teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

島本和彦へ

好きな漫画家なんだけど、
アホなこといってるからツッコンでおく。


作り手を“やる気”にさせる著作権とは――島本和彦氏など語る (1/3) - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0801/28/news012.html


ここで、Firstカルチャーとか、JASRACとかではなく
著作権側が声を上げて、いろんな案を議論してる。


これまでの権利者団体は、消費者とかクリエーター抜きで
自分たちの存続と利益をかけた話だったのが
今回は出版やメーカーや、レーベルの目を気にして何もいえなかった
リエーター側がいろいろ提案してるのでいい傾向だ、、、と思ったら、、、


内容的には
「2次創作に使ってもいいけど、それを少しでもクリエーターに還元してほしい。
それを管理する法律と団体を作っていってはどうか?」

ってバカ野郎!!まだそんなこといってんのか!!!!

もう何年もこの問題は語りつくされ、
音楽業界についてはほぼ決着がつこうとしてるところに、
(マドンナとか、プリンスとか、ラディオヘッドとか)
いったい何を見てたんだ、、、、


とにかくそれらの案が非現実かつ、
根本的に発想が間違ってることを指摘する。


勘違い1「ニコニコやYouTubeがあるから儲けが出ない」

まず、ネットが出てくるずっと前から
もしかしたら手塚治虫が激安でアニメ作るの成功させるころから、
漫画家も、アニメーターも、貧しい生活を余儀なくされてる。


過去から聞く話だけでも大多数が働く人の最底辺をさまよってるようで
YouTubeやニコニコに動画が流れたから無理とかいうレベルではない。
そもそも成り立つはずのない労働環境が成り立ってるぐらいなので
どう考えてもそれ以上下がりようがないのだ。
(だってコンビニでバイトしたほうが数倍給料高いとかいうレベルだから)


勘違い2「JASRACは巨悪」


「だからそれを少しでも人間らしい暮らしにするため
還元してくれと言ってるんだろう!」


というのは、
2次創作から還元してもらおうという話がどだい無理。


JASRACみたいな2次著作権管理団体を作り
そこを通じて2次創作における
利益の一部を還元してもらおうという話だが


今から新しい団体を作るというのは
JASRACだと著作者を守らないくせに、
おいしい蜜を吸われてばかりで
ほとんど還元されない」から
そんなことをしない、2次著作用の新しい団体が必要だ。
ということが前提にある。


が、しかしJASRACというのは
みんなが思ってる通り役立たずだが、
みんなが思ってるほど悪い奴らではない。と思う。


こっちは勝手な予測だが、
JASRACでおいしい思いしてるのは天下りしてる重役幹部のみ。
下の従業員は真面目に働いてると思う。
で、重役が数千万か、数億かちょろまかしたところで
日本のコンテンツ全部に還元する額からいうと
そんなたいしたことないと思う。


じゃあ、何でクリエーターへの還元率が低いのかというと
単純に「JASRACの運営自体に金がかかる」じゃないだろうか。
まず世界一の人件費がかかる日本人が運営してること。
世界一の人件費でたくさんの権利登録、審査、管理、摘発、
もろもろの事やってて、金がかかってるんじゃないかと。
どうせトヨタみたいな効率化はしてないんだろうし。


つまりそうやって前提を覆すと、
同じように人件費使って、新しい団体を立ち上げたところで
結局管理、審査、摘発、登録、調査とか全部やっていくと
利益どころか赤字になりかねない。
しかも、対象は市場の商品でなく2次創作、、、、
アフィリエイト並の小銭でそもそも団体がなりたつだろうか?


勘違い3「どこまでが2次創作か?」


これは島本氏も会場で悩んでたが、
(というか無理ということに気づけ!)
複数のパーツを切り貼りした場合や、
コピーのコピー、
もはやオリジナルがなんなのかわからない2次創作や
パロディに、オマージュとか言った場合
何をどうものさしにするかがわからない。


これを厳密に調査するとかしたら
さらに人件費はかさむ。


しかもこんなもの厳密に定義されたら2次創作でなくても
普通に市場の99%の商品はアウトだ。
そのネタ、その髪型、その構図、その服、その台詞は、
僕が何年か前に使った奴ですとか、
とんでもない数のサブマリンがくるぞw


勘違い4「オリジナルで勝負しろ!」

違う!!
世の中のクリエイトは全て何らかのコピーなんだ!!!!


「だからガイナックスにしかなれないのだ!」
いいじゃないかガイナックスwww
ある意味そこが、大きな利益を出すガイナックス島本和彦の違いなのだ!


ガイナックス(というか庵野秀明?)は
自分たちの作るものが何らかのコピーということを自覚している。
だからこそ、オリジナルというてらいに捉われず
「面白いもの」に力を集中できるのだ。
面白ければコピーでもいい。
オリジナルかどうかにこだわってて小さくまとまるより、
コピーでも面白さを果てしなく追及して
エヴァにまで昇華したんじゃないのか!?
エヴァがコピーの集大成としても、
見てる側にはもはやそんなのどうでもいいぐらい面白いのだから。


何でもマネから入ったっていいじゃないか。
スティーブジョブスも、
ビルゲイツも、
宮本茂も、
手塚治虫だって、みんなパクリの天才なのだから。


まあ「吼えろペン!」を見る限り、
コピーを自覚してないとは思えないが、
それはそれ、これはこれなのか?


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新吼えろペン 8 (8) (サンデーGXコミックス)島本 和彦

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とりあえずお前らみんな、ジョンに引っぱたかれろ!

ということで、
上記の議論はてんでダメという突っ込み。


そもそも、自分の作品にかまってくれる2次創作者から金を取ろうという
あさましい考えがいい方向に転ぶわけが無い!


ぱくられたくなかったら、墓まで自分の頭の中にだけしまっとけ!!
紙に描いたり、デジタルに出力した時点でそれはもう
リエーターのものじゃない!!


逆なんだよ!
自分の頭から離れた時点で、絵も言葉も命をもつのだ!!!
生まれた命に金が欲しいとか制限をかけるな!!
どこまでもはばたかせるんだ!!!!
それはいろんな人を介して形はかわりどこまでも波及し、
世界を豊かにする!!
世界が豊かになったら、自動的に自分も豊かになるんだよ!!



先の音楽業界では、プリンスはCDの無料配布に踏み切った。
CDはプロモーション費用。
新聞につけて配布するので、費用は新聞社もち。
もちろん新聞社も契約数上がって大もうけ。
ネットで配信もOK。
こうなると圧倒的にプリンスの曲が広がるから、
コンサートやそこで売るグッズが大盛況となる。
中間レーベルがないから、CD売るより利益も上がる。
そのほうがリスナーもアーティストも幸せになったという話だ。


関連:
レコード会社はこれからどう変わっていくか? - あるSEとゲーマーの四方山話
http://finalf12.blog82.fc2.com/blog-entry-156.html


「Imagine」

想像してご覧 個人の持ち物は無いって
そうするのは難しいかも知れない
貪欲になったり貧困になったりする必要は無いんだよ
人類はみんな兄弟なのだから
想像してご覧 世界を共有している人たちを


僕が夢を見ていると、君は言うだろう
でも今でも僕だけじゃないんだよ
いつか君たちも、私たちと一緒になって
そして世界はひとつになって生きていくだろう


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あとがき

ただまあ、批判だけだとどうしていいかわからないのも事実。
音楽の場合、生のライブという絶対的な武器があるので
無料配布も成り立つのだけど、
漫画やアニメはそもそもが紙とかデジタルなのでこれを無料にすると
どこでプレミア料金手に入れたらいいのかわからない。


みんなも一緒に考えて欲しい。
2次創作から還元するとかじゃなしにw



手っとりばやいのは、
ガイナックスぐらい要領よくいいもの作ることなんだがw


ジャンプやマガジンに連載して、
コミック収入というのは王道だけどプロ野球選手並に狭き門だね。
ただ、連載時にはたいした原稿料じゃなく
コミックで儲かるという話なので、
たくさん売れてる週刊誌が少ないというほうが問題なんじゃないかと思う。
(今は携帯電話にヒマ潰しの時間を全部もっていかれてるしね)


もしそこがボトルネックなら、
Webコミック、または携帯コミックとして無料連載して、
そこからより高画質な「紙のコミック」という
携帯より見やすいメディアを販売するとかどうだろう?
どうせ現状10人しか儲かってないんでしょ?
ならば、8万部しか売れてない雑誌に載せるよりも
1億台突破した携帯電話に無料連載したほうが、
コミックを購入する顧客は圧倒的に増えると思う。
何が問題って、1億2千万のうちたった8万人(+廻し読みしてる人)しか
その人の漫画を知らないってのが一番の問題でしょ。
漫画の知名度が上がるほど、グッズ的な商売の話も出てくるしね。



アニメも「映画」となると、「興行収入」が入るので
ライブに近いものがあると思うんだ。
映画館の大画面と、たくさんの観客との感情共有は
家では絶対体験できないものだからね。
映画が諸外国と同じく800円ぐらいとはいわないでも
基本1000円ぐらいになればもっと気軽にいけるんでないかな。



後は、深夜枠とかに流れるとんでもないニッチなアニメ。
あれはどうやって成り立ってるのか凄い不思議なんだがw
DVDだけでなんとかなるのかなあ??
ハルヒぐらいのヒットならわかるけど、
その他はいったいどうしてんのやら、、、、


TVアニメにおける「プレミアム体験」ってなんだろうね?
漫画はまだ紙というアナログ的な体験があるから
上記のような策も思いつくが、、
アニメは完全に最初から最後までデジタルだもんなあ。
声優と握手?
フィギュアやポスター?
DVD販売はジリ貧な気がするんだよなあ。。。


そういえば、昔ルパンの留守番話メッセージとかなかったっけ?
今も携帯で似たようなサービスはたぶんあると思うけどさ、
あれを、プレミアムとしてアニメ業界全部でやったら?
「お気に入りのキャラクターで、着ボイス、着メッセージ」
「お気に入りのキャラクターで、PCシステムボイス」
会員だと、お気に入りのキャラクターが名前を読んで誕生日を祝ってくれるとか
たくさんのアニメにプレミアム入ってるバカは、
誕生日2次元ハーレムになるとかw
ときめきメモリアルじゃないけど、
何かとリアルなイベント日ごとにお気に入りキャラが挨拶しにくるとか、
もちろん名前部分は全部クリンプトン社製の合成ボイスでw
これなら声優への負担にもならないし、
プレミアム会員が相手ゆえお金も取れる。
会員数の多いキャラからは、グッズ展開もありえる。
もちろんプレミアム会員を獲得するには
そのアニメを知ってる絶対母数を拡大する必要があるので
やはり無料配布が基本。
一応、より高画質なブルーレイディスク版とかもプレミアムで販売したらいい。



たぶんすでに似たようなサービスあると思うけど、
ニコニコやYouTube放流前提で、絶対母数を広げた上で
全アニメ一元管理で、名前も読んでくれるとなると違ってくると思うんだ。
わざわざお気に入り声優のボーカロイドを買って、
自分で台詞を調整して、さらにアニメーションをつけるとかまではしないからね。
そのイベント自体が放流されても、
名前が違うとプレミアムな体験にはなりにくいし
あだ名とかもよばせたらいいしw


ときめきメモリアルを、
リアルの時間に合わせてお気に入りのキャラで
イベントサービス+グッズ売りつけしていく感じかな?



まあ、、、物凄くオタクを甘く見てるのは分かる、、
凄い穴だらけの案だとは思うが、
絶対どこかにうまい落としどころはあると思うから
著作権戦争を考えるより、そっち考えたほうがいいんでないかって話ね。



追記:
メイン視聴者にとって、TVアニメはもともとフリーライドできるものである。 - HINAGIKU 『らめぇ』
http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20080130/1201711942


ほぼ同日に、同じような話で盛り上がってるw
下のコメントで僕が書いたこと同じってのもなんぞのシンクロニシティか?w