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「叱り方」「叱られ方」を考える

「叱る」というのは「俺はこうしたいんだ!!」というメッセージである。

「あなたのために叱る」
「お客様のために叱る」
「仲間や会社のために叱る」

と言ってるのは全部後付けの屁理屈です。
自分のためとかお客様のためとかで考えると、
理不尽な事もありますし、矛盾が多すぎます。


上司という最初のお客様のわがままを聞いて
それを実現するのが仕事

だと考えれば「叱られる」事にいちいち
へこんだり悩むのが馬鹿らしくなります。


というのが以下から考えた結論。

「叱る」とはどういうことなのか改めて考えてみました。

例えばこちら。

「怒る」と「叱る」の違いをご存知ですか?:谷誠之の 「カラスは白いかもしれない」:ITmedia オルタナティブ・ブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/tani/2008/03/post-83b9.html


辞書の上での意味はほとんど一緒なんですけどね。
広辞苑なんて、「おこる」の意味に「叱る」って書いてあるぐらいですから。

ただ、コミュニケーションとか育児とかの世界では、
「怒る」と「叱る」は別だ、と教えているものが多いですね。
で、色んな文献や資料、意見などを読みあさってみたんですが、
その中で(私なりに)もっともしっくりくる文章を見つけたので、
ご紹介します。

それは、

   「自分のために怒る。相手のために叱る。」

というものです。


「怒る」とは、(略)
自分の目的が果たせればそれでいい。
相手がそれでどうなろうが知ったこっちゃない、というわけです。


一方「叱る」とは、相手が自分を含めて誰かに悪い影響を与えたり、
自分が指示したとおりに動いてくれなかったりした場合に、
相手をより良くしようとする注意やアドバイスを、
あえて声を荒げたり語気を強めたりして相手に伝える動作です。

いや、だからなんで声荒げる必要があるんですかw


僕が注意やアドバイスをする時は、その理由を
過去のいくつかの事例から説明したり、目の前で実験したり、
いろんな仮説からの可能性をその場で考えたりなど
わりと手間暇かけると、納得してもらいやすいわけです。


それでも後輩の反論のほうが
これまでのやり方より正しかったり、
説明の中で一緒に考えてうまく昇華できたりと
むしろ学ぶことも多いんですよね。


その中で、あえて「叱る」必要性があるとすればなんだろうと。

パターン1 思考停止させるために「叱る」

Appleのワンマン恐怖政治なやり方も、
Googleの大学的ボトムアップのやり方も
どちらが正解ということはなくどっちも正解です。


ビジネスに唯一の正解がない以上、
目の前の仕事は「思考停止」させたほうが早いです。


仕事の方法論で議論するのはやっぱりコストがかかるんですよ。
僕のやり方は長期的には良くても、
今、目の前にある仕事を
さっさと終わらせないといけない時には使えません。
ましてやそれを共有したり全員に説明するのも時間かかりすぎる。
叱って部下にいちいち考えさせなければ時間短縮になります。


また、説明する相手の経験値や理解度にもよりますよね。

パターン2 相手に考えさせるために「叱る」



忙しいんだからいちから教える暇なんかないと。
とにかくそれは間違ってるからあとは自分で考えろと。


この場合、上司の
説明する時間がもったいないという時間短縮になります。


でもこれは価値観の多様化も広がってる時代に合わないですね。
自分で考えさせた場合、例えば

「業績の良い他社がこうやってますけど?」

なんて反論されたら

「うちはこういう文化だから!!」

ってキレるしかなくなりますよね?
部下に考えさせておいてそれはいくらなんでも理不尽。
なぜこのやり方で仕事してるか?の土台が崩れたまま
「無駄な作業をしてるかもしれない」なんて思わせると
みんな真面目に仕事しなくなります。

手を抜いて叱られたとしても、
手を抜くメリットだってあるわけですから、
それなら最初から「自分で考えろ」なんて言わないほうがいい。


「本質を考えろ!!」
というのも危険です。
ものごとの本質なんてどこまでも掘れるゆえ1週して
スタート地点で別に間違ってないということにもなりかねない。
上司が言う本質はそのずっと手前だったりします。


もし自分の会社が業界トップでもなければ
その会社の考えはまだ成長途中で本質には届いてないともいえるわけで
本質に届いてない者同士が一方的に考えろと言っても
話が噛み合うわけなく、本来一緒にすり合わせて考えることです。

バブルさんとゆとりちゃんがついに直接対決! 職場の人間関係を希薄にした“犯人”を捜せ 会社をダメにした世代はどっち!?〜前編〜|バブルさんとゆとりちゃん|ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/articles/-/13899


バブルさんA
この問題の難しいのは、時代が変わって、
教えなきゃいけないことも複雑化したところがあるからですよ。
経済が上向きだった頃は、
先輩と同じことをどんどんやる若者を作れば良かったけど、
今の時代は、他人と同じことをやっていてもダメで、
独創的なアイディアが重要になったりするでしょう。

そうすると、どう怒って良いのか分からないんですよね。

バブル期に叱られて育ってきた人が、
今同じように叱ってもうまくいかない例ですね。

パターン3. 緊張感を維持するためにひたすら「叱る」

緊張感を維持することでリーダーシップを発揮したいわけです。
あるいは無意識に。


緊張感が高いままだと、コミュニケーションが極端に減ります。
余計なおしゃべりはしないとか仕事に集中すること
仕事中にツイッターや、メッセンジャーで情報過多にならないよう
ディスコミュニケーションになるほど時間短縮になります。


反面、上司にいいにくい空気が作られ
小さなトラブルの情報共有もやりにくく、
細かいミスはひたすら隠されて問題が大きくなることが多々あります。

言ったら叱られるので自分の責任に無いものは
気づいても気づかぬふりになりがちですね。

パターン4. ドーパミンが出るから「叱る」

なんか「叱る」のが気持ちよくなってる
サドっけのある人いますよね。
ドーパミンが出るから叱って、叱るからドーパミンが出る。
これは論外なのですぐそこから逃げることをオススメします。


あとこの辺も子供を部下に置き換えて。

叱るとき、やってはいけない10か条 [子供のしつけ] All About
http://allabout.co.jp/gm/gc/184290/


感情的に叱るのはダメ
感情的に叱ってばかりいると、情緒不安定な子どもになる場合もあります。

子どもの言い分を聞かずに、叱るのはダメ
例えば兄弟喧嘩では、喧嘩の理由も聞かずに、上の子どもを叱ってしまう親も多いのではないでしょうか。

くどくどといつまでも叱り続けてはダメ
伝えたい内容は心に残らず、怒られているという印象だけが強く残ってしまいます。

自分の都合で叱ってはダメ
疲れているからといって、八つ当りで叱ってしまうことはありませんか? 後でお母さんが後悔するだけです。

両親が一緒になって叱るのはダメ
両親が一緒に叱ってしまうと、子どもの逃げ場がなくなってしまいます。

誰かと比べて叱ってはダメ
「○○ちゃんは上手なのに」、「お姉ちゃんはもっと早くできていたのに」と、誰かと比較してはいけません。ひがみやすい子どもになってしまいます。また、いつも同じ子どもと比較していると、その子どものことが嫌いになってしまう場合もあるので気をつけましょう。それは兄弟間でも言えることです。

昨日と今日で言うことを変えてはダメ
一貫性を持って叱らないと、子どもは親に不信感を抱きます。
人によって言うことが違うと、子どもは迷ってしまいます。

全人格を否定する言葉や子どもを突き放す言葉は、使ってはダメ
「生まれてこなければよかったのに」など全人格を否定する言葉や、「もう、知らない! 勝手にすれば」、「出て行きなさい」など、子どもを突き放す言葉は子どもの心に深い傷となって残るので、絶対に使ってはいけません。

昔のことまで引っ張り出して叱るのはダメ
子どもを叱っていると、そのことに関連した過去の過ちも思い出し、つい昔のことまで叱ってしまう親は多いようです。終わってしまったことを言っても意味が無い上に、子どもが嫌な思いをするだけです。


上司がこういう叱り方をしたらそれはもう指導から外れてるので
心のなかで中指を立て、真面目に聞くふりだけで十分です。
こんなのどれだけもっともらしくても真に受けてはいけません。



しかし、感情的になるなという点で
もう叱れないんじゃないですかね?
叱るときはどうやって叱ったらいいのでしょうか?

子どもを上手に叱る方法 [子供のしつけ] All About
http://allabout.co.jp/gm/gc/184289/


ほめるときと同様、子どもと同じ目線で、
子どもの目を見て、愛情を持って叱る

スキンシップを取りながらというのも大切です。
あなたが好きだから叱っているのよということを伝えるためです。

理由をきちんと説明して叱る
「スーパーの中を走り回るのは、お店の人が怒るからダメ」ではなく、
どうしていけないかを説明しましょう。

たとえば、「他の人にぶつかって迷惑をかけるから」、
「積んである商品にぶつかって、お店に迷惑をかけるから」、
「ショーケースにぶつかってケガをすると危ないから」など、
きちんと理由を説明することが大切です。

叱るタイミングも重要
やったあとで時間が経ち過ぎていたら、子どもはピンと来ません。
やった後すぐ叱るのが効果的です。
けれども、子どもにも自尊心があるので、
人前で叱って恥をかかせることは避けなければなりません。
ですから、そんな場合はすぐにやめさせて、
少しひと気の少ないところに移動するなどして叱るといいでしょう。

子ども自身の言葉で反省させる
子どもに「なぜ、したのか」、「なぜ、しなかったのか」を説明させ、
それがなぜいけないのか、これからどうするのかを、
子ども自身の言葉で語らせます。

また、子どもが自分なりの考えを示したときは、まずはほめてあげてください。

たとえ、その考えが間違っていたとしても、最初から否定せず、
その考えをまずは受け入れてください。
子どもが自分の考えを話しやすい雰囲気を作り、じっくり聞いてあげてください。

叱った後のフォローも重要
「お母さんが叱っているのは、あなたの行動に対してであって、
あなたの全てを叱っているのではない」ということを伝えるためにも、
叱ったことを引きずることなく、別の場面では普通に接することが大切です。

また、注意したことが改善されていたときはちゃんとほめましょう。
「今日、一緒にお買い物に行ったとき、
この前、お母さんが言ったことをちゃんと守れたね」と話すことによって、
一度叱ったことが2倍3倍の効果になって現れます。


かなり同意なのですが
ここで気になるのが、「理由を説明して叱る」です。
ここをきちんと納得させるのは子供でも難しいですよ。

子供も部下も「なぜなぜ攻撃」が強力で否定しがたいものです。
子供は「他の人や商品にぶつからないように走ってる」と言うでしょう。
子供でもその辺の善悪はわかってるけど、
危険は物理的にぶつからなければいいぐらいで
体面とか羞恥心的なものが無いわけです。

「何が正しいか」を説明するのではなく、「自分はどうして欲しいのか」をお願いする。

この場合「正しい、正しくない」の説明だと
子供の「なぜなぜ攻撃」に逃げられて根本的な説得が不可能になります。


なので理屈ではなく
「俺が本当に嫌だから走って欲しくない」
という感情からまず入って
いいつけを守ってることをスーパーのなか所々褒めたり、
他人の子供が走ってるのを見せたり、
それを大人の視線がどう捉えてるか促したり、
ひとつひとつ買い物のミッションを子供に与えて暇にさせなかったり、
スーパーを出て最後にちゃんと
「俺のわがままなお願いを守ってくれてありがとう」と
世間常識のルールで語らず、一人前の相棒のように扱う、
などが有効かと思います。

自分が正しいと思う「常識」は存在しない前提に立って初めて会話は始まる

子供には善悪のルールがなくて、
新人には常識のルールが無い。

しかし、善悪も、常識も大人や上の古い都合から決まってるだけで
見方を少し変えればどうにでも変わるものですから、
その意味では子供や新人の意見も全て正しいです。

善悪や常識を説明しても、そこに無限の回答があるので「説得」は不可能。
でも一度常識をゼロにして同じ目線から、
「自分はこうして欲しい」「あなたはどうしたいか」
であれば、「お願い」が可能になります。

まとめ

「叱る」というのは自分の正義を押し付けることです。
理解を得る叱りは、それがみんなの共通の正義ではなく
自分の独善をお願いしているという前提で話すことです。


逆に「叱られる」というのは、必ず間違った常識や矛盾がついて回ります。
だから矛盾だらけの正しさを求めたり考える必要はなく、
ただの独善を認めて欲しい、受け入れて欲しい、という人情として捉えましょう。





関連:

ジュースこぼしちゃった - teruyastarはかく語りき
http://d.hatena.ne.jp/teruyastar/20100805/1280954384


私は一瞬、そのお母さんが
「何するのよ! こんなことして!」と叫んだり、子供を叱ったり、
子どもが泣き出したり、という嫌なシーンを想像しました。

なぜ新人は聞きに来ないのか? - teruyastarはかく語りき
http://d.hatena.ne.jp/teruyastar/20091118/1258499089


「怒鳴っても人間は変わらない!」史上最悪の工場を変えたシンプルな教え : ライフハッカー[日本版]
http://www.lifehacker.jp/2012/10/121017fix_the.html

これ見て、怒るとか叱るとかなんだろうと考え始めました。