teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

ゲーム業界の人は気づいているのかな?

Twitter名言 - seabream
http://twittermeigen.tumblr.com/post/69741864/seabream#


携帯とかYouTubeとか
mixiとかTwitterとか


そういうのが全部ライバルになってきて
ユーザーの時間を取り合ってると思うんだけど
ゲーム業界の人はそういう認識あるのかな。


他のゲームより面白い物つくっても仕方ないってことに。

10年以上前、
まだポケベルの時代、PCでMMOのウルティマオンラインが出たとき、
Loginというゲーム系雑誌で
パン屋のプレイヤーが、お客の女戦士をナンパしてデートにでかけた
、、という記事見た僕は衝撃を受けました。


これ以上のゲームはない!、、と。



その記事を見る前は、まだサターンとプレステが3Dを扱えるようになって
ゲームの可能性が広がりまくってたところで、
練り込みの荒いゲームも多く、
ゲームのジャンルはまだまだ、上を極められると僕は思ってました。


中でも、自分で縛りを作って
自分の中で開発者が想定しないような遊び方ができる、
箱庭を渡して、自由にユーザーが遊び方をクリエイトできるゲームがいいと。


しかしネトゲの先駆者である、UOはそれをいっきに飛び越えました。
それまでにありえない広大な箱庭と、
無数のプレイヤー達。


プレイヤーの心情は、クリックして敵を倒すことより
そこに付随されたチャットでコミュニケーションを取ることが
最高のゲームだと気づいた。


パン屋を経営しながら、無限の選択肢をもつ女戦士を口説くなんて
そんな面白すぎるときめきメモリアルなんか、
到底プログラマーがシステムで作りあげることはできません。


これができてしまったら、ゲーム屋はいったい何を作ればいいんだ?
学生の時、自分の理想はいっきに打ち砕かれ非常に悩みました。


まだ当時は14.4kbpsモデムとかで、ADSLつなぎ放題もなかったですし
欧米色の強いUOが多数派になるわけもなく、
僕のショックとかはどうでもいいぐらいに
コンシューマーゲームは順調に進化していきました。


しかし、最強のゲームである
人対人の多人数コミュニケーションをもつUOを頂点と考えた僕は
そのときのゲーム進化を、その頂点へ至る過程なんだろうと、
全てはそこへ集約していくのだろうと思いました。


その数年後ファンタシースターオンラインが、ゲーム大賞を受賞し、
FF11が、スクウェアの年間利益の半分をたたき出すぐらいになり、
全てがオンライン化するのか?
、、と思ったのは、間違いでした。



今、任天堂はゲームゲームした進化ではなく、
脳トレや、WiiFit、Wiiconect24など、ゲームと日常の融合をはかってます。


それはもはやゲームではないという開発者もいますが、
そうではなく、
たぶんUOで女の子をナンパできたときにその境界がなくなったんだと。*1


そして、いつからか全てのエンターテイメントはコミュニケーションなんだと考えるようになりました。


これは何も、チャットや会話だけをさすのではなく、
小説家が小説を通して一方的に読者へ語りかけるのもコミュニケーションですし、
映画監督が、映画を通して一方的に観客へ語りかけるのもコミュニケーションだと思うのです。


それだと、読者の思いは作者へ伝わらないですが、
読者は作品とどこまでも何度でも対話ができます。
そしてその商品を買うことで、作者を支持できます。
もちろんファンレターを送ってもいいわけです。


ゲームは作者が作ったしかけを
さらにインタラクティブに会話することができます。
ときに作者の言うことが難しすぎてクリアできないぐらいに。


オンラインで会話を楽しむのもいいと思うんです。
ゲームはあくまでゲームであって、
気軽な会話とは違う、作者との濃密なインタラクティブコミュニケーションを
楽しむ場です。


プレイ時間や、値段、難易度、対戦レベルなど、
敷居の高いところで選ばれてないとは思いますが、
脳トレや、モンスターハンターや、レイトン教授など、
面白くて手にとってもらえるソフトもたくさんあります。
ケータイでは、モバゲーもあります。


たぶんビジネスとしては、流通、価格、広告、販売も含めて
それらの要素をユーザーに対するコミュニケーションとして全部含めて、
ユーザーにどれだけ語りかけれるか、
そのうちどれだけのユーザーが応えてくれるか。
、ということなんでしょう。


だから他のメディアやサービスや、
はたまた他のゲームがライバルかどうかはあまり関係なく、*2
開発者と、プロデューサーが、
どれだけユーザーに楽しく語りかけれるかを追求する、
ひとつのメディアとしてもう定着したんじゃないかと僕は考えます。


小説家が、Twitterや、mixiを気にしないように、
漫画家が、携帯やYoutubeをいちいちライバル視しないように、
ゲームデザイナーだって、他のゲームやサービスばかりと比較せず
ユーザーの驚く顔を考えながらゲームを作るのです。



、、たぶんね/(.^.)\




補足


最初のユーザーの時間をとりあってるという意識の問題ですが、
ソフトの売り上げが落ち込んできたPS2以降、
犯人捜しを、DVD,携帯、インターネット、中古ソフト、など
あれこれゲーム雑誌のインタビューでも語られてたので、
ゲーム業界の人は、先刻承知だと思いますよ。


ただ、携帯、YoutubemixiTwitterなどの
可処分時間を取り返すのは、ちょっと違うというか、
このまま新しい形で熱中できるゲームを提供するのと、
今までゲームをしなかった人を巻き込むような
ゲーム人口を増やすのを、まさに任天堂はじめ
いろんなメーカーが取り組んでいるので
どんどん、ゲームという概念を超えて楽しさを提供していくのかもしれません。

*1:逆にそこで境界を意識してた僕が若かったわけですが

*2:同じ対戦格闘とかいうジャンルじゃない限り