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「基礎が大事」という本当の意味を理解しているか?

自分への問いかけ。
と解答。

「基礎は無意識に落としこむほど反復してこそ、本当の土台となる。」
「基礎は常に更新、あるいは再構築されるものである。」

以下本文。



高校生を応援するNHKの番組「テストの花道」みて
早稲田先進理工学部で、
その他いろんな薬学部にも合格もらった人の
勉強法が面白かったです。

問題集への取り組み方


学校で配られた問題集で、
「例題」→「練習問題」→「演習問題」
と普通は順番に理解し解いていくところ、

「例題」のみひたすら繰り返す!
「練習問題」「演習問題」には手をつけない。


え?
それだけ?
というか、例題だけ覚えても練習やら応用やら、
やらないとダメなんじゃないの?
と、思ったんですが、
どうも受験対策に買った物も「基礎英文法」と「単語帳」だけで、
後は授業の復習や、学校のプリント、問題集のみ。
結局応用問題には最期まで手を付けなかったそうです。
(そんなんで薬学部とか受かるの?w)


本人曰く、
「試験に出る難しい応用問題はわずかで、基礎問題が多いから。」

「例題だけは誰にも負けないぐらいやった。」

とか。


それも、

「問題を見たら例題通りの解法がすぐ出せるぐらい」

徹底して覚えるため、
何度も同じ例題を繰り返し解いてたそうです。



「基礎が大事」というのは、
テストの花道のたくさんの先輩に限らず、
どこでも口酸っぱく言われてることだと思いますが、
応用を切り捨ててまで基礎に集中する例は
極端でわかりやすいと思って取り上げてみました。


実は「基礎ができた」レベルでは全然足りない


「基礎問題が解けた」
「基礎問題を理解した」
というのを「基礎ができた」と仮に定義します。


ここで基礎問題を徹底的にこなしたAさんと
基礎はできるからと、一度解いただけのBさんと
基礎問題をテストをしたとして、
Aさんが20分で100点とっても、
Bさんが40分で100点とっても、
結果だけ見たら両者とも基礎はクリアしてます。


でもこれが制限時間30分で、
基礎と応用問題だとしたらどうでしょう?


Aさんは20分で基礎を終わらせ、
まだ10分応用を考える時間がありますが
Bさんは基礎問すら終わらないままにテスト終了です。



つまり、「基礎が大事」とは
「基礎が解けた」
「基礎を理解した」ではなく

「基礎を解法まで暗記した」
「型を体で覚えた」

という、

「基礎作業の意識コストを限りなくゼロに近づける」
「無意識で出てくる」

レベルの話なわけです。
もちろん、学問だけでなくスポーツでも、アートでも。


基礎をいかに無意識に落としこむか?


人間の集中能力を100として、
作業全体の基礎部分、
作業全体の重要部分、
に割り振ります。


基礎部分に集中力50取られる人と、

基礎[50]+重要[50]


ほぼ無意識で集中力が5しか取られない人では、

基礎[ 5]+重要[95]


人間として同じ100の集中能力なのに、
出力結果で圧倒的に差がつきますし、
無意識でやってる人はそのスピード感が楽しいという
好循環すら生み出すかもしれません。


ただ実際は、これがひとつの作業、ひとつの仕事であって
ぱっと見てこんな明確に測れるものではないです。
どこに大半の意識コストを使ってるか、
自分でも分かってないことが多い。
だからこそ、意識して基礎を振り返り疑う必要がある。



無意識に落としこむためには、

単調な繰り返しや、反復練習

が必要となるでしょう。



小学校で「九九」を反復練習したと思いますが、
もし、「九九」という基礎を無意識で答えられなかったら
どんな理数試験も時間内に終わらないと思います。


「九九」ができたなら、
無意識に落としこむ作業そのものはできるわけです。
言葉は悪いかもしれませんが、「型を丸暗記して詰め込む」。
覚えるのは大変かもしれませんが、
決して才能で「九九」ができたりできなかったりするわけじゃありません。


また、そういう「型」を無意識に覚えるには、
毎回変化のある違う問題をするより、

同じ問題を繰り返すほうがより効果的です。

型を覚える


ゲームがうまい天才とかいますよね。
でもあれも、敵の膨大な動きパターンを丸暗記して覚えたり、
めくられる反応を昇竜拳で落とす動きとして、
体で覚えたりしてるわけです。



ポケモンの生みの親、田尻智さんがゼビウスや、マッピー
カウンターストップさせるとか、

INTERVIEW | パックマン ウェブ PAC-MAN WEB
http://pacman.com/ja/interview/003/vol1.html#come12


田尻
はははは。だからパックマンも鍵が並ぶくらいまではとりあえずやって、
それでこのゲームはある程度到達したと。


ナムコのゲームは当時のプレイヤーを夢中にさせる要素が
いっぱいあったんですよね。
だからゼビウスなんかも1000万点までやりましたし、
まあ、6時間くらいかかりましたけど(笑)


マッピーもやったんですけど、
これはゼビウスより点数の伸びが悪いので12時間かかりましたね。


なるべく昼頃までにははじめて、それで閉店までやって1000万点いくと。
そこまでやりこむとトイレに行ったりできるのは、
ボーナスステージの時しかないんですよ。
ボーナスステージが始まると同時にトイレに走るという

(一同笑)


プログラマーやねうらおさんの話も参考になります。

僕はドルアーガで頭がおかしくなった - やねうらおよっちゃんイカ侵略!イカ娘の夢を見るでゲソ!
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20090108#p1



ドルアーガの塔」は、「ゼビウス」を作った遠藤雅伸氏の作ったゲームで、
60階のダンジョンから構成されるゲームである。
それぞれのフロアには宝箱が出現するのだが、
その宝箱の出現にはフロアごとに条件が定められており、
その条件を満たさないと宝箱は出現しない。
(略)


私にとってその60という数字は1分間の秒数でもあった。
だから、学校で教室の黒板の左につり下げられている丸い時計を見ながら
秒針が1秒1秒を刻むごとにそのフロアの宝物の出現条件を心の中で復唱した。
「緑スライム3匹倒す。黒スライム2匹倒す。ブルーナイトどちらか倒す。…」
それは私にとってのドルアーガ遊びだった。


興味のない授業の時間はずっとその遊びをしていた。
時計の秒針さえあれば、私は何時間でもドルアーガ遊びが出来たのである。

僕はグラディウスで頭がさらにおかしくなった - やねうらおよっちゃんイカ侵略!イカ娘の夢を見るでゲソ!
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20100122


当時の我々にとってのシューティングとは、もっぱらザブ抜けのことであり、
弾を撃つのではなく敵の出現パターンをすべて覚え、
そして自分なりのパターンを作り敵を交わすゲームのことを意味していたのだ。

何故私は計算が小学校で一番速かったのか? - やねうらおよっちゃんイカ侵略!イカ娘の夢を見るでゲソ!
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20090506#p1


小学校のころ、私は四則演算が学校で一番速く出来た。
そんな私だが、実は九九はほとんど覚えていなかった。
掛け算や割り算を速く行なうのに必要なのは九九じゃないことを
私は知っていたからだ。

FF(16進数の掛け算)を覚えよう - やねうらおよっちゃんイカ侵略!イカ娘の夢を見るでゲソ!
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20090106


最近、あるプログラマと話していて気づいたのだけど、
彼は16進数の2桁と1桁との掛け算(FDh×5とか)が出来ない。
やり方自体を知らないのだ。彼はWindowsの電卓を立ち上げて計算していた。


そのときは「プログラマでなくともこんなこと知ってて当然だろ!」と思ったのだけど、
その後、10人ぐらいのプログラマに出来るかどうか聞いてみたが誰も出来ない。


結局、「普通は出来ない」のだと私は理解した。
しかし16進数の掛け算はそんなに難しくない。
私が子供のころには、まわりにFF(1×1=1に始まって、F×F=E1まで)を
丸暗記している人がいっぱいいた。
情報教育の一環として中学か高校で教えても計算の仕方ぐらい
教えればいいのになぁと思っている。

プロのプログラマになるための必読書「Clean Coder」 | Act as Professional - hiroki.jp by HIROCASTER
http://hiroki.jp/2012/03/04/2991/


個人的にはRubyKaigiで、ペアプロした外人が、
これはToys Programmingというんだ。
小さなプログラムを何回も書いて遊ぶんだよ。
っていってたのを思い出した。


ボブおじさんはコーディング道場(Coding Dojo)という名前で
ボウリングゲームのTDDを何回も、何年も実演しているらしい。
これで、プログラミングがめちゃくちゃ上達したらしい。


空手でいうところの型らしい。
ウォームアップというか、基本というか。そんな感じ。

7人家族の主婦で1日3時間しか使えなかった私が知識ゼロから難関資格に合格した方法(原 尚美)のまとめ 〜 本の要点まとめサイト【ブクペ】 〜
http://bukupe.com/summary/3917


まずは「過去問題集」と「答え」を丸暗記する
 ・知識のインプットよりも「本番でのアウトプット」をまず考える
 ・最初に本番の試験にどんな問題が出て、どんな答えを書けばいいのかを知る
 ・それから知識をつけたほうが楽に合格できる

無意識でこなせる基礎だけがその人の土台となる


基礎が無意識でこなせるようになってなければ、
授業ではどんどんついていけなくなり、
仕事でも遅れを取り、
同じ人間が同じように取り組んでるのに、
どんどん差が開いていく事になります。


また、どう応用して頑張っても伸び悩むスランプな人は、
基礎レベルの土台がもうそれ以上支えきれなくなってます。
「基礎は出来てる」といったって
5階建てのアパートと、都庁とでは
土台の基礎レベルが全然違うみたいなもんです。


イチローが毎年バッティングフォームを変えるように、
「基礎はマスターしたら終わり」ではなく、

「常に更新されていくのが基礎」です。

どう無意識に落としてもゼロコストにはなりませんが、
限りなくゼロに近づけていかないと、
本来の集中能力を100%にもっていけなくなります。
(とはいえそこまで極限を争う人は一部でしょうが)

自分が身につけた「基礎」をさらに磨く。身につけた「基礎」すら疑ってかかる。

これも、「基礎が大事」の意味に含まれます。


でも、普通は苦労して身につけた「基礎」を疑うことなんてできません。
学生のほとんどは「基礎が大事」の重要性を知りません。
だからこそ、スポーツ選手なんかは特に
最初に変なクセをつけないよう、「基礎」を大事にするのです。

ゴルフスイング基本の大事さ パート2 | シンガポールでゴルフレッスンをしている日本人プロゴルファーブログ
http://www.luckystone.org/2009/01/21/%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%A4%A7%E4%BA%8B%E3%81%95-%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%EF%BC%92/


まだスイングの核心を理解していないので無理もありませんが。
逆にゴルフ歴の浅い子は、当然何もわかりませんので、
私の話を素直に聞いてやってみようとします。


私の話を聞いてくれる子供達には、基本だけは随時確認してあげて、
後は何も教えずに放っておきます。(グループA)


基本の事をあまり聞いてくれない子には教えない…ではなく、
どうしたいのかを聞き、修正してあげます。(グループB)

グループAは基本を大事にする方法。
グループBは問題を消していく方法


内容が全然違います


そして進歩具合を見ていくとある時面白いことが起きました。


練習時間は同じなのに、今まで上手く打てなかったゴルフ歴の浅い子が、
ゴルフ歴の長い子よりも上手に打つようになったのです。

逆に言えば、

「反復練習はつまらない」
「同じ問題ばかりでは刺激が足りない」
「つーか基礎はもうできるし、早く成果を出したい」

という当たり前の欲求が本当の問題となります。
これを考えてみましょう。


基礎(基本動作)が無意識に落とし込まれてないと、圧倒的に差がつく


長々といろんな例を交えて書いたのは、
この基礎を繰り返す大切さを意識して欲しかったからです。

反復練習には目に見える成果を


「基礎がクリアできた」はまだ途中経過なので、
タイムアタックする」なり、
「やった量のグラフや紙を積み上げる」なり、
自分が「これだけやってきた」という
目に見えてわかるような工夫をします。


テストの花道でも、
高校3年のE判定から受験勉強はじめたという例はありますので、
誰かと比べるのではなく、
あくまで昔の自分基準で成果を測りましょう。


また、テストや大会でちょっといい結果が出たからといっても
「基礎が大事」の意味をほんとに分かってたら
以後の基礎練習をおざなりにすることはないので
地味な基礎練習だけでなく、
結果にチャレンジすることはありだと思います。

具体的な方法はあえて自分で考える


伝統文化や上下関係がはっきりしてるスポーツでなければ、
先輩や先生からのアドバイスをそのままやるだけでは
「受身」の姿勢になってしまい、
特に学生の「やる気」としてはマイナスな気がします。
いわゆる「やらされてる感」で、本質の考えへ至りにくい。


であれば、基礎は守った上で
どう反復練習して無意識に落としこむかの部分は、
自分自身で考えながら工夫し続けるほうがいいと思います。
「自分で工夫した練習方法」のほうが、
モチベーションも違ってきますしね。



これは教育者側にもできれば
そう誘導してほしい事でもあります。
守るべき基礎は外さないで、
練習する工夫の答えは持ってても
なるべく本人からそれを引き出すようにしたいものです。
(そう悠長な時間がないとかもあるんですけどね。)

基礎の基礎を考える


いくら反復練習と言っても、目的意識が希薄では
現状維持がせいぜいで基礎の質が上がりません。


この基礎のさらに基礎となる部分は何か?
この基礎からつながるどれだけたくさんの連鎖があるか?
反復練習の意味を常に考えながらやらねば、
せっかくの時間が勿体無いです。


そう難しく考えこまなくても、
いきなり答えを出さなくてもいいので、
半年、1年、数年後に「ここにつながってたのか!」という
新しい見方ができるぐらいに、頭にとどめておきたいものです。




天才・桜木花道は虚栄心からの派手な「スラムダンク」の練習ではなく、
地味な「庶民シュート」の練習に明け暮れました。
自分の基本となる「庶民シュート」がなんなのか、

これだけは誰にも負けない「基礎」を見つけ、磨きあげることは、
大きな成長につながります。



「基礎が大事」まとめ

基礎は無意識に落としこむほど反復してこそ、本当の土台となる。
基礎は常に更新、あるいは再構築されるものである。
基礎反復練習は目に見える形に。
自分のこれだけは誰にも負けない「基礎」はなんなのか。
基礎の基礎を考える。

「基礎が大事」
これほど本質的かつ軽く扱われる言葉もなかなか、、
いや、本質的なものほど当たり前すぎて
軽く扱われるのかもしれません。



、、、と、自戒をこめたエントリーでした。



はてブコメントより。


id:wander1985
「練習の種類」は基本的に2つしかない。

「意識してもできないことを、意識することでできるようにすること」
「意識すればできることを、無意識にできるようにすること」

…というのが師の言葉。


id:takigawa401

「守・破・離」の「守」




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第50回 練習の効果 | WIRED VISION
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