One Directionはアーティストではなく「ボーイ・バンド」という完全アイドル枠だけど歌が下手ではなかったし
Little Mixも「ガールズ・グループ」でありアイドル枠だけど歌が下手ではないどころかLittle Glee Monsterのようなテイストで上手い
Britney Spearsも割とアイドル的に男性人気が高かったのでは?でも歌唱はできている
韓国のBTSやBLACKPINKも完全なアイドルで、彼らはダンスが売りにもかかわらず歌唱もしっかりしている
聴くに堪えないような酷い音がアイドル枠だからで売れるのが異常な市場だよ
足切りラインを下回るような酷すぎる音が「アイドルだから」で許容されるのは特殊
日本だけがアイドルに低能さを求めてるか許容しているんだよ
根底には「かわいい」が許容されるかどうか。
海外に広がってる「kawaii」はまだ特定イベントの日本文化を指したもので、日常にはなじまない。
日本の場合「大人のかわいい」も「ティーンエージャーのかわいい」も当たり前に許容される。アメリカでは男に負けず、ディベートで主張し、自立できるかっこいい女性を目指す圧力があり、かわいこぶって周りに合わせてたら、なめられてカースト底辺に落ちそうである。
なのでアメリカのボーイズもガールズも「セクシー」であって「かわいい」ではない。倖田來未とか浜崎あゆみとかのavex枠。「アイドル」という枠が日本特有のものである。
ジャニーズグループはいくつになっても「少年」隊であって、やはりベースは「かわいい」。50超えても「くん」づけなのはいくつになっても「少年」のままだから。
これを揶揄したり海外と比べて異常だというのは隣の芝生を青く見すぎている。「大人のかわいい」が受け入れられない海外が異常で、許容範囲の広い日本が正常ということもありえる。
夜中近所のコンビニに女の子がひとりでいって返ってこれるのがアメリカから見て異常な日本。ところが日本からすると、18歳未満の誘拐件数が年間80万人超えて、毎年どこかの学校で銃乱射事件の起こり、弁護士が40倍いてTVCMで気に入らないやつを訴えようと宣伝してる事が異常だ。
いわゆる「安全じゃない国」において「かわいくおとなしい子」は命に関わるほどリスクが高い。教育や社会が「強い女性」「かっこいい女性」「男に反撃できる女性」「早くから自立できる女性」を目指し、そういうスターが支持を得るのは当然だろう。
例えば日本でも痴漢は地味でおとなしく反撃できなさそうな女性が狙われるが、それは反撃されない低リスクや、被害者の羞恥心や恐怖感に背徳的興奮を覚えるから。露出度の高いイケイケギャル*1はこの両方の意味で痴漢する動機につながらず狙われにくくなる。
つまりアメリカでは10代から脱却を強いられる「かわいい」が日本では20代でも、男性アイドルなら50代でも成立してしまう。この許容の広さにはそれだけ「比較的安全な国」という土台があってこそ成立しうる。こんな日本は異常だろうか?
ただまあ、土台があっても仕掛け人は誰かというと秋元康とジャニー喜多川だろう。歌唱力が最重要ではなく「頑張ってる姿そのものがかわいい」と2人共本気で感じてるのだから。
他のプロダクションは人気ある若い俳優、女優にたまにヒットソングを歌わせることはあっても、歌手の採用は当然歌唱力に担保を置く。実際ジャニーズは「SMAP」がブレイクしなければ光GENJIで、秋元はAKBのブレイクがなければ チェキッ娘 おニャン子でアイドル事業を終えてただろう。
ちなみに「かわいさ」というのはアイドルの容姿ではなく「愛嬌」のことである。アイドルとして人気を得るのに美人かブスかというのは最重要ではない。なんならお笑いのしずちゃんも愛嬌あるから「かわいい」のである。
*1:なんだこの死語