きみの! プロジェクトにはッ!!「悪意」が足りないッ!!!

時間をかけて、つまらないものを作りたいか? - futoase.hatenablog.com
http://futoase.hatenablog.com/entry/2014/07/19/130922

(以下中略)

3ヶ月後

何を作っているのかわからなくなってきた。
具体像もわからない。
エクセルに書いたガントチャートは、意味を成していない。
ガントチャートを直そうと思うと、
他の予定もずらさなければいけなくなり、
だるくなってだれも更新しようとしない。

企画の人とは連絡を取るものの、会議では具体的な話が進まない。
「ですよね」「だといいですよね」「じゃないですか」といった
あいまいな表現が続いて、2時間の会議が終わる。何も進捗がない。

エンジニア側は、度重なる変更に疲れが出ている。
「俺達は、何を作っているのだろう」という曖昧な状態。

「自分たちが開発しているものに意味があるのか、価値があるのか」
について一切言及していない。

何かが、おかしい。声を上げたい。
が、自分はただのエンジニアであり、
アイディアは言えない、不満も漏らすのはIRCが限界だ。
言葉にできない。


9ヶ月後

サービスインを迎えた。
オープンしても、Twitter上での反応はいまいちだった。
facebook ページでのLike数の伸びも大したことがない。
Google Analyticsを見ても、
予想していたアクティブユーザ数には程遠い。

よくわからない。動いている。
落ちない。動作している。

けど、よくわからない。つまらないものを作ってしまった。
なんだったのだろう、俺の1年は。一体・・・


皆悪意が有るわけではない。
進んだ方向がたまたま見過ごしていた方向、
思わぬ方向に進んでいるだけ。

だが、「変だな」って思った時にすぐに言える、
そんな場にしたいし、居たい。

耳が痛い話だったのでちょっと考えてみた

本質的な問題は、コストや技術不足、時間、
教育や、アイディアの不足、マーケティングのミス、
時代の変化、プラットフォーマーや政治の都合など
わりと短期ではどうにもならない事が多い。

でも、その隙間をついてプロジェクトをスタートしても、
プロジェクトが進むにつれ、ほころびが見え、
結局本質的な問題へ戻ってくる。

こういうとき、ちゃぶ台返しする権限のある人が
責任取って根本的な修正やら、中止をしてくれると
傷が浅くて済む。

でもそれは、責任取れる人だけができることで、
責任取れる人だけが本質的な問題を考えることができて、
他のメンバーはみんな枝葉の議論と会議しかできない。
その役員クラスの人もずっと現場に張り付いていないと
成り立たない。

なかには、メンバーみんなが分単位で言葉の暴力で応酬する
スタートアップ的な会社もあるだろう。
そこでは発言できない、という問題はないだろうが、
ついていける人が限られ、ストレスも
離職率も高くなるという問題が起きてしまう。

なにかうまい方法はないだろうか?

「悪意」を公式に吐き出す場所がないのが問題。

ここでいう「悪意」は、
対案もない「無責任な発言」のこと。

責任をもった発言しか許されないのがまずい。
それでは責任者しか本質的な発言ができない。
だが本当に責任取れる人は現場より上の立場だったりする。
ゆえに、会議は本質的でないところのみの枝葉会議になる。

間違った方向へ進み始めたり、
少しおかしいなと思ったり、
作ってみて本質的な事に初めて気づいても、
「今更そんなこと言うな」
という空気はどんどん強化され、
みんなおかしいことは分かってても
そのまま突き進むしかなくなる。

この動画を見て欲しい。


(22:00頃)

家入一真を教祖としたコミュニティで、
一定数のアンチが湧くのにどう対処したらいいか?

その答えが、
家入一真に文句を言う村を作る。
家入を否定する人達が幸せに居れる場所を作る。
しかし、そこから出てくる成果物、
思想や、ツールには面白いものもある。」


そう、信者が教祖を盲信し続けると、
教祖や自身の否定が出来ないため、
異教徒を排除しつつ、暴走になる。
そして自分達を否定するような
イノベーションはそのコミュニティで起こりえない。

民主主義には「野党」を必ず置く。
No2にあえて社長を否定する人物を配置する。


だが、公の場でプロジェクトを無責任に否定する人は誰もいない。
これが、プロジェクトの本質をアンタッチャブルにする
プロジェクトが進むごとに、「今さら言えない空気」が強くなる。

プロジェクトにも無責任な発言をしてもいい村が必要。

メンバーとして責任ある発言しかしてはいけない、
という純粋培養な会議では、
責任者しか本質的な発言ができない。

しかも本当に責任が取れるのはその場にいない
社長だったりするので、根本的にどう修正するか?
という土台には一切触れられないまま、
妥協に妥協を重ねた上で「売れたらいいね」みたいな
枝葉だけしっかりして、土台があやふやな会議しかできない。


本当にダメなところを「無責任に言い合える場所」
プロジェクトには必要だ。


プロジェクトに「悪意」を入れよう。

「アンチブレインストーミング」という提案

例えばスプリントごとに、未来の反省会をする。

各メンバーが、
「このプロジェクトはこういう理由から最悪の結果で終わりました。」
というとんでもない仮定の未来から始まって、
プロジェクトの悪口を必ず言わないといけないルールで、
「次回プロジェクトへの反省と改善点」を報告する。

まだおこってない未来の話だから
冗談交じりにお菓子でも用意しながらやっていい。

慣れないうちは最悪の結果になった理由も、
隕石がデータセンターに突っ込みましたとか、
GoogleAmazonが合併して自分達の市場に乗り込んできました、
とか突飛なものでも構わないし、
その反省や対策が予算や技術的に難しいことを含めた
実現不可能な理想論であっても構わない。

スプリントごとに
最悪の未来をロールプレイングするようなもの。

要因は外部環境問題でも、内部問題でもなんでも構わず、
前のネタは使わないというしばりで、
毎回あらゆる角度からプロジェクトが大失敗した未来
という報告を体験する。

この未来を先取りした
無責任な「アンチブレインストーミング」には
いくつか狙いがある。

1.余裕のある序盤から中盤までは悪口言い合うのが楽しい

無礼講とまでは言わないけど、みんなが普段思ってても
気を使って絶対言えなかったことをオープンにできる場なので、
顔見知りのメンバーなら雰囲気はとても作りやすい。

起こりうる悪い結果も創作なので、いろんなジョークを差し込める。
メンバーのコミュニケーションとして有効。

2,冗談みたいなブレストから初めても、リアリティのある未来報告をする人が一定数出てくる

リアリティはともかく、元のブログ主みたいな、
「冗談に紛れて本音を言える場所」を求めてるメンバーが必ずいる。
普段逆さに振っても言わない、言えない、
そういう現場の本音情報は大事。

3,対案まで考えなくても、重要な問題点を発言できる

対案が思いつかない無責任な発言だからみんな発言しないのだが、
対案まで考える必要はない。

おかしいと思ったら、声を上げることが一番重要。
本質的な問題を解くよりも、
まず本質的な問題が可視化されることに価値がある。

それが大きく可視化されたら、集合知が発揮され
良いアイディアをひらめく可能性がそれだけ増える。

ブログや増田やYohoo!知恵袋で愚痴ったのがバズれば、
いろんなカウンタートラックバックが来たりするように。

4,どんな難問であろうと、早い段階で「問題解決のアンテナ」を貼る

一度ストーリーとして記憶したら、
その後もずっと脳は勝手に思考し続けるし、
ふとしたことで解決することもある。
そういう「思考のタネ」が撒かれ、
「問題解決のアンテナ」が早い段階で貼られる。


元々解決できないぐらい難しい問題で、
当初はそのリスクに博打を打つ感覚で進めたプロジェクトでも、
あえて問題点を大きく取り上げて、
ストーリーとして記憶しておくことで
脳内にアンテナが貼られ、日常の点と点がつながることがある。

最初からその部分を諦めて考えようともしなかった場合、
このアンテナは全員機能しない。

5,「ヤバイ匂い」も嗅ぎつけやすくなる

最悪な未来の話を最初に聞いてると
アンテナがずっと効いてるので、
開発の「ヤバイ匂い」を嗅ぎつけやすくなる。

さすがに、おちゃらけてロールプレイングした
「アンチブレインストーミング」の内容を、
そのままなぞる訳にはいかないからだ。

6,無責任な発言場所があることで「空気」を破壊する

スプリントごとに出てくる
厳しい条件の悪口が解決できそうにないと
つまりプロジェクトリーダーに確信も信念もない場合は、
わりと早い段階で、いつもの空気が崩れる。
それはもう、炎上した次の日に増田が日記を消すような圧力で。

7,グループウェアや、ツール、教育システムなどの「社内の土台」に注目が集まる

例えばアンチブレインストーミングで、

「アイディアはとても良かったのですが、リリース後バグが多く、しかも競合他社が同時期に似たようなサービスを完璧な準備で開始し、完全に顧客を持って行かれました。」

「我が社が遅れを取った理由は、競合他社が当たり前にやってる、ユニットテスト、コードレビュー、GitHubなどのツールを全く軽視した状態で、開発基盤やその教育システムそのものが全て後回しになってる点が大きいと思われます。」

などと、反省会にかこつけて、普段から思ってることをあれこれ言える。
公の場で何度も、複数人が発言してることが重要で、
毎回後回しにされがちな、社内の環境づくりの空気を作る一因になる。

8,リーダーに確信があれば「アンチブレインストーミング」の中身は無視してもいい

好きかっていう場であって、
どんな否定的意見があろうと、
そこはいちいち悩む場ではない。

業界の常識に先鋭化された全社員が反対する企画でも、
社長の独断で生まれた大ヒット商品はたくさんあるので、
リーダーにその信念があるなら、
悪口を無視するのもよし。
可視化された「一番厳しい意見」を拾い上げて
コンフリクト解決に挑んでもよし。

わざと打たせた腹は痛くない。

9,悩みを人に話したら自分で解決することがある

1人で悩んでると、頭のなかでグルグル周るだけなのに、
他人に悩みを話したりすると、頭が整理され、
分かりやすく伝えるよう、うまく抽象化でき、
いままで見えてなかった基本的なことが分かったりする。

どうせ無理だからと諦めるよりは、
とりあえず他人へ説明することが大事。


まとめ

いろいろ理由書いたけど、
根本的には、プロジェクトにあえて悪意を入れることで
バランスをとる必要があるということ。

本質的な問題にみんな気づいてるのに、
その解決はどうせ無理だからと、
可視化されないまま個々人で諦めてると
ただコストを垂れ流し続けるだけの
プロジェクトになってしまう。


逆さに振っても人は本音も本質的な情報も言わないので、
そういう思いを吐き出させる場所、
それが否定でも本質的な意見を言える場所、
無責任でも解決できないことでも、
そこで黙って勝手に思考停止せず
まず可視化することが一番大事だということ。

それを通常の会議とは別に、
未来を先取りした「アンチブレインストーミング」という
切り離した所や、少人数ごとにやるのはどうだろう、、

という提案でした。