teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

連帯保証人制度は世界の恥なのか?

Togetter - 「茂木健一郎氏による連続ツイート「連帯保証人制度は世界の恥である」」
http://togetter.com/li/94785


@kenichiromogi
オレが日本の法律関係者に訴えたいことは、
民法の「連帯保証」に関する条項の一日も早い削除。
銃よりも多くの人の命を奪い、
鎖よりも多くの人の自由をうばっている。
こんな前近代的な制度を放置しているのは、国際的な恥である。


いや、うちの団塊世代の親も連帯保証人で追い込まれて疲弊しきって、
破線宣告にいたり、僕も助けに入ったのですが。。
これ、制度が悪いの?
逃げたやつのほうが悪くない?


借金返せなくなって自己破産しても、アルバイトだろうがなんだろうが
月1万でも2万でも、詫びて連帯保証人してくれた人に返すとかさ、
お金じゃなくても生きてる限りお互い一緒に協力して、
知恵や時間を共有するとかしたらいいのに、
なんで勝手に逃げるのよ。
自殺する人もいるなら自殺へ逃げるのも含めて。



感情的なことはおいといて、
これ日本独自の制度と言うけど、
ノーベル平和賞マイクロクレジットってあるよね。
あれは、女性用の連帯保証人制度では?

vol.1 祝ノーベル平和賞♪ 貧困脱出の手がかりを提供するグラミン銀行 - マイクロクレジットという試み | カフェグローブ
http://www.cafeglobe.com/news/gramin/


マイクロクレジット - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%83%88


例えば、この連帯保証人制度を国家として廃止して
銀行がもっと有能な人を高給で雇い、
信用調査に多額のコストを掛けて、
その分のコストは融資金利に全部上乗せするのが正しい。
とするのがいいのだろうか?


でもそれだと、
「担保がなければ、個人の信用だけでは金も借りれないのか!」
みたいな、ますます

「持つものは更に得て、持たざるものは一層奪われる。」

が強化される気がするんだけど。

@kenichiromogi
先日、銀行主催の講演会で、「連帯保証人制度は世界の恥である」と言ったら、
銀行の人たちは苦笑いしていたけど、会場の企業経営者は真剣に肯いていた。


もし、マイクロクレジットの連帯保証はOKで、
日本の連帯保証がだめだとしたら、それはどの部分だろう?


「母親である女性に、複数保証人、少額融資」というところか?
グラミン銀行へ毎月訪れるチェックの他に、
たぶん保証人同士での協力とかもありそうだし、
子供抱えて地域社会から逃げる場所もない、、
と、確かに日本とは状況が違う。
少額融資なので万一失敗したときのダメージの小ささもあるだろう。


逆に日本で問題とするのは、
まず自殺するなよと思うのだけど、
「40超えて、事業失敗して多額の借金背負ってマイナスから再スタート。」
「金も若さもマイナスのところから、これからの若いヤツや、
金持ってるジジイ達相手にもはややっていけるはずがない。」
というところで諦めるのだろうか?


仲間だった従業員、取引先、家族、銀行、
これまで自分が築き上げた関係、

自分が自分であるための関係、そのすべての人に攻めらるような、

申し訳ない気持ちになったらもうダメなんだろうな。
責任感が強い人にお金は貸すのだけど、
その責任感が強い人ほど、強く申し訳なく思ってしまう。


ではどうするか?

破産後のセーフティ確保


連帯保証人含めてなんだけど、
担保もってかれてそれでなお足りなくても、
通勤可能な範囲の公営住宅へ優先転居とか、
残った借金の支払いは給与の15%以内、
そのときの金利は0.1%以下(定年まで働いて払えない分は取らない)。


事業者が失敗したのであれば、
その経験と、人脈を活かせる関係企業への出向として、
再出発の確保をお金借りる前にしておくのと、通期で更新。


というだけじゃ穴があるだろうけど、
借りた人が再出発できる仕組みと、

連帯保証人の生活まで潰れない程度にセーフティされるよう

借りる前に保証されてるといい。

「失敗の経験」へ融資


いつだったか「がっちりマンデー」でモバゲーの社長が、
「怪盗ロワイヤル」作った人は、

前作で大失敗したけど

「その経験が次に活きる」と判断して次も任せたと。
それでほんとにモバゲーを支えるような
大ヒット作を作ったという話を言ってた。


でも日本ではなかなか「大きな失敗」を経験することは難しい。
失敗は多大なコストがかかるので、
判断は現場に任せず、
財布を握る上司が行うのがリスク低いし責任も取れる。


ただ、上の判断だけを仰ぐだけでは現場に責任感は育たず、
失敗してもそれは上司の判断なので、現場は成長しにくい。
その判断する上司が現場にすらいない場合、
失敗の原因がなんなのかも分からないし伝わらない。


そのかわり、リスクをできるだけ避け、
失敗による従業員の成長にコストを払う余裕なんかとてもない企業が
なんとかやっていける。


となると、リスクを払える余裕のある企業にいる人か、
社長とか事業者みたいなトップしか「大きな失敗」を経験出来ない。
それを経験して初めて、「身につく」ものがあるはず。
次に再チャレンジするときは「前と同じやり方」は絶対避けるしね。


もし、事業に失敗したとして、「若さ」も「金」も失ったとしても

「失敗した経験」は大きな資産じゃないだろうか?

事業に失敗した人」向けの、
「再チャレンジ少額継続融資」というものがあってもいいんじゃないか?
(探せばありそうだけど)


「若さ」や「金担保」だけの人よりは融資のヒット確率あがると思う。
もちろん「なぜ失敗したか? それをどう改善するか?」という、
プレゼンあってのことだけど、
元失敗事業者なら普通に融資受けるより説得力高いだろう。


グラミン銀行じゃないけど

ちゃんと融資側のヒット率を上げてなおかつ、不幸な自殺者や、連帯保証人を増やさないという方向で

日本のシステムも考えることは出来ないだろうか。


連帯保証人にもメリットを


たぶん、連帯保証人でひどい目にあったというのは
バブル期の団塊世代が多いのじゃないか?
これだけ「連帯保証人にはなるな!」と連呼されてて
今、連帯保証人になる人がまだたくさんいるのだろうか?


もちろん僕も勧めはしないけど、
それじゃ余計にっちもさっちも行かないというなら
上記セーフティを煮詰めた上で、
連帯保証人にメリットを付けてはどうか?


例えば借りた人が事業に成功したときは、
利益の3%を、連帯保証人が得られるとか、
株のストックオプションみたいな感じ。
連帯保証人の担保をかけるなら、
そういう見返りがあってもいいと思う。


また、連帯保証人としてもさっさと成功してほしいから
監査役としてアドバイスや協力できることがあればなおいい。
あくまで協力できる事で、判断は事業者がやるというルールで。
船頭多くしてなんとかにならんように。




事業じゃなくて、家を買うための連帯保証人とかもあるのかな?
そういう金を産まない借り方は、
毎月利息を連帯保証人にも支払われるとかはどうだろうか?


こういうのはそれぞれの職業や得意な趣味とか、
借りる人と、連帯保証人は組むことによって人脈などの関係性でも
提供できるものが千差万別なんだろうけど、
なにかしらお互いの弱みを補うような

強い「相互扶助」の関係となるべきだと思う。


いまの連帯保証人側は、
債権者がただもたれかかってるだけのような気がするので。


まとめ


以上。
「連帯保証制度が恥ではない」が、
「債権者が最後まで追い詰められない仕組み」
「連帯保証人がこれまで通り通常勤務できる仕組み」
「債権者が再出発できる仕組み」
「連帯保証人にもメリットを」


ということを煮詰めていけば、
もう少しは不幸が減るのではと思いました。



以下は関連で
「少額の相互扶助制度」なら、
沖縄にもあるんですよ。
これは参考になるかな?


沖縄の模合(モアイ)制度

模合 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%A1%E5%90%88


模合(もあい)とは、沖縄県鹿児島県奄美群島において、
複数の個人や法人がグループを組織して一定額の金銭を払い込み、
定期的に1人ずつ順番に金銭の給付を受け取る金融の一形態である。
本土における頼母子講・無尽講に相当する相互扶助システムである。


例えば仲の良い12人で模合をする場合、
月1万を支払って、誰か独りその月困ってる人に
12万(差し引き11万)を得る。
1年で1順回したりするとか
24人でやって、毎月2人もらってもいい。
もちろん7ヶ月で1順しても、14ヶ月で1順してもいい。


これはバラバラになった昔仲間や親戚が、
毎月一同に顔を合わせる機会を作る。
という意味でも行われてる。
だからたいてい飲み会とか食事会の開催でやるんだよね。


沖縄でこれが成り立つのは、島国だからというのが大きいかと。
親戚づきあいが多く、狭い島国では
みんななんらかの仕事や法事で関わり合ってるし
毎月だから沖縄で暮らしてるひとだけでやるわけで、
そう簡単にどこかへ逃げるわけにもいかないw
そこまで大きなお金というわけでもないしね。


Wikiでは企業でもやるとあるけど、
これは少額だから成り立つシステムで
でかい金になるとほんとに金持って逃げる奴が増えると思う。

しかし、中には「相互扶助」の目的から大きくかけ離れた
利殖目的の模合や模合の責任者が
金だけ集めて雲隠れする詐欺的模合が現れたり、
模合が破綻して企業倒産や破産者が続出するなど、
現在に至るまで沖縄県では大きな社会問題となっている。


僕の周りでは企業で模合やってるとかは聞かないけど、
バブル崩壊の時の話かな?
金勘定知らないだけか?


ま、仲間同士でもほんとに縁を切って
内地へ逃げる奴とかいるらしくて、
そういうのはもうしょうがねえなあと思う。
そんなお金より関係性に助けてもらうほうが価値有るんだけどね。


もともと、銀行に頼れない庶民の相互扶助システムだったらしいけど、
沖縄以外でもこれはできるんじゃなかろうか。

当時の模合は、貨幣ではなく農産物などの食料品などが模合の対象であった。
変り種としては「労働力の提供」というのもあった。
明治時代になり、各地に銀行が設立されるようになるが、
一般庶民には遠い存在であったため、
庶民向けの金融制度としての地位を確立した。


1万円じゃなく5千円でもいいから、
月1でめったに合わない仲間や親戚に食事会を声かけて

「今困ってることないか?」
「そこに誰か何か提供できるか?」

という模合の場を設けてもよさそう。
こういうのは、世代や業種を超えて付き合う人とのほうが
より、お互いの強みを活かせると思います。




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