなかったかがはっきりわかり、
より洗練された続編へとつなげることが出来るわけです。
でも、ソーシャルゲームはユーザーが無料で遊んで
「ここが不便だ」「ここが面白く無い」「ここでもう辞める」
というのがリアルタイムで可視化されるので、
速ければ朝の不便がその日の夜にスポット改善されることもあります。
TVゲームは発売後のフィードバックが次の発売まで1年以上かかりますが、
ソーシャルゲームは1週間とか1日です。
試行錯誤のフィードバック回数が圧倒的に違う。
(MMORPGなんかは半年ごとの大規模アップデートがあったりで、その中間に位置する)
もう一つの理由は納得で
顧客は何を求めているのか
このことについても同著に答えが用意されている。
それはつまり、承認欲求の充足だと言う。
承認欲求とはつまり、
我々が常日頃抱く「誰かから認められたい」という感情のことだ。
チームで協力し合うような設計のソーシャルゲームでは、
ステータス値の高いプレイヤーはそのチーム内で頼られ、
必要とされる存在になるし、
逆にプレイヤー同士が競い合うゲームでも、
競争の結果獲得したステータスは自己表現としての意味を持ち、
他プレイヤーからの称賛を得ることができる。
これらがユーザーの満足感につながっているということだ。
ここから反論。
ソーシャルゲームの持続可能性
ソーシャルゲームとキャバクラは、一見すると非常に似ているというか、
ユーザーにとっては代替製品となり得ているわけだが、
運営側からすると、実は非常に大きな違いがあるように思う。
それは、原価率だ。
キャバクラの運営に際しては、
店側は顧客をチヤホヤする女の子に対して多額の報酬を払う。
ところが、ソーシャルゲームでは、
重課金のヘビーユーザーをチヤホヤする役目を担うライトユーザー層は、
一切の報酬を受け取ることがない。
これは、よくよく考えると歪な構造である。
そこでは明らかに、実質的な価値の移転が起こっている。
チヤホヤされたいヘビーユーザーは、
ライトユーザーがいるから自らの欲求を満たすことができている。
にも関わらず、ヘビーユーザーが払うカネは全部胴元の総取りに遭い、
ライトユーザーには一円も還元されない。
そりゃあ胴元は儲かるはずである。
GREEの営業利益率は実に50%に及ぶ。
それは違う。
ライトユーザーはあくまで顧客であり、ホステスは従業員。
ライトユーザーは脂ぎったハゲおっさんに体触られたり、
セクハラ発言されまくったり、
面白く無い話を笑って一緒に酒飲んだりする必要はない。
参加時間も自由だ。
原価率で言えばドンペリ(ピンク)もステータス誇示だけのボッタクリではあるが、
いくらコピーしても原価無料のつり竿アイコンと、
コピー出来ないドンペリの原価率は比較にもならない。
どうせなら、
ホステス=クラウドサーバー
ドンペリ=三倍釣ざお
課金ユーザー=遊びに来た社長
無料ユーザー=奢りで連れてこられた社員
という関係性のほうがしっくり来る。
そしてオンラインソフトウェア事業そのものが、
パッケージも、流通も、小売も通さないので、
当たるとその利益率がでかいという構造になってる。
心理面の類似点はあっても、利益構造まで水商売と同じではない。
(そもそも気軽に無料で入れないし)
もしライトユーザーがホステス役なら、課金ユーザーもホステス役である。
ソーシャルパワーというのは
ゆるい所属欲求、次に軽い承認欲求を満たすこと(social need & esteem)
(「ゆるい」「軽い」は悪い意味でなく、暇つぶしにはそれで充分)
なので、ライトユーザーでも単純に仲間になるとか協力するとか
簡単なことでお礼や感謝を言われる構造になってる。
なかには大規模チーム戦などもあり、
より深い仲間の結び付きが承認欲求を更に高めるだろう。
みんなゆるい所属でつながり、軽い承認が欲しいとしたら、
それは課金ユーザーも同じで
課金ユーザーもライトユーザーを導く
「おもてなし」のホスト、ホステス役をしたりする。
だから課金、無料は関係なくユーザーが単に多いことで
所属するプレイヤー同士が相互補完になってるのである。
元記事(著書)でもそれを示す引用がなされている。
ゲームを遊ぶというよりは、ゲームを通じてコミュニティに参加する、
あるいはゲーム内の友人とコミュニケーションを取るということが、
ゲームを遊ぶ目的になってきます。
実際、釣り★スタの上級者インタビューにおいて、あるプレイヤーは、
チームのモチベーションを維持するために
毎月有料アイテムをチームメンバー全員(30人とのことです!)に
自腹を切ってプレゼントしていたとのことでした。
現実の世界でも、上司が部下に食事をおごって
日ごろの仕事ぶりをねぎらうということがありますが、
バーチャルなコミュニティでも同様の現象が起こるというのは
たいへん興味深く思います。
P.97 4-5 ソーシャルパワー:ソーシャルアクションの活用
友達とやるゲームはたいてい面白い
繰り返すが、ライト層が永遠に流入し続けないと、
課金ユーザーのインセンティブが減っていき、
結果的に売上が減少することに繋がるためだ。
ただ、いくら無料だからと言っても
つまらないゲームをいつまでも続けるものでもあるまいとは思うのである。
ひとりでソーシャルゲームやるのはつまらないと思うが、
対戦ゲームにクソゲーなしという名言があるように、
友だちとプレイしたら家庭用でもソーシャルでもたいていのゲームは楽しい。
ゲームそのものより、ゆるい所属承認欲求を満たす
コミュニティゲームの側面が楽しいわけである。
でも所属承認なら、仕事でも、恋人でも、キャバクラでもいいわけで、
ブログを書いて反響貰える人や、
Twitterで気のきいたことが言えてRTされまくる人、
いい写真がとれてアップする人、うまい絵が描ける人など
別の所で充分な承認を満たせる人には、
そこまでソーシャルゲーのインセンティブが高くない。
あと、リアル友達でソーシャルゲーやってる人がいないとか、
その上、知らない人とのオンラインコミュニケーションがめんどい人とかにも
ソーシャルゲーは向かないだろう。
でも、それらに当てはまらない
Twitter で気のきいたことは何も言えないけど
ゆるく所属承認を満たしたい、
という結構大きなボリュームゾーンは常に存在するわけで
この欲求を満たす仕組みとしてソーシャルゲーはTV番組のように、
長寿番組と、毎期の新作ドラマ、新作アニメみたいな
手を変え品を変え更新されていくものだと思う。
反論最後。
結局、持続可能性を重視すると、
ライトユーザーに提供する価値=原価を高めていくしかないだろう。
端的に言うと、グラフィックや演出レベルの向上であり、
開発費の上乗せを意味する。要するに、
「こんなリッチなゲームが無料でできるなんてほんとスゴイ」を
つくっていかないといけない。
安かろう悪かろうではいずれ飽きられてしまう。
サプライズを与える必要がある。
ただ、ソーシャルゲームはこのサイクルに嵌った時点で、
基本的に既存のゲーム業界と同じ道だ。
開発費が高騰し、リスクを取りきれなくなった開発会社は、
大作モノの続編ばかりつくるようになる。
そのことは中長期的にライトユーザーのゲーム離れを引き起こし、
いずれまた新しい事業者がイノベーションを引き下げて参入してくると、
ライトユーザーを根こそぎ奪いとられてしまうだろう。
いや、モバイルソーシャルゲーはこの道を進まないでしょう。
それはモニターの前に座ってじっくり時間をかける家庭用ゲーム機と違って
電車を待つ5分や10分の単位で出来ることが終わるような
強い制限の中でゲームを作らないといけないからです。
TVゲームにおけるグラフィックコスト増大の原因
家庭用ゲーム業界でグラフィックにコストがかかるというのは、
オープンワールドの世界で、ロサンゼルスひとつ3Dで完全再現しましたとか、
ファイナルファンタジーの旅する世界を全部作りこんだとか、
莫大な3Dモンスターの数、そのひたすら凝ったアニメーション、
どこから見ても違和感ない作りこまれた大きな街などいろいろありますが、
5分や10分単位のゲームでそういうの必要でしょうか?
召喚獣呼び出すのに30秒かけてムービー流すとか、
広大なマップをひたすら歩かせるとか、
街の全員に話しかけるとか、
5分や10分でプレイするにはちょっと無理がありますよね?
モバイルのソーシャルゲーでは「戦闘」「マップ短縮移動」「ショップ」とか
本当に限られた行動しかできなくて、
その上で、友人や仲間とやり取りをするわけですから
リッチにするにしても自ずと上限があります。
スマートフォン移行などの条件が揃えば、
わりと早い段階で必要十分なリッチ上限に達することもできると思うのです。
そうなるとグラフィックコストはそれ以上必要ないから、
グラフィックに苦しむということよりも、
もっとネタや世界観の方向性の本質的なことで頭を悩ませるでしょう。
一応グラフィックコストは毎年下がってる
(グラフィック要求がそれ以上に上がってるけど)
そもそもゲーム開発のグラフィックコスト増大というのは、
「ソフトウェアエンジンの蓄積によるグラフィックスコスト低減」と
「ハードウェア進化によるグラフィックスコスト低減」が、
「市場が求めるリッチグラフィックスと演出」
に届いてないからどこまでも跳ね上がるのですが、
究極のリッチグラフィックというのは
「実写かCGか分からない」という所です。
そこまでいってしまえば、あとはグラフィックコストは下がっていく。
PS3ソフトでも、遠景だと実写かどうかパッと見で分からないぐらいのソフトが
いくつか出てますから、まだフルHD、60フレームには至らないものの
PS4が出るのであればそこら辺が増大するゲームグラフィックコストの
転換点になるんじゃないかと思います。
いずれ、「80年代のロサンゼルス」と選択したら、自動ランダムで
いっきにそれらしい街並みが生成され、
それに各アーティストやレベルデザイナーがゲームにあった
装飾やエフェクトを加えていくような作り方になるかもしれません。
リッチゲーム、InfinityBlade の開発費
例えば、「インフィニティブレード(Google画像検索)」という
iPhone用ゲームがあります。
よく、iPhone/iPad用ゲームの宣伝で使われるリッチグラフィックのゲームですが
4Gamer.net ― Access Accepted第310回:今や巨大なゲームプラットフォームと呼べるほどに成長した,iOSベースのデバイス
http://www.4gamer.net/games/036/G003691/20110711021/
Epic Gamesの「Infinity Blade」は,
約100万ドル(約8000万)の予算が費やされたビッグプロジェクトだが,
現在までに1100万ドル(約8億8850万円)の売り上げをあげたというから驚きだ。
1本道の格闘RPGとはいえ、開発費は8000万です。
10年前のスクエニでもシェーダーのないPS2ではこのグラフィックを出せません。
PS2タイトルは数億からときに30億かかったりしますが、
現代では8000万でそのグラフィックを超えたりするわけです。
もちろん、ボリュームも違うし
InfinityBladeはマップを自由に歩けない1本道だし
直接の比較対象にはなりません。
しかし8000万というとソーシャルゲートップクラスでは
数日(もしかして1日?)かからず稼いでしまう額だったりしますから
スマートフォン勢力が多くなれば(ガラケーFlashliteから抜け出せば)
達成しようと思えばすぐ達成できるグラフィックだと思います。
でも画面が小さな携帯には最初からそこまで求めてないでしょう。
特に日本人はリアル志向でも無いし。
ユーザーからしたら別にInfinityBladeより綺麗なイラストカードの方が
受けがいいように思います。
ビジュアルインパクトよりもコミュニケーション設計が大事
一人で遊ぶのが基本の家庭用ゲーム業界では、
ユーザーもリッチなグラフィックを望んだし
開発者側も広大な世界観を作りたかったし、
中古に売られたくないからやたらボリューム増大させて
やり込みがいのあるゲームも増えました。
でも、ソーシャルゲーはユーザーがそこまでリッチグラフィックを望んでないし、
(カードイラストがより美しい、よりかっこいい、に越したことはないけど)
歩きまわるのめんどくさい広大な世界フィールドも必要とされず、
開発側の中古対策も必要ありません。
いくらグラフィックがリッチ化しても
プレイヤーの承認欲求にはなんの貢献もしないのだから、
モバイルソーシャルゲーがその方向へ走る必然性が少ないのです。
現状まだまだ改善の余地は大きいけど、
極端なリッチゲームが求められてるわけじゃない。
以上の理由により、
(モバイル)ソーシャルゲーがそのプレイスタイルの制限と
コミュニケーション重視によって、
家庭用ゲーム機のような開発費増大に向かう必然性は低く、
その衰退の道には陥らないんじゃないか、という反論でした。
(ただし Zynga のような PCブラウザ系のソーシャルは
じっくり腰をすえるプレイスタイルも可能なので、
ライトなMMO寄りにリッチグラフィック化するかも。)
第二部 バブル崩壊の噂
…でも、元記事とは別件でソーシャルゲームバブルそろそろやばくね?
というきな臭い噂はありますよね。
二部は、その噂を集めてみましたw
パケット定額制廃止の噂
「パケット定額プラン」がアメリカ最大手の携帯電話会社でも消滅、従量課金に移行 - GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20110711_packet_flat_plan/
携帯電話回線:スマートフォン普及でパンクする恐れ − 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110904k0000m040034000c.html
(リンク先記事は消えてます)
動画など大量のデータをやりとりするスマートフォンの急速な普及で、
現行の携帯電話回線が混雑し、
放置すれば、数年後には回線がパンクする恐れが出てきた。
このため、携帯各社は、通信量の抑制に乗り出したり、
通信料金の見直しを検討したりするなどの対策に動き出している。
携帯各社によると、従来型の携帯電話に比べ、
1人当たりの通信量が10〜20倍に増える傾向にある。
スマートフォンは今後も販売が大幅に伸びると予想され、
KDDIは国内全体の携帯でのデータ通信量が
15年には10年実績の18倍に達すると試算。
「このままでは13年には通信量が携帯回線の容量を超す」
(田中孝司社長)
と懸念する。
既に都心部では通信速度が遅くなったり、つながりにくくなったりしている。
このため、KDDIは10月から、
3日間の通信量の合計が一定の基準を超えた利用者に対し、
通信速度を遅くして通信量を抑える措置を導入する。
NTTドコモとソフトバンクモバイルも既に通信量を抑える措置を取っており、
携帯大手3社が足並みをそろえる。
さらに「一定の料金を払えばデータ通信を使い放題」
という定額制の見直しも検討されている。
日本と同様の問題を抱える米国では、
通信大手のベライゾン・ワイヤレスが7月に定額制を廃止し、
通信量に応じて料金を課す従量制に切り替えた。
「アイフォーン」の販売でスマートフォン市場をリードする
ソフトバンクモバイルの孫正義社長は
「料金体系を含めて(通信量を)管理していかないといけない」と
定額制(同社は月4000〜5000円台)見直しを検討課題に挙げている。
携帯各社は、抜本的な対策として、
高速・大容量の次世代携帯通信への移行を目指している。
ドコモは昨年末に始めた次世代通信「LTE」の普及を図り、
今冬にLTEを使えるスマートフォンを初めて発売する。
ソフトバンクやKDDIも
12年度以降にLTEのサービス開始を予定している。
また、各社は、データ通信を携帯以外の回線に移して混雑を緩和しようと、
スマートフォンが接続できる公衆無線LANを駅やカフェなどに設置することも急いでいる。
パケット廃止の何がやばいかというと、
無料でしか遊ばない8割かのユーザーが
クリックのたびに何円(何銭)通信費かかると、
たぶんプレイしないですよね。
それだけでコミュニティ崩壊の恐れがある。
といっても、
それも従量プランの値段次第(定額と変わらないか安くなれば)だったり、
キャリア側としても、定額ありきで iモードアプリやら、
ソーシャルゲーの支払い手数料やら
定額プランそのものでも利益を得てるのですから、
いきなり潰すような真似はしないでしょう。
現実的にはヘビーユーザーから順に通信量制限措置を増やしつつ、
「LTE」などの次世代通信規格対応端末への乗り換えを促進していくのでしょうが
それでも間に合わないときは一時的に新規パケット定額加入を
ストップするとかですかね?
次世代通信規格以外のスマフォはもう売らなければいいんじゃない?
とも思いますが。
ソーシャル開発側にできることといったら、
ブラウザ通信ベースのソーシャルゲームを
アプリ通信ベースに切り替えることでしょうか。
(詳しい技術的なことはわかりませんが)
ブラウザベースではカードゲームでもクリックごとに
カードの絵やFlashアニメをダウンロードしてますが、
その絵やFlashをアプリケーションとしてWifiか、
通信が少ない寝る直前とかにでもダウンロードしておいたら
ちょっとしたクリック情報だけでやり取りできるはず。
ただアプリベースだと、ちょっとしたカードの更新や追加、修正するたびに
アプリ全部を落とすのは本末転倒なので、
データ更新部分だけダウンロードできるような別の工夫が
必要になりそうですが。
キャリア利益として iモードもモバイルソーシャルゲーも
そう発展せずにスマフォへひとっ飛びした北米とは事情が違うので、
なんだかんだで次世代通信規格まで乗り切ると思います。
消費者庁規制の噂?
DeNAは2000円攻防、「消費者庁」伝わりグリーも安い | 兜町特捜班 | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン
http://www.toyokeizai.net/money/markett/detail/AC/2cc69466bc3b9077e4e13fa4f49403dd/
オンラインゲームの一部ビジネスモデルに対し、
消費者庁が厳格な対応を取るとの観測が
首都圏で発売する夕刊紙で伝えられたとされ、
手控えムードが広がった。
それってどの夕刊紙なんでしょうかw
だいぶ前から「無料」って聞かなくなったのはこのせいか。
お上がやることは結構怖くて、
土地バブルの時に、土地売買の税金釣り上げて超下落とか、
消費者金融のグレーゾーン金利撤廃で、金融殺しとか、
いいことやってるような、経済ぶっ壊してるような、
素人の僕にはよくわかりませんが
儲かる業界がこぞってキャバクラ通いしはじめると
奢る平家を討伐する何かが住んでるんですかねこの国は。
(アマクダルの呪文で封じたり出来るんでしょうか?)
本当に消費者庁が動くのかの真偽と、
動くとしたらどんな規制になるのかがわからないと
なんとも言いようがないのですが
グリー・DeNA株、立て続けに急落・「無料と紛らわしい課金システムには行政が厳格対応」の影響、ソーシャルゲームバブル終了か
http://amaebi.net/archives/1883494.html
国民生活センターによると
「『無料』と表示されていたゲームを始めたつもりが
進めるうちに課金され、高額料金を請求された」などのクレームが利用した
子どもの保護者らから相次いでいる。
これなら、課金パスワードロックとか
子供の携帯をキャリア側で課金上限決めるとか
親の管理下でコントロールできそうな気はするんですが
もう15歳以下の携帯からは課金できないようにでもしたらいいのに。
あと、最近のランキング傾向からなんですが
大手ゲーム会社に侵食されるソーシャルゲーム
フィーチャフォン版GREEランキング(1月14日版)…ボルテージなど恋愛ゲームが伸びる | Social Game Info
http://gamebiz.jp/?p=48429
男性
1 ドラゴンコレクション コナミデジタルエンタテインメント<9766>
2 FIFAワールドクラスサッカー エレクトロニック・アーツ
3 クローズ×ワースト〜最強伝説〜 ハドソン<9766>
4 プロ野球ドリームナイン コナミデジタルエンタテインメント<9766>
5 デジモンコレクターズ バンダイナムコゲームス<7832>
6 バイオハザード アウトブレイクサバイヴ カプコン<9697>
7 モンハン探検記 まぼろしの島 カプコン<9697>
8 100万人のWinning Post コーエーテクモゲームス<3635>
9 バハムートブレイブ オルトプラス
10 任侠道 gumi
男性向けのGREEベスト10がわかりやすくて、
9位のバハムートブレイブ(オルトプラス)
10位の任侠道(gumi)
を除き、上位8位が全部大手メーカーに塗り替えられてますね。
2010年頃とかは、ソーシャルがどうなるものかと
大半の大手メーカーは静観してたように思えますが、
コナミなんかは、この1年でソーシャルが屋台骨のひとつとなった感があります。
でも女性向けを見ると、コナミとタイトーしか知ってる名前はなく
乙女ゲー得意なコーエーやアイディアファクトリーなんかは
まだ準備段階なのでしょうか?
女性
1 ドラゴンコレクション コナミデジタルエンタテインメント<9766>
2 王子様のプロポーズfor GREE ボルテージ<3639>
3 社内恋愛☆2人のヒミツfor GREE ボルテージ<3639>
4 ぼくのレストラン2 Synphonie
5 ダーリンは芸能人forGREE ボルテージ<3639>
6 陰陽師〜平安妖奇譚〜 ドリコム<3793>
7 イケメン恋戦◆平清盛 for GREE サイバード
8 ちょこっとファーム ドリコム<3793>
9 社内のケダモノっ!? アリスマティック
10 ポップタワー for GREE タイトー<9684>
ソーシャルゲームの予算規模を軽くまとめるので開発を依頼するつもりなら見ておいて損はないよ
http://anond.hatelabo.jp/20110918202040
95%くらいのゲームは開始1か月で閑古鳥が鳴いてしまいます。
そうなったらせいぜい月50〜300万円程度の売上で運営費で赤字なので
早めに撤退しましょう。
逆に残りの5%に入れたらはっきり言ってウハウハです。
私はよくクライアント様に20本作れば1つは大ヒットして
その1つで他の19本の赤字は余裕で補填できるので、
同時に20本、あわよくば50本ぐらい作りましょう、
同業他社を紹介しますよと持ちかけるのですが
いまだにのってきたクライアント様はいません。
それをやると10億円以上の予算になるので当然ですけどね。
レベニューシェアを受けてくれる会社がほとんどないのは
ハズレ率が高すぎるからです。
この辺の話鵜呑みにすると、とてもハイリスク・ハイリターンですね。
のきなみ大手の参入もあって、単体の開発費増大というわけではなく
開発本数の増大。
当たるとデカイ超レッドオーシャン状態が勝ち負け両極端で、
当ててノウハウが貯まる会社と外れて貯まらない会社に別れ、
バブル淘汰が促進されることはありそうです。
モバイルソーシャルそのものは消費者庁が動かない限り、
今後もしばらくウハウハということですかね。
第三部 さらなる承認欲求へ
家庭用ゲーム機と違って、
ゆるくつながる対戦、協力のコミュニケーションが最重要なのであって
ある程度のリッチ上限以上のコストは必要ないと書きましたが、
元記事ちゅんぷくさんの、
安かろう悪かろうではいずれ飽きられてしまう。
サプライズを与える必要がある。
というのはその通りで、
別に今のカードゲーム全盛期がずっと続くわけでは無いですよね。
ある程度の固定客はずっと目新しいカードゲームを周り、
ある程度新人は常時入ってきても、
どこかで飽きられ、離脱する人の方が増える。
新しいゲームの見せ方や、それなりのグラフィック向上も必要ですし、
3Dゲームもいずれどこか出てくるでしょう。
では、どうやってさらなる承認欲求を満たすのか?
という対案です。
ソーシャル開発者ではないので、
新しいゲームや世界観を考えるわけではないのですが
例えば
カード(あるいはアイテム、モンスター)合成者の名前を記録
ポケモンであった、ポケモン育てた人の名前が記録されるシステムです。
ポケモンを友達と交換しても、育てた人の名前(親?)が分かる。
ソーシャルカードだと合成した人の名前をカードに記録する。
もちろんもらったカードに友達の名前が刻まれてるのもいいのですが、
これに何かイベント芸能人を加える。
例えばゲストプレイヤー AKB48軍 VS ももクロZ軍 とかで、
どっちの陣営かについて戦った後、
その陣営のアイドルメンバーが合成した名前入りカードをランダムにもらえるとする。
対戦の記念、好きなメンバーの名前が入ったカードです。
これを捨てたり合成に使いたくない人もいるでしょう。
(やらしい話、思い出のカードでストック枠が埋まらないようにするには、、、)
合成者の名前にはなんのステータスにも関係ないですが、
例えばゲスト声優さんでも、
お笑いの有吉弘行からでもイベントでカードがもらえたら、
その人のファンにとってはレアカードとは別の意味で特別な価値を持ちます。
芸能人じゃなくても、伝説的な活躍をしたプレイヤーの名前付きカードや、
ずっと一緒に戦ってきた仲間からもらったカードも
人によっては思い入れ深い価値があるかもしれません。
思い入れのある人のカードを持ってるというのも一つの所属欲求だと思うのです。
歴史記述システム
ガンダム一年戦争の正史が公式にあったとして、
そのとき外れのホワイトベース部隊は何をやってたか、
そのとき08小隊は何をやってたかという
ゲーム内の実際の歴史をプレイヤーそれぞれが書き綴る事が出来る機能。
このゲームの歴史を誰でも読めるようにする。
最初は成績上位のユーザー歴史が正史に一番近いところにリンクされ、
それが面白いかどうかでamazonレビューのように評価され上下する。
名もない戦士や、名もない農園者達でも、
このゲームをプレイしてきて歴史的戦い(イベント)に参加し
ちょっとでも影響を与えてきた、そこに存在した証を誰でも記述できるようにする。
このゲームの歴史の中に自分史を刻むように。
ゲームにおける一緒にプレイして積み上げてきたコミュニティというのは
なかなか手放せないものですが、
歴史を刻んでいく、このゲームに自分の名前を残していくというのも
思い出として、積み上げることができる価値だと思うのです。
ブラウザ三国志などは、出逢い、別れ、裏切りなどほんとにあちこちで
いろんな面白いドラマがあったみたいですが、
このドラマを知ってるのは当事者達だけだったり、
プレイヤーのブログだけだったりするんですよね。
小野和俊のブログ:ブラウザ三国志17鯖 - プログラマー同盟の軌跡その1 (黎明編)
http://blog.livedoor.jp/lalha/archives/50297603.html
かわんご回顧録 ドワクエ戦記その1 - はてなポイント3万を使い切るまで死なない日記
http://d.hatena.ne.jp/kawango/20100702/1278045653
こういうのをうまくまとめて、評価機能が働いたら
戦い、出逢い、別れ、裏切りのドラマなんて
コンテンツとしてとても面白いと思うんですよ。
僕は少なくとも自分が関係した同盟や敵の歴史とか見てみたかったですし、
本当に面白いドラマは外部からも読めるようにすると、
宣伝にも使えるんじゃないかと。
他にも歴史上ある程度の規模の戦いなんかは、壇ノ浦や桶狭間のような名前がついて
参加者をスタッフクレジットスクロールのように表示できるようにすると、
筆不精の人でも、自動的に歴史に名前が刻まれるので
そういう自動化もいいですよね。
自分で名を刻む。刻まれる。というのもそこにいた証。
所属承認欲求の一つだと思います。
最後に
ソロプレイヤー層をどう取り入れるか
リアル友人がたくさんいるとか、
ネットコミュ力強い人が圧倒的有利なのがソーシャルゲーの
ソーシャルたるゆえんですが、
そういうのがむしろめんどくさいし、課金するつもりもないと
最初からプレイしてない層(家庭用ソロゲームが好き)が
かなりいると思います。
でも、無課金でもいいから単純にプレイヤー層を増やすことは
課金ユーザーのインセンティブとしても、有効に働きます。
ただ、ソロプレイにはソーシャル的なバイラル効果が望めないし
ソロプレイヤーは辞めやすいので、
ソロプレイの選択肢そのものを作るかどうかすら諸刃の剣。
この先考えまとまってなくて、すでに長すぎるので省略しますが、
ソロプレイヤーの承認欲求を会話なしで満足させつつ、
コンテンツ消費されつくしても継続プレイして貰うアイディアを
発見するかどうかが、ソーシャルゲーム層拡大テーマの一つだと思います。
以上でした。
(毎回)こんな長い記事読んでくれてありがとうございますm(_ _)m