teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

日本でMOBA系ゲームが流行りにくい理由の考察(日本人はチームコミュニケーションが苦手?)

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この中でも最後の「勝利のために特定の役割(推奨)が必須となる」という点が、日本でロール型ゲームが流行らない理由の一つだと思っている。

なぜかというと、日本全体の教育って就活とかを見るとわかるように「個性を持たずに汎用的な人になる」ってことを求められている。

大学に入り、会社に入り、結婚し、そして老いて死ぬ、という一般的な道筋が美徳だと教育されていた時代は確実に存在しており、今でもまだその風習は残っている気がする。

そういった点から見ると、「集団において、個人個人が特定の役割を担う」ということに日本人は慣れていないのではないだろうか。

主に見てるのはオーバーウォッチシーンだが上の記事を考察してみたい。

洋ゲーはアメコミ色が強い。
韓国は違法コピーでコンシューマゲームが育たず、変わりにオンラインPCゲームが発達し、同時に光回線の国策整備も早くPC房(ネカフェ)がアーケード、eスポーツ文化として10年早く育った。日本生まれのスプラトゥーンやボーダーブレイクは日本でも流行ってる。のような事情もあり、流行るかどうかは日本人の特性とは別の環境要因が大きい気がする。

、、って言うと元記事取り上げて考察する意味なくなるのでそこは置いといて、日本人がチーム運営苦手かもと捉えると、上の説はいい線いってるんじゃないかと。トッププロチームはそんなことないだろうけど、大会で勝てないアマチュアチームあたりとか。

ここでは
「個人個人が特定の役割を担うことに慣れてない」ではなく、
「日本は個人でPDCA回すのは得意だが、チームでPDCAを回すのが苦手」
と捉えたい。

日本人は「個人で道を極めるのが得意」で「人に伝える(スケールする)のが下手くそ」

日本人は空気を読み、仲間に気を使って大事なことを指摘することができない。(ゲーム中の話ではなくゲーム外での戦術の話) あるいは指摘しても否定されたと受け止められて聞かない。指摘すると人格否定みたいになってしまい、前向きな議論にならない。

すると自分たちに合わない世界トップの戦術や理論を盲目に真似たり、間違ったチームワークや戦術が間違ったまま進み、何人かはそれが難しい事に気づいても「俺らが考えるより、世界で一番強いチームがやってることが正解に決まってる」という暗黙の了解があり、他の戦術を試せないし、まだトッププロみたいにできないとは言えないし、言ったところで変化することがチーム全体の和を乱し、モチベーションを下げ、全体非難として受け取られ評価されない。

上手い人の「型」を真似るのは上達の近道で正しいが、個人で型を真似るより、チームで「型」をコピーするのははるかに難しい。なぜトッププロチームがそこにたどり着いたかという試行錯誤の経験値はコピーできず、それぞれの個人特性や、コミュニケーション方法、練習方法、チーム運営方法という「チームの型」を分析しようにも、大会のビデオじゃゲーム戦術しかわからないからだ。

道を極めるようにロールをマスターする事には長けていても、チームの戦術フォーカスは合わない。日本人のトップランカーはいても、日本チーム全体の底上げや成長が弱くなる。


世界一の型を真似るにも、チームの特性にフォーカスするにも、短い練習時間の間にどれだけ多くのトライ&エラーを繰り返せるか。どうやったらチームに気を使わず、集まりがバラバラなときもPDCA高速に回せるかを工夫して、練習方法そのものを進化しつづける必要がある。その修正回数や修正速度で遅れを取ってたらいくらトップの戦術を真似ようと差は離れるだけだ。ここは記事後半でもう少し考えてみたい。

個人技が重要なゲームと、チームワークが重要なゲーム

野球とサッカーは、どちらも個人が特定の役割をこなすことには変わりないが、個人のPDCAと、チームのPDCAは違ってくる。

サッカーで明日の試合、フォワードをまだ会ったこともない外国人助っ人選手に変えるとしたら、これまでの決めごとや練習が無駄になりチームワークはボロボロだろう。しかし「野球の4番」を明日から外国人助っ人選手にしたら強くなったりする。

野球はピッチャーで9割決まるという俗説でいえば、投手とバッターの個人技対決がメイン。もちろんチームワークは大事な要素だが、サッカーの方がよりチームワークを重視する必要がある。

野球道を極めた日本人の野球は強いが、サッカー道を極めた日本人がいくら世界のチームで活躍しても、日本チームで気を使って空気読んでたら、PDCA回すのが遅くなるかもしれない。

スプラ(1?)やボーダーブレイクはロールがあっても、全部DPS性能高く、ガチガチな競技性ではないカジュアルシューターよりに調整されてる。チームプレイは当然重要だが個人のスーパープレイでひっくり返せるなら日本人にもプレイしやすいだろう。日本人受けのゲームにするにはチームに見せかけた個人技の集団プレイゲームとしても成立するかどうかかもしれない。PUBGのスカッド(4人チームでバトルロイヤル)とかもよさげだね。


チームワークにはちゃんと仲間と協調して自分の考えを伝える技術が必要だ。
だが空気読み能力の高い日本人は、フラットな議論が苦手で、議論が人格否定になってしまうことがある。ここで仮説。

日本語は主語をかなり省略できてしまう

「今日時間ある?
よかったらこの後、
オーバーウォッチやらない?」

という日本語をアメリカ語では

「(あなた)今日オーバーウォッチする時間ある?
(あなたが)よかったらこの後、
(わたしとデュオでランクマ)付き合ってくれない?」

という主語がある文章が普通。
日本の会話全てに主語を付けたら、とてもくどくて聞いてられないが、
英文は音が流れるようにつながってるのでこういった主語もくどく感じない。

「主語の省略」というのはかなり前後の文脈に頼ることが大きい。また、アメリカ語ではgameとgamesのように単数形複数形がハッキリしてるが、日本語ではそこも文脈に頼る事が多い。

コミュニケーションにおける言語は3割しか機能を果たしてなく、残りの7割はボディランゲージや表情、感情、そのひとの立場、これまでの発言や思想、そのひとの信頼など、言語以外のコミュニケーションが7割だと言われる。

日本語はもしかして9割ぐらい言語外の立場や役職や信頼にもとづいて主語以上の言葉が省略されてるかもしれない。5,7,5のたった17文字で季節から心情まで読み取る国。

Twitterでも省略された言葉の行間をどうにでも読み取れるし、言ってないことをさも言ったように解釈されないよう、気を使って喋らないと危ない危ない。

言葉よりも「レート、ランク」でコミュニケーションする

レート、ランクが伴わないと、TwitterやDiscordでどれだけ意義あることを言っても信頼がないので話が通じない。

「レート高いやつの言うことが正しいに決まってる」
「レート低い奴が何を言ってるんだ?」
「おまえが正しいと言うなら、まずその理論でレートを上げろ。」

これは自然な反応に思えるが、こういう空気になるとチームで発言権を得るのは
チームで一番レートが高い人ばかりになる。

別に一番うまい人がマウントとりたいわけじゃなくても、他のメンバーはレート高い人についていく形で遠慮してしまい、あまり意見を言わなくなり、レートの高い人が一方通行に要求しつつ、その高い要求に他のメンバーが合わせられず前に進まなくなる。

ときにはレート低い側が考えるやりやすいプレイや戦術に、レート高い方があえて合わせる方がうまくいく場合もあるが、そういう意見はレート低い側からは遠慮して言い出せない。もしそれで負けた場合、余計に責任感じ過ぎたり、実際は勝率変わらなくてもレート高い人にとって不満だろう。そういうときは勝ち負けの印象ではなく、自分たちの統計データや試合録画で客観的に会話する必要がある。

フラットな客観視点は、第三者のコーチがいると改善される場合もあるが、レート正義の空気があってコーチが選手よりレート低いと、コーチの言葉や戦術まで軽んじられて説得力を持たず、話半分でしか聞かないということになりかねない。空気読み能力高いから別に仲は悪くないけど、芯からチームとして通じ合わず理解が難しい。

なぜ日本のAppStoreレビューには「暴言」「罵倒」が多く「何が悪いかの説明」が少ないのか?

ゲーム内で下手くそなプレイヤーをわざわざファンメール送ってまで罵倒し、2chに晒すという行為をする人がいる。クソゲー作ったメーカーにはレビューで暴言を書き込む人もいる。

メリケン人がそういうことをしないというわけではないが、メリケン人の暴言は「そこのマクリー勝手に盾から離れてウィドウに抜かれてんじゃねえ!ファッキンDPS Change!!」という説明口調の比率が多い。相手が初心者、未熟なプレイヤー、相手がゲーム初めて作ったインディーズメーカーだったとしても、どこがどう悪いからクソなのかはわりと指摘してくれてる。

常識で考えたらわかるだろ? という文化

日本の暴言の多くは「noob DPS! 頭使って動けハゲ!!」「ハンゾー使ってんじゃねえ!常識考えろ!」という「言わんでもわかるだろ? 文化」だ。常識と言われても初心者にはその人の常識がなんなのかさっぱりわからず、晒されて嫌な気持ちになってゲームから離れていくだけ。(しかもメタが変わり続けるゲームで、その人の考える常識が本当にあってるかどうかも定かではない。)

「言わんでも分かるよな文化」は、本当に常識で考えろというよりは単なる防衛本能で言ってる場合が多い。説明したら反論が予想されるが、日本人は自分のイメージしてる事を言語化するのが苦手だ。(僕もリアルタイムで言語化するのは苦手)

だから、自分が論破されないために、自分の未熟さを露見させないため、でも相手の間違いは指摘したいから、説明をまるごと省略し暴言に飛ぶ。それでクソだという意思は伝わるものの、チームの雰囲気は悪くなり、ゲーム中の「互いの」改善も期待できない。

言語化するのが苦手なのは、読書量のインプットや語彙力が足りなかったり、普段の正確な言語化アウトプット、論文や記事を書いて、ディベートするアウトプット量が足りなかったり、メリケン人が学校でやってるディベート授業がなかったり、日本はそんなことしなくても「空気読み能力の高さ」で補えばどうにでもなるので、言語化を省略してしまう。


空気読み能力は多国籍なメリケン人にも備わってるものだが、日本は同じ教育、同じ民族「みんな同じ」を前提として、互いの空気読み能力に依存し、期待しすぎてるから、自分の期待と違う「常識」を持ってる人を受け入れづらい。

メリケン人も暴言しか吐かないクソ野郎は多いが、多国籍移民国家は「人種も宗教も育ちも環境もみんな違う」が大前提なので、日本人ほど空気読むことに期待できず、バカにもわかるよう説明するしかない。

口で説明するのがとにかく苦手

言語化が苦手という問題は、自分の技術を他人に教えきれない、背中を見て覚えろという職人気質にもつながる。これはよそ者に自分の技術を教えたくないムラ社会的な考え。

言語化が苦手なので「どうせ口で言ってもわからん」「口で言っても評価されない」「同じ職業でも、極める道、その進み方はみんなそれぞれ違う」という考えもある。これはガラパゴスな独自進化が生まれるメリットもあるが、、

職人が技術を説明するにも、本質的なところで職人のそれまでの人生や哲学レベルの話になってしまい、結局同じ時間を過ごさないと伝わらない求道的な文化になる。これはよくIT業界のオープンソース化や、ゲーム業界を横断したGDC、ゲームデベロッパーカンファレンスにもつながる。

説明が苦手だから情報共有も苦手

メリケン人はIT会社やゲーム会社の垣根を超えて情報共有するのに、日本のIT会社やゲーム会社はほとんど情報共有をしてなかった。それどころか部署ごとにサウンドやUIデザイナーを抱え同じ作業を違う実装でしていて、部署単位ですらまるで官僚の縦割り行政のように情報共有が少なく、ノウハウが全く違う。チームとしてのスケール、標準化が苦手なので、個人に依存する属人化を好む。

これが後の大規模化ゲーム、開発の合理化、ゲームエンジンで大きく差をつけられることになったと言われ、日本でも社内部署は統合され、CEDECなどでどんどん情報共有のカンファレンスが始まり、ついには任天堂まで参加し始めた経緯がある。*1

第二次大戦軍部における「失敗の本質」

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

 

石油止められたとしてもアメリカにケンカ売ったのが失敗、、ではなく、残された資料から学者達が長年かけて日本軍という組織にフォーカスして研究した名著がこちら。

アメリカ軍は失敗したときの経験が次に活かされ、信賞必罰の司令交代も、敗戦から学んだ司令復帰も機能し、組織としての人の入れ替えもPDCAもよく回ってる。日本軍は陸軍と海軍の軋轢の中、ゼロ戦で大きな戦果を挙げ、艦隊が大敗したという経験をえてなお大艦巨砲主義に傾く始末。

軍部の会議はよく第二次大戦の映画で見るようなものではなく、幹部が大敗した責任を問われない。記録では「あれだけの兵隊を失って、ことさら責める必要はあるまい」と国家の未来を賭けた大戦で、日本の会社で行われるような「空気読み」に終始しつつ、また同じ失敗を繰り返す。

空気読みに長けてる日本人は、チームとしてPDCAを回す事を学び、進化させていかなければ、戦争も、MOBAも、チームFPSも空気を読むだけで終わってしまうだろう。

韓国チームは感想戦を配信する

今年のはじめ、オーバーウォッチJapan open divisionで優勝した「ナチュラルズ北海道」だが、優勝後にコーチが「感想戦」の配信を始めたことに驚いた。いままで日本のオーバーウォッチチームが自分達の試合を公開で解説するというのは見たことなかったから。

チームの戦略がわかり、ダメな所も見えるのが恥ずかしく、対策もされやすくなるから配信でやるメリットがひとつもないと思ってたのに、感想戦をコーチが配信していいんだとビックリした。

このコーチはオーバーウォッチが一番強い韓国トップチームの1つ、X6GamingからきたGilyコーチだったかな。韓国では普通にこういうことやってるようで、それでファンが付いたり、オーバーウォッチシーンのレベルが上がったり盛り上がったり、コーチの評価が高まったりするからいいのだろう。過去の試合を解説したところで、次の試合はまた強くなってるし、自分たちの弱点を指摘されるメリットや、どうせ大会見られてて対策されるのだから、同じ戦術やミスを繰り返さない前提なのかもしれない。

日本だと「普通」のハードルが高すぎて、こんな常識的なことをあえて説明しても価値がないと思ったり、自分も完璧じゃないのに解説するのがドヤッてるようで恥ずかしいと思ったり、5ラウンド解説する労力も大変だし、例え99の高評価でも1のマイナス評価や罵倒コメントが嫌だとしたらやらないだろう。

改善するとしたらこういった日本人の気質にどう対処していくか?

日本でMOBA系が流行るかどうかは、、スクエニやセガがアーケードでチャレンジして、スマホでもいろいろタイトルがあるが、日本のアーケードやスマホではなく、ワールドワイドスタートでまず任天堂、カプコン、ナムコあたりに頑張ってもらうしかないだろうか。

それ以外、プレイヤーやチームレベルで日本の環境にどう働きかけていけばいいか?

暴言の前に何が悪いのか説明を!

プレイヤーとして暴言を吐くなとは言わない。メリケン配信者のように

「合図してソンブラEMPで突っ込んでるのに、自爆合わせないてめえはファッキンビッチ!!」

「ソーリー、こっちのヒーラーが襲われてたんだ」

「あー、OKOK」(「ヒーラーほっといて自爆投げろや!」とキレ返してはいけない)

と、なるべく自分の考えを短く言語化して暴言をはこう。暴言でもお互いの状況とやりたいことがわかれば、腹は立っても次の改善に繋がる。チームに短く説明できないのもレートが上がらない理由だ。

逆に説明なしの暴言だけを受けたらちゃんと説明を求めよう。メリケン人は「なんでそのピックを選ぶ? (まだ怒ってるわけではない)」「なぜそのキャラでロームする?」など理由を聞いてくる事も多い。日本人からすると「why? 理由をきいてくる」=「自分を否定してる」と捉えがちな人もいるので、とっさに簡潔に説明できる力を付けたい。

いや、できれば暴言は避けたい。

それはそうだ。俺もジェントルマンだしな。
ならビジネス英文なんかでよくある例ように
「これは決して君自身のことを否定してるわけではない。ただ、味方の到着を待たずに1人でハラスして死ぬソルジャーはクソだ。」

という風に人格否定ではないという前文をつけよう。
「あなたを否定してるわけではない」「あなたを嫌いというわけではない」というメッセージを日本語から省略しないだけで、だいぶ話しやすくなる。

チーム間をこえた情報共有

コーチとしてはやはり韓国のようなチームを超えた情報共有。感想戦などはそれ自体がチームのコンテンツとなりファンが増えるし、シーンの盛り上げにも一役買う。感想戦自体も自分たちの言語化になり、共通認識のすれ違いにも気づく。

「チームがどういう意図でこういう行動を取ったのか?」という試合中の選手の思考回路を説明する動画がまだ日本語OWでほとんどないので、別にガッチリ準備して解説しなくても雑談で充分面白かったり、なんならみんなでコーチに怒られてる感想戦のほうが面白い。

まあこれは、選手があちこち移ったり選手間の仲が良かったりするので、ITやゲーム業界ほどの問題ではないだろう。YoutubeやTwitchのインセンティブもあり、ゲーム配信が盛り上がってきてるので、顔出しで身近に感じてもらったり、面白くて役に立つ動画は少しづつ増えてきてる印象。

言語化する、説明力を鍛えるアウトプットとは?

途中「言語化アウトプット、論文や記事を書いて、ディベートするアウトプット」と書いたが、ゲームで言えば

「オーバーウォッチの攻略記事を書く」
「オーバーウォッチの攻略動画を作成する」
「オーバーウォッチで自分より低レートの人にコーチングをする」

などがそれにあたるだろう。自分が簡単な言葉で、簡潔に人へ伝えるというよい言語化訓練になり、人に教えるほど再発見して、自分がより深く学べるという事はどの分野でもよくある。

別にグランドマスターじゃないと攻略記事書いてはいけないなんてことはない。ゴールドの視点でブロンズに教えるのは、最初から意識しないでできるグラマスには書けない記事。PVなんか気にせず、誰かに読まれるつもりで読みやすく書いて、体系的にまとめることそのものが、自分の新たな発見やとっさの言語化に役立つ。


また、普通は進行中のゲーム内で相手から「why?」と聞かれて、詳しい説明なんてする時間はない。だからファッキンしか言えない。

でもそういう場面で「さっきのマッチ、ほんとはどう返せば良かったのか?」と調べて、考えて、鍛える。Twitterであのときこう返せばよかったとつぶやいてもいい。次に同じ状況でゲーム中に短文で適切な返しができるようになるほど、暴言で終わらない快適なプレイング環境になっていくだろう。

むしろマウント取りたい人ほど英語の勉強にもなるんじゃないだろうか。

ミスや改善を安心して報告できるルール

日本の会社のまま世界にスケールしたトヨタに見習うところがある。

すべての規格や決めごと、機能を統一する標準化とか、在庫を持たずボトルネックを次々と解消するカンバン方式や、それこそ自分たちの仕事の仕方を会社見学で他社に公開する情報共有などいろんな哲学があるが、ここではミスを自ら発見する「自働化」に注目したい。

日本人は、選手や現場の何人かがとっくに気づいてることを誰も言わず*2、現状のメリットやコストや、それを決めた上長にすら気を使って、空気読んで発言できないのが問題。トヨタは何か現場でミスであれ改善であれ発見があればラインが止まる。

普通の会社はラインが止まるとマイナス評価、むしろ気づいた人に負担や責任が行くので、小さなほころびは見なかったことにし、どんどんヒヤリハットに蓋をして回していくのだが、トヨタは止めた回数がプラス評価となる。

ミスを報告するのがプラス評価。報告しても怒られないし、煙たがられず、むしろカイゼンにつながるため評価される。このシステムが物言わぬ日本人心理に優しい仕組みで、会社のスムーズな改善やスケールにつながっている。それを行うための標準化や、在庫をもたないカンバン方式でもある。


チームの空気読みに対する、極端な解決方法にも触れておこう。

空気を読む優しい日本人のために、優しいチーム脱退ルール

レート高い人の言うことが正義というのは議論にまるで向かないが、レートをチーム運営に利用することは出来る。

少年ジャンプが人気アンケート順に並んでたり、打ち切りになるのと同じように、特定のレートを割ると脱退というチームルールを設ける。例えば

「シーズン終了にレート4000を割ってたら脱退」
「大会で上位入賞できなければ、レート最下位の人が脱退」
「大会で去年より成績落とした場合、レート最下位の人が脱退」

チームの成長が止まり停滞した場合、こういったルールで新しい血を自動的に入れるシステムにする。

これは仲良しのアマチュアチームではなく、ガチで優勝目指すプロチームに適用するルール。メンバーが強いというよりは、連載作家を常に新しく流動させ、チームシステムの方を少年ジャンプルールで強くする。

優しい日本人の仲間意識だと自分たちで仲間の首を切る事はできない。
若くゲームにばかり打ち込んでる人に、そう高度な言語化を期待するのも難しい。
(大人でもほぼ無理だし)

だから、誰の責任でもなく自動的に切って、新しい人材を入れるようなシステム。厳しいようでみんなに責任を持たせず、一生懸命努力してるんだけど結果出ない人にも実は優しい。

そして、

「このメンバーでまだやっていたければ、大会は真剣に勝たなければいけない。」

それはみんなで協力して、その人を、このチームを強くしなければいけないという強い緊張感と責任感になるだろう。「勝てなければこれが最後」というワードは日本人ですら空気読まなくなって部署も簡単に超えてくる。

でもやるだけやってダメだったら、少なくとも今シーズンは諦められる。常に入れ替えが発生するチームなら、また強くなって再入隊できる門を開けておけばいい。プロのオーバーウォッチリーグは選手の入れ替えやトレードがさらに厳しく、全員入れ替えるチームすらある。

ちなみにジャンプが本当に強いのは「担当作品のアンケート人気取れない編集もクビ(移動)」という、作家だけでなく中の社員にまで適用されるところだ。コーチまでうかうかしてられなくなる。


まあこれは極端で、常に新しい人材確保してるスカウトマンがいるとか、ゲームシーンごとの事情や、リーダーシップ、分析力、カジュアルに続けたいチーム方針などで変わるかも知れない。人材的に新しいコーチや空いてる有能な選手を見つけるのは大変だろう。そもそもリーグレベルでなければ雇うお金も回らないし。

ただアマチュアチームでも、緊張感がなくなったり、惰性で続けるようになってしまうぐらいなら、緩めの人材流動化システムを考えていいかもしれない。



さんざん言語化の大切さを説いたが、最後に

人は論理だけでなく、試してみないと納得しない

例えばチーム6人いたら、毎日ひとりだけチーム5人へ修正してほしい部分を報告する時間を作る。「だからソンブラいらないって!」「今ブリギッテルシオ最強でしょ?」「シンメトラ使ってもすぐリワークされるよ? 頭湧いてるの?」などの反論はあとまわしにしてメンバーはまず否定せずに修正してスクリムしてみる。

こうするとお互いがお互いのことをちゃんと見て理解しようとしてるんだということの確認にもなるし、ずっと言えなかったことを無理やり引き出す時間にもなる。それが成功しても失敗しても実践してみることで初めて本人は納得し次へすすめる。

それぞれの考えで論理的に無茶なことを試すのは面白い。「だからなんでバスティオンなんだよw」などと文句を言わずやってもらう。ヒーラーをタンクに変えて「これからは4タンク時代の到来だ!」とチームで遊ぶ余裕があるほど心理的安全性が確保され、遊びから意外な発見につながったり、普段も好き勝手言えて風通しのいいチームになる。真面目なスクリムだけじゃなく、ときに遊びを混ぜるのが必要。*3


こういうのは監督か、コーチの役目じゃないのかと思うが、よほどの名監督でもない限り、ほんとに選手の考えてることを引き出して良い空気を作るのは難しい。昔だと鬼監督とそれに従う熱血選手など伝説的に語り継がれる組み合わせはあるが、現代日本人だとコーチや監督に従順になりすぎて、自分がほんとにやりたいことや考えをコーチへ伝えきれてるかどうか怪しい。だから無理やりミスや改善をあぶり出す、遠慮する個人の考えも全部吐き出すようなローテーションスケジュールが必要だ。


きちんとひとりひとり「遠慮しまくって物を言わぬ日本人メンバーの本音や考えを聞き出す」事ができればやり方は何でもよく、それをお互いの負担にならないレベルで定期的に実行、遊びながら試行錯誤して議論発展できればロールを割り振ったチームゲームの定着もよく、より面白くなるんじゃないかと思う。



参考書:

 

*1:でもこの日本らしい職人気質のメリットは良い意味で残ってて。ちょうどそれで大苦戦したPS3時代から業界が1週し、大規模ゲームがある程度安定して開発できるようになった最近、ようやく任天堂やカプコンが反撃開始といったところだろうか。

*2:「知ってると思ってました」だと!!

*3:個人的に大会でも遊び構成を一瞬混ぜて、相手を惑わすのはありだと思う。変な構成は相手が対応するのに意外と時間かかって、刺さるとゲームの流れをとれる。