俺たちは「同人誌を作る!」なんて言葉は使っちゃいけねえ。「同人誌を作った!!」なら使ってもいい!!!

冬コミの季節ですね。
各サークル締め切りに追われながら、仕事しない奴もいて、
毎回いろんな崩壊劇が見れる楽しい季節です♪


僕自身が参加するわけじゃないのですが、
創作系の話があったのでこの記事で考えてみます。


基本パターン

「俺たちででっかいことをやろう!」
「おーー!!」
締め切りギリギリまで何も手を付けず。
「そもそも最初から無茶だったんだよ!!!」


、、こんな感じ。


自分は何もしないで文句ばかりいう人もいますね。

無償でモノを作ってエライ目にあいました
http://anond.hatelabo.jp/20081217100125


実際のサイト製作に入るようになった頃には、

デザイン(アイディアラフ)に対し、立上げメンバー・上述の2人が遠慮なくダメ出しするようになっていました。

彼らは(ビルダーなどのソフトを使って)webページを作ることはできるようですが、

コーディングはできないと言うので、実質作業も私一人でした。

同人誌を作りたいなら、あえて同人誌を作らないという提案


上記問題点を分解すると

1、メンバーの実力に対してハードルが高すぎる
2,メンバーそれぞれが狙う市場ターゲットが違いすぎる


この2つを解決すべきだと思いました。



まず最初に

最初に自分たちでハードルを上げすぎている


友達と何か一緒に遊ぶとき
マリオカートを1コース走ろうってんじゃなくて、
ファイナルファンタジーを一緒にクリアしようとか言ってみます。


そりゃ、壮大な冒険を一緒に体験したら素晴らしいでしょうが、
いきなり50時間とか途方もない目標に見えて、
ゲームの電源すら入れそうにもありません。


もちろん、壮大なRPGをクリアしたいでしょう。
でもあえて、マリオカート1コースで済ますべきなんです。
それだったら気軽にスタートを切れる。
そしてその1コースのタイムアタックを極めていったら50時間以上たってたとか、
150cc全クリアしたとか、RPGと同レベルの達成感を得られたらいいのです。


同人誌だったら、4コマ漫画、
同人ゲームだったら、ミニフラッシュゲーム。
それも最初は、コミケに出すつもりではなく
となりの友人に楽しんでもらうつもりではじめるのがベストです。

エンターテイメントの楽しみとは、予想外のギャップ


あまりに大ヒットして周りが大絶賛する映画というのは、
後からそれを見に行く自分としては、いきなりハードルが高いんです。
最初に観た人は「面白いかどうかまだわからない映画」として観に行きますが、
後から観る僕は「それは絶賛されるほど面白い映画」というのが基準で観に行きますから
『絶賛されるほど面白い映画という予想をさらに大きく超えるほど超一級の映画』
でないともはや絶賛はできないところにいます。


これを嫌って、観るつもりの映画情報を
映画館にいくまで完全にシャットアウトする人も多いでしょう。



例えばお笑いでも、
「何か面白いことを言って」「ここで一発芸をやって」
というのがハードルを上げる発言そのもので
これは面白いが前提のステージに立たされるわけですから、
裏の裏でそのまたななめにいったうえで、みんなの心のフックにはかからないといけないとか
かなりのウルトラCを求められるのと一緒。


なので実力がゼロの人たちが、
「同人誌を作ろう!」というのも、同じようにハードルを上げるのと似てます。



そういうことを宣言せずに、マリオカートをプレイするように、
今この場で楽しめる物を作る。
それが蓄積されたら、同人誌ぐらいの量やクオリティになった。
というのがベストかと思います。


ドラゴンボールや、魁!男塾だって、
次週のことはまったく考えて作ってなかったといいます。
何年も続くような長期連載のコミックスでさえ今しかみてないんだから、
素人の同人誌なんて、もっとプリミティブでいいわけです。



そして、どこにターゲットを向けるべきか?
これはやはり、

となりの友人を驚かせる

ことが一番かと思います。


遠く見たこともない多数のお客さん相手に物を作ろうというのが
まずハードルが高すぎます。
ですが、近くの友人ならとても狙いやすい。


もちろん驚いてもらうには、予想外の所からいきなり見せるほうが効果的です。
「来週これこれこういうとても面白い物を作るから
ぜひ時間をとって見に来てね」
など、自分で前もって作品の詳細を解説したら面白くもなんともありません。


もちろん友人同士ですから、
いきなり見せる分には、
「え、おまえこんなことできたの!」とか
ちょっと、工夫して時間をかけただけでも
「こないだまで、しょぼかったのにいきなりLv上がったなあ!」
という風に、ハードルは低いながら楽しんでもらえる確率は高いです。



これを繰り返して、雪だるまのように大きくしていく。
手塚治虫だって、最初はクラスメイトのみんなにマンガを描いてたんです!



また、市場のターゲットというのは、友人の先にあると思います。




いきなり遠くの的を狙ってもなかなかあたりません。




しかし、となりの友人ならば中心を外しても、不意打ちならばまずあたります。


こいつを一撃でしとめることができると、
その先の、でっかいガチホモ軍団市場にも、確実に当たるようになる。
つまりとなりの友人が照準で、その先にでっかい市場があるのです。


例えニッチな市場であっても、ピンポイントで1発で仕留められるようになれば、
市場でも大きなスコアを稼げるでしょう。



こういう話もあります。

イフカルト:日本SUGEE!ってなるコピペくれ
http://blog.livedoor.jp/wordroom/archives/51309810.html


OLだった頃、会社で働いていた日本に超詳しいベルギー人が言ったことに納得してた。
日本文化は身内受けの凝り性文化だそう。
外国文化に負けまいとしているのではなく、
世に意図的にインパクトを与えようとしているのでもなく、
今ここにいる同じ価値観を共有する仲間からの喝采を浴びたいと考える。
その結果、同じものを志す者同士の「これすごいだろ、おもしろいだろ」合戦が始まり、
そこで生み出される物が自然と研ぎ澄まされていく。
でもその競争は、敵対的なものではなく、お互いを尊敬しあいながら、
静かに深く進行していく。



そしてある日、偶然目撃した異文化出身の人間(外国人)から、
それがすごいものであることを知らされる。
ほとんどの日本人はその日が来るまで、
自分たちが作り上げた物がすごいものとは知らない。


もろもろの伝統文化、芸能、電化製品、アニメ、他、みんな同じパターンで世界に広まっていった。
だから、日本がここまで発展してきたのも必然的なものだし、
この精神が衰えない限り、これからも日本は誰に頼まれることもなく、
知らないうちに勝手に世界にインパクトを与え続けていくだろうと。


また、みんな大好きはてなブックマーク2の話でもロールモデルにできそうな人がいました。

id:jkondoが聞く、はてなブックマークリニューアルの舞台裏
http://b.hatena.ne.jp/html/backstage_interview/


結構id:secondlifeなんかはスタッフの後ろに出かけていって
「ちょっと使ってみてください」と言って、実際に使ってるところを見て
「ああこれじゃだめだ」って直したり。

だいたいid:secondlifeの提案です。
「ちょっと作ってみたいものがあるんですけど」なんて言い始めるんですよ。
それで「じゃとりあえずやってみ」と言うと、
結構いいかもしれないというものができあがってくる。


彼は日々そういうことを考える習性があるらしくて、ずっと考えているので、
僕らが「こんな感じで」と伝えるよりももっと使いやすいものを最小限の手順で作れています。

あれもid:secondlifeです。
そもそもリニューアルでデザインの機能を取ってしまったので、
最初からデザイン関連で何もないと、ユーザーさんの期待感自体を削いじゃうなと。
時間はかかるかもしれないけど機能拡張でいろいろことができるかもしれないという観点で、
最小限のデザインを変更できる機能が欲しいねと言ったら、
またid:secondlifeが「ちょっとやりたいことがあるんですけど」って言い始めて、作って。

そうそう、オンにしたまま保持するというアイデアがすごく新しくて、
ありそうでなかったと思うんですよ。
はてなダイアリーはてなハイクでその場ページ移動をどんどん導入しているけど、
はてなブックマークのページ送りは正常進化のような感じがしていて、
ぜひ他のサービスでも使いたいと思っています。
あれはどうやって生まれたんですか?


あれもid:secondlifeです。

「ちょっとやりたいことがあるんですけど」
というのは、全然ハードルを上げないどころか、
僕にはとなりの人を驚かせようという気持ちの台詞にみえます。


じっさいはてなスタッフは驚き感心してるんだと思いますが、
身近な人に喜んでもらえる、又は驚いてもらえることを、
不言実行でさっと提供できるスタイルはいいですね。

まとめ


同人活動というのは実は、
みんなでワイワイ計画するときが一番夢にあふれてて楽しいと思います。


一番クリエイティブのところですから、
一番楽しいのも当然。
だけどそこが一番楽しいが故に、そこの脳内で満足してしまい、
それを実作業に移すことはとても退屈で面白くないかもしれません。
新たにクリエイティブを発揮しようとしても、
それはもう計画と違う話なので、さまざまな軋轢を生み、
ちゃぶ台返しなんてしたら、元に戻せないかもしれません。


であれば、楽しみは仲間を驚かせるところまでとっておく。
計画はたてずあやふやなままで、
作ってる最中からどこまでクリエイティブを伸ばして
楽しんでもいいような環境にしておく。


それはそもそもコミケをゴールとしないことで、
毎日の驚きと楽しさと、クリエイティブをずっと追求していくわけです。
それが最終的に本になればいい。


コミックなら4コママンガ以上のを作ろうとは思わず、
4コマをつなげて、大きなストーリーにしたてあげる。
4コマの中でひたすら技術を磨き上げて、仲間と楽しむ。
最初だけが楽しいサークル作りではなく、
作る過程、作って驚かせることが楽しいサークル作り。
それが、

俺たちは「同人誌を作る!」なんて言葉は使っちゃいけねえ。「同人誌を作った!!」なら使ってもいい!!!


となるわけです。


仮に、イラスト担当とシナリオ担当が分かれてたとしても、
最初に方向性と全ての結末を決めるより、
一番楽しいクリエイティブ会議を、お互いの新しい話や絵を見せ合う形で、
週刊漫画のように積み重ねるという、雑誌編集者的なシステムだってありだと思います。


僕は同人活動はしたことありませんが、
昔ゲーム系専門学校で、
グループ課題をやってたとき似たようなことにはまって挫折しました。


その長い反省から、こういう方法はどうだろうというのが今回の記事の提案です。
みんな事情が違うでしょうが、ひとつのたたき台となれば幸いです。


補足。有言実行について


今回は不言実行のサプライズを目指し、
仲間内でひたすらプリミティブな技術の積み重ねを楽しみ、
それがいつの間にか、ひとつの大きな物になるという方向性を示しましたが、
世の中には、燃えるような情熱でみんなを引っ張り、
最初に言ったことを本当にやりとげるチームなどもいます。


みんながそうできるかはともかく、
これも本質はギャップだと思うんですよ。


有言実行の場合、みんなが信じられないほどの
でかいことをぶち上げるのがいいと思います。


「俺は海賊王になる!!」
といって、周りに笑われるようなぐらい。


その場合、ほんとに海賊王になったときのギャップはもの凄いですから、
遙か彼方の有言というのは、一周回ってギャップのハードルがもの凄い低いんですね。
有言が信じられてないのですから。


そして世の中なんでも、やってみたらなんとかなったという例は
普通の人の人生体験でも多いと思います。
なぜなら普通は、この行動に出る前に思い悩む時間の方が長いからです。


だから

根拠がなくても、絶対やり遂げれると自分を信じ切れる人の場合、

壮大な有言実行もありだと僕は考えます。


そんなところで、みなさん良いお年を/(.^.)\


追記:現状のゲーム業界で似た話

プロペという、元ソニックチームトップの中裕司氏が新しく作った会社ですが、当初はその存在感を示すため凄いゲームを作ろうとしたそうです。
ところが、、

中裕司氏インタビュー。
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081226/naka_02.htm


 最初作っていたゲームは、僕は結構いけるなと思っていたんです。そういう意味ではかなり“チャレンジ”していたゲームなんですよね。ゲームかといわれると……2時間の映画を見終わったときに「あぁ、良かった」って映画館から帰ってくるじゃないですか、あれくらいの感覚に近いようなゲームを作ろうとしていたのですが、それが色々なビジネスの判断のなかで「やっぱり、よくないかなぁ」という話になって、中止になったんです。いつか機会があればまた作るかもしれませんが。結構動いてたんですよね。もったいない感じ。


 当時、小口さんからは「大成功するタイトルが欲しい」と言われ、プロペで一番最初に作ったタイトルは成功はしそうだったのですが、小口さん的には「大成功しなさそうなので、やめようぜ、コレ。もうちょっと大成功しそうなやつにしてね」と言われてボツになったんですよね。

そこで、着目したのがずっと小さなWiiウェア

 まぁでも、色々まだまだ、やろうと思えばできることはたくさんあるので。あとは、一般の人が「グラフィックスが凄くないとダメなんだけど」といった概念にしばられないほうが、いいゲームができると思います。どうしてもグラフィックスを良くしようと思うと、1カ所良くすると、それが50時間遊べないといけないねとなった瞬間に、じゃぁ開発費が20億円、30億円ってなっちゃうという悪循環が出てくる。ワンカットだけ凄いの作っちゃうと、引くに引けないじゃないですか。任天堂さんがグラフィックスチップの性能をあまりあげなかったのは、ある意味“凄い正解”だったなぁと思います。このゲーム業界にとって凄く良かったと思います。


 Wiiウェアっていうのも作っていただいて、宮本 茂さんと岩田聡社長が「ゲームクリエイターのチャレンジの場としていいんじゃないか」というお話をされていましたよね。で、僕ら作っていたゲームがボツになり「レッツキャッチ」の発想を出したときに、「とりあえず最初はWiiウェアでいいんじゃないの?」といって企画書を書いて進められるような体制が、凄く……気持ち的に踏み込めたっていうのは良かったと思うんですよね。


 たぶん今、新しいものを作ろうと思ってるいる人たちは、みなさんWiiウェアPS3Xbox 360のダウンロードとか、まずそういうところに向かって発想してみると、ちょうどいいかもしれないですよね。最初からパッケージで考えると、僕みたいに何10本もゲームを作ってきた人間でさえ、ちょっと戸惑うところもあるので……。でも、今回のは凄くいい発想だったので、それを見ていただいたあと「あぁ、これはもうきちっとしたゲームでいけるね、伸ばせるね」と。今回のWiiウェアの思想の“一番いい流れ”を汲んで、今の状態まで持ってこれたというのは良かったんじゃないかなと思います。

 なかなか、そういう流れがないと、「レッツタップ」や「レッツキャッチ」は世に出なかったかもしれません。世に出ない可能性は、物凄くたくさんありましたよ! 何回も山を乗り越え、乗り越え、ここまでやってきました。でも新しいゲームを作るときって、そうだと思うんです。やっちゃいけないようなことに取り組んでいかないと難しい。


最初から30億の大作ではなく、
小さなプリミティブを追求してスケールアップしていくのは
昔の容量の少ないゲームだとそれしかできなかったぐらいですが、
いつの間にか、ハードスケールに振り回されてたのかもしれません。


となりの人にも勧められる、
細部にこそこだわるってのに、神が宿るのかもしれませんね。


株式会社プロペ 公式サイト
http://prope.jp/



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