黒字の大企業ほどエンジニアに支給するPCの能力が低いのではという仮説

togetter.com
昨今のNTT退職関連についての苦言ですね。

 
こちらのスレッドに反響に対する補足と弁明がありまして、16GBのメモリの必要性はさすがにわかってて、それでも経営者だってカツカツで運転資金を回してるのだから、経営者目線から直接利益になるような説得と歩み寄りが必要と説いてます。


僕はこれ逆だと思ってて、こういうエントリーで燃えるのはNTT、東芝、日立とか超大企業のほうが多いんですよ。昨今のWeb系のスタートアップなんかはむしろ最新のiMacと環境を誇らしげに語るだけでそういう優秀な人材の引き抜く材料にしてるので。

つまり、黒字で事業が安定してるからエンジニアに100%働いてもらわなくても数万人食わせるだけの利益が出るわけですね。だから「余計なメモリがあるとエンジニアは遊び始める」「大企業としてクリティカルなこと扱ってるから、万が一でもセキュリティ上の管理で勝手に増設させるわけにはいかない」というのも一理ぐらいある。

これが成り立つのは超大企業のスケールが効くから。NTTや東芝や日立でエンジニアが1%改善できたら数十億、数百億の利益になるわけです。5名とか30名とかのスタートアップ企業はもう2000%能力発揮してもらわないと黒字にすらならない。スクエアエニックスでFFの作曲をすると700万人以上に聞いてもらえますが、ニッチな萌えゲーの曲を書いても数万人にしか聞いてもらえない。だから超大企業ほど4GBのメモリというのは喫緊の問題でもなくて、エンジニアが100分の1の力しかでなくても充分回っていくわけです。もちろんそういった考えの延長にIT系下請け炎上案件が多発するわけですが。

別にエンジニアが新事業立ち上げたり会社の方向性決めるわけではないから「なぜうちからMS-DOSみたいのが出てこないのか」と言われてもそんな権限はないし、それでも基礎研究やってるエンジニアは優秀だったりします。

じゃあ人材採用するコスト減らしてPCに当てたらいいのにというと、大手企業としてはいざというときのための人材囲い込みであったり、その余力がいろんな特許開発の地盤固めとなったり、4GBでも結局優秀な人は知恵を使ってなんとかできたりします。なのでやっぱり回ってしまう。

ただそれでうまくいったのは「英語がしゃべれないから海外にいかない」「日本という環境がいいから海外にいかない」「日本の大企業のほうが大手で給与がいいからスタートアップにいかない」といった前提条件があったからこそで、当然日本法人を作るGoogleにしろマイクロソフトもあれば、英語しゃべれるエンジニアも珍しくなくなり、スタートアップの給与が悪くないこともあって、人材流出は止まらないでしょう。

もともとスケールの効く大企業なのにエンジニアの能力を1%ではなく100%以上活用するGAFAは、エンジニアの本来の力を発揮してるからあれだけのサービスの更新と新製品を作り続けて全て飲み込む勢い。こうなるとさすがに日本の大手も変わってくるのではないかと思いますが、さて。