teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

HTML5でFlashが必要なくなったとき、Flasherはどうする?

仕事でFlashを使ってるのですが、
最近こういう記事が目立つようになりました\(^_^)/

OperaのCEO:「HTML 5でFlashは不要になりつつある」:マーケティング - CNET Japan
http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20393688,00.htm


 ウェブブラウザ企業Opera Softwareの最高経営責任者(CEO)であるJon von Tetzchner氏は、「HyperText Markup Language」(HTML)のバージョン5(HTML 5)が、Adobe Systemsの「Flash」技術を大部分において不要なものにするだろうと予想している。

GDD2009でFlashを考えてきた|_level0.KAYAC
http://level0.kayac.com/2009/06/gdd2009flash.php


一番影響があると思われるもの
HTML5+JS


・JSの動作速度向上。O3DでOpenGLも使える。
 いままでJSでゲーム作ってるのみても無茶したネタみたいだったのが、現実にできる。
 さすがにopenGLはいままでのコーディングから見ると敷居高いが。
・HTML上で動画の再生・停止・シークなどが可能。youtube程度の機能ならいける。
 →単純なプレーヤーなどはFlash必要ないかも。DRMはない。
・音についても再生可能。
・webアプリ的なもののための機能実装。
 →前ページの情報を使うなど、遷移系に変化。google appなどに見られる機能の強化
  よほどリッチにしないならFlash使わないほうが操作性いい?
・仕様のあいまいさが減ってブラウザ間動作が統一されてくる
 →同じ動作させたいからFlashPlayerという選択に影響?
iPhone,androidHTML5の恩恵をすぐ受けられる。Flashが動く必要少ないか?

ASCII.jp:HTML5先取り!CanvasならFlash不要で絵が描ける
http://ascii.jp/elem/000/000/418/418912/


 2010年の勧告を目指してW3CWorld Wide Web Consortium)で策定中のHTML5では、「Canvas」という新しいHTML要素(タグ)が追加される予定です。Canvas は、その名の通り絵(図形)を描くための要素で、JavaScriptを使って図形をブラウザー上に描画できます。


 すでに、FirefoxOperaSafariGoogle Chromeでは、Canvasの機能が導入されています。一方、Internet ExplorerIE)には現時点では導入されていませんが、「ExplorerCanvas」というJavaScriptライブラリを併用することで対応可能です(IE6以上が対象)。実質的には現状でも、「大半のWebブラウザーCanvasに対応している」と言ってもいいでしょう。


ExplorerCanvasは以下のアドレスからダウンロードできます。
 http://code.google.com/p/explorercanvas/

Flashというより、コードベースのFlex,Sliverlight,JavaFXあたりが HTML5上には必要なくなるかもしれない。*1


しかし、IEが対応に遅れているというのは
Silverlightを普及させるためここまで膨大な金をかけてきたので
それを今更なかったことにしたくないんじゃないのかと勘ぐってみるw


ライブラリを自分でインストールしないと動かないIEのままだと
全ブラウザ対応の技術とは言えず,なかなか普及しにくいかもしれません。
もしそうなら、AdobeにガチでしかけてきたSilverlight
間接的にFlashを助けてる構図になる?



ただ先にiPhone,Androidの携帯陣営から世界が変わるかもしれない。



Flashの有利な、アニメーションIDEツールとしての力も
2-3年で機能充分なフリーのHTML5アニメーションツールが出てきそうだ。


でもASコーダーの人は,同じECMAscriptのJSだから
1から言語を覚え直すという事でもないだろう。
Flashアニメーターの人も,ツールさえ揃えば同じ技術とセンスがHTML5で扱えるかもしれない。

Adobeの動きを予想してみる


さてこの時代にAdobeはどうするのだろうか?
PDFの企業収入が相当でかいらしく、
DreamWever、FireWorks, Photshop, Illustartor, AfterEffects他
あらかた抑えてる感じはあるが、Flashは終わる運命?


ここから今後の適当な予想。

それはAdobeによる、Autodeskの買収。

去年AutodeskはSoftimageを作ってる会社を買収した。
3Dグラフィックツールの会社だ。
Autodeskも3Dツールの会社で、その前にもMaya作ってるとこを買収。
つまり現在の世界メジャー3Dツールの,
Maya
3DS MAX
Softimage
の全てをAutodesk一社が独占してる状態。*2


ゲーム会社から、ピクサー,ハリウッドCGを担当するILMだって
Autodeskの製品を使う。

3Dグラフィックス制作ソフト企業最大手Autodeskインタビュー
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20090204/autodesk.htm


 去る2008年11月、CAD・3Dグラフィックス制作用ソフトウェアの大手企業、
米Autodeskは、カナダに本拠を置くSoftimage を買収した。
これは2005年10月にカナダのAlias Systemsを買収したことに続く
ライバル企業の買収劇であり、
これによりAutodeskは3Dグラフィックス作成用ソフトウェアの3大製品、すなわち
Autodesk「3ds Max」、
旧Alias Systems「Maya」、
旧Softimage「Softimage|XSI」という、
ライバル関係にあったソフトウェアとその関連技術を全て手中に収めたことになった。


3ds Max」、「Maya」、「Softimage|XSI」はいずれも、ゲーム業界では広く使われている3Dモデリングツールであり、現代的なゲーム開発における、コンテンツ制作の基礎となる重要なソフトウェアだ。それだけに、Softimageの買収によりほぼライバル不在となったAutodeskの動向は、ゲーム業界全体の関心事であると言える。


 そこで今回、Autodeskにてゲーム産業部門のシニアマネージャーを務める
メアリー・ベス・ハゲティ氏(Mary Beth Haggerty)の来日に合わせ、
Autodeskの日本法人であるオートデスク株式会社のオフィスを訪問し、
インタビューを行なった。


Autodeskのゲーム関連事業をリードするハゲティ氏が何を考え、
どこに向かおうとしているのか。その内容をお届けしたい。

そこで、ドロー加工ソフトのPhotShop
ベクタードローのIllustartor
動画エフェクトのAfterEffects
という3大ツールを抑えてるAdobeがAutoDeskを手に入れたら
メジャーグラフィックツールのほとんど?をAdobeが独占することになり、
仮にWebリッチクライアントであるFlashがなくなったとしても
MS,Google,Appleといった企業と違う分野で渡り合える力を持つようになる。


また、PhotShopCS4EX版は読み込んだ3Dに直接描くという機能が追加されたり


デジタルフィルター、画像編集 | Adobe Photoshop CS4 Extended: 機能
http://www.adobe.com/jp/products/photoshop/photoshopextended/features/?view=topnew


FlashCS4もネイティブ3D機能が追加され、
AfterEffectsは動画を3D分解するので、
Autodeskとの3D技術融合は、昔AdobeがMacromediaFlashをPhotoShopフィルターやIllustarorベクター技術と融合させたき以上の効果があるのではないだろうか。
*3


仮にFlashが今よりずっとGPUを活用して、
フルスクリーン60フレームすらも軽快に動き,
3D機能が格段に使いやすくなるとすれば、HTML5の機能に怯えることはないかもしれない。


突然昔のゲーム業界の話


ところでゲーム業界の大きなパラダイムシフトのひとつに、
スーパーファミコンから、プレイステーションへ3D化したことがあった。
2Dのゲームも3Dポリゴンのテクスチャーを2Dと同じように動かすという事で内部は全て3Dになった。


3Dになると表現の幅が広がるのは当然で、
2Dベースのゲームでも、半透明3Dエフェクトを使ったりできるようになる。


そしてWebでも3D技術をもっと簡単に使うためにGoogleがO3DをHTML5上で用意してきた。JavascriptLike?でブラウザから直接GPUを叩いてるようだ。

Google Japan Blog: 3D に向けたオープン Web 標準 −O3D の紹介
http://googlejapan.blogspot.com/2009/04/3d-web-o3d.html


MozillaCanvas 3Dというプロジェクトをはじめている。

Canvas:3D - MozillaWiki
https://wiki.mozilla.org/Canvas:3D


アニメーションを一元管理するなら、*4ゲームと同じようにオブジェクトを3Dで統一したほうが理にかなってるように思うので、HTML5canvasのベクター機能より、O3D又はCanvas3Dのような機能がWebの将来的なスタンダードになっていくのだろう。


Webサイトに3Dなんてリッチなグラフィックは必ずしも必要ないとかいう事じゃなくて、2Dベースでも作る中身は3Dで統一した方がサイト開発者のコスト都合がいいという理由で。

それじゃ、そのときの3Dデータは何で作るのか?


もちろんAutodeskが最有力。
2Dベースなら必要ないが、背景だけ3Dで用意したい案件とかは多いかもしれない。
今だとどれも高すぎるので、ベーシック版を出したり。。。


そこで城戸さんの昔の記事。

ADOBE CREATIVE SUITE 3 Web Edition TOUR レポート
http://www.adobe.com/jp/events/cs3_web_edition_tour/page6.html


ここで「なぜ3Dか」という疑問に答える形で城戸氏は語ります。
2Dで表現を行う場合、思いついたアイデアをすべて2次元に変換する必要があります。しかし 3Dは、頭の中にあるアイデアをそのまま表現すれば良いだけです。


「じゃあ2Dでどう表現すればいいの」という2D世界の心の制約から解放されれ、
3D による自由な発想が可能となった今こそ3Dに手を出すべきと説きます。
また、「難しそう」「無理」と諦めず、最初からまず制約のない世界、
3Dから手を出すべきと強調されていました。

つまり、HTML5以降の時代に向けて
Flashコーダーは,3Dベースのコードを。
Flashアニメーターは,3Dベースのアニメーションを
意識して取り入れていくとFlashだろうが、Canvasだろうがうまく時代の変化に対応できるんじゃないかと思ったのでした。*5

*1:DRM必要なときはいるかも,あるいはそれもいつかは?

*2:LiteWave? Shade? 聞いたことないなあ

*3:というかメモリと価格が許すなら、全部のソフトを一つに統合してくれよとも言いたくなるが,さすがにそれは使いにくいかな?

*4:そしてリアル3Dヒャッホーー!!!なアメリカンなら

*5:これから何を学ぶかの基礎技術的な話で、企画レベルだと発想やデザインセンスの方が重要なのはいうまでもありません