teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

森会長は時代の犠牲になったのだ

anond.hatelabo.jp

森会長の話の関連で多く見られるコメントは、女性蔑視だとか国の恥だとかって森さんの発言や彼自身の価値観を批判するものばっかりだけどさ、

実際それほど年齢変わらないうちの田舎の爺さん婆さんは今じゃアウトな差別発言なんか日常的に使ってるし、男尊女卑だってかなり根強く残ってるなと感じるよ。

でも、それをいちいち指摘したり直したりしようとは思わない。だって昔はその価値観が正義だったんだから。「そういう世代だなぁ」としか思わん。たまに先進的な価値観の高齢者を見ると感心するけど、アップデート出来ない人をそこまで詰めても意味なくないか?

ここすごく同意できる。

僕がたまに叩かれてるのを擁護する基準は、何かやらかした人が
「もし自分の親や子供や恋人だったら」
「もし親友だったら」
「もし世話になって尊敬する師匠だったら」
と、身内側にポジションを変えて一度考えるから。

それでもさすがに擁護できないものを、批判するか叩くかどうかのラインとしている。

「時代にアップデートできない政治家を退陣させろ!」
という声は多くあるが、メディアの報道に誘導されるまま批判する僕らも、そのうち「批判の境界線アップデート」を求められる時代が来る気がする。古い価値観の政治家と、火を付けるメディアと、それを批判して叩きまくる読者がいないとこういう炎上は成り立たないから。

森会長は首相時代から失言大王だけど、何か利権を自覚してる人というのは、自覚してるゆえあんなあからさまな失言を連発しない。メディアで報じられる印象の酷いひたなら、何度も当選しないし 担ぎ上げられたりもしない。その古い価値観込みで人望や実績があるのだろう。

自分は叩かないとしても、社会を良くしたいと考えるポリコレ勢(僕含む)や、フェミニスト達の餌になるのは仕方ないだろう。森会長はもう変わらなくても、それを見た政治家が対応変わってくるはず。その需要でPV稼げるメディアが好んで取り上げるのもまあしょうがないかな。

ブコメで興味深い発言あって

そうか?年齢より政治家としての資質の問題では。例えばバイデンは発言は未だに迂闊な所があるが、セクハラ気味のボディタッチとかを反省して最低限現代に価値観をアップデートできてる。要職やるならちゃんとやれ。

これは、スタッフサポートが充実し、メディアでの振る舞い方が重要視される「アメリカ大統領」と、空気読んで文化的に年長者を特に敬う「日本の政治家」の差ではないだろうか。日本のどの組織形態でも上司や年長者相手には、叱ることも、諌めることもない。自己主張やディベートが重要なアメリカだともう少し異なるだろう。

日本組織のトップは常に自分を叱ってくれる人を隣に置ければいいのだが。

ときに半沢直樹のような名将を支え、間違いを正す妻はいるかもしれないが、普通は仕事に関わらないはずで右腕に自分を叱ってくれる女房役が必要。

mainichi.jp

今回の発言の真意について「一般論として、女性の数だけを増やすのは考えものだということが言いたかった。女性を蔑視する意図はまったくない」と説明した。森会長はさらに「昨夜、女房にさんざん怒られた。『またあなた、大変なことを言ったのね。女性を敵にしてしまって、私はまたつらい思いをしなければならない』と言われてしまった。今朝は娘にも孫娘にもしかられた」と語った。

ちゃんと女房や、娘、孫娘にも叱られた上での謝罪会見のようですねw


森喜朗 - Wikipedia

森会長は第2次世界大戦直前に生まれ、戦争時代を生き、戦後はラグビー、高度経済成長時代を超え今に至るお年寄り。日本の復興に尽力し支えてきた一人でもあり、今はオリンピック パラリンピック 競技大会組織委員会会長。

今は働きすぎ問題とか、セクハラ、パワハラ、ポリコレ、フェミニズムとどんどん時代が変わってきた事もあるが、森会長が担当するスポーツとも相性悪い。

というのもスポーツは人間の限界を超える競争なので「体を壊すか壊さないか」のギリギリを攻めないといけない。トップを目指すスポーツ選手というのは人間が生活していくには不必要な体の酷使をしているため、プラス方向を超える不健康なのだ。

そこまでやるからこそ観てる人は感動し、プレイヤーも達成感を得て、優勝者も報われる。高度経済成長時代に遅くまでひたすら働いて、やればやるだけ成長したように。

資本主義市場もトップを目指すため、電通のように昼も夜もなく働かないとどうやって他社を出し抜くんだ? アニメーターなども働き方改革など言われてるが、技術のない若い人がのし上がろうとしたら、やっぱそういう働き方やっちゃうだろう。みんなでルール決めて、おててつないでゴールしようと信じてる人が資本主義競争ではバカを見る。現場はクオリティアップ、自分達意外でのトラブル頻発、そこに締め切り重なって結局ルールなんて守れない。

頑張りすぎるスポーツや戦後の経済復興は性根が似ていて、その良い価値観は否定し難い。

news.yahoo.co.jp
田村淳が森会長の発言を受けて聖火ランナーを辞退した。これは芸能人として世間の空気を読んだ結果だ。もし森会長と面と向かってきちんと会談したらそういうことにはならなかったと思う。

自分の意見を誰にも曲げられずに、編集されることなく意見を伝える場所というのが、YouTubeの最大の魅力だと思っているので、僕個人が辞退するという理由を述べさせていただきました」

まさに田村淳のいう、一次情報源としての自身のメディアを作っていくことが森会長にも必要だった。


例えばコロナワクチンについて、フェイクニュースや陰謀論含め、いろんな誤解を招き対立や不安を煽ってPV稼ぐような情報が飛び交ってる中、河野太郎大臣のこのページは情報がわかりやすく一元化され、一次情報源として各方面から評価が高かった。
www.kantei.go.jp
河野太郎は9600bpsモデム、パソコン通信時代からのネットユーザーなので、ブログやSNSでの個人的発信も含め、ネットからどう観られるか、どういう説明が必要かをこれまでの政治家に比べずっと理解してる。

日本は戦争の反省で大本営発表よりも、記者クラブを通した政治メディア活動となっているが、これは大きな対立を産む歪みの元でもある。

Twitterとはいえ、新聞記者が重要な校正ミスに気づかないのは、無意識のうちにそっちに寄ってるんだろう、いつもおかしな意味に誘導する煽りタイトル多いしな。と思われても仕方ない。


政府にはお固いホームページも、難しいPDFも一次情報源として並べられてるが、これからの政治家は、新聞メディアなみに分かりやすく一次情報源としての「自分の意見を誰にも曲げられずに、編集されることなく意見を伝える場所」をしっかり使いこなせるかどうかが大事になる。

朝日新聞はそれに対して問題点を見抜き、政府が隠してることを暴けばいい。森会長の屍を超え、以後の政治家や芸能人は「報道しない」という新聞メディア最強の武器にきちんと対抗する力をもつ必要があるだろう。

www3.nhk.or.jp

mainichi.jp
毎日の方で記者会見全部上がってますね。

「オリンピックの精神に反するという話もしていたが
そういう方が組織委の会長に適任なのか?」

10分頃のこの質問からこの記者に対してのみキレてます。

というのも本来この質問は第3者が考えるべき質問であって、当人に答えさせるというのは「自分を客観視して空気読んで答えて下さい」という、一種のパワハラなんですね。

以降の「おもしろおかしくしたいから聞いてるんだろ」まで、この記者の質問が続くのですが、用意してきた質問を読んだだけなのか、前の記者の質問とかぶったり的を外したりと結構酷くてこれは俺でもキレるw
むしろ83歳でよく耐えたw

はてブは森会長叩いてるけど、これはさすがに記者や、まさにそういう記事作りたいがため、わざとそういう記者送り込んでるならそのメディアを叩くべきでは? 実際NHKの動画ではその質問映す価値なしとバッサリ切って、毎日はタイトルに使ってる。

www.youtube.com
TBSにノーカット版が。
ちゃんと所属名乗るノーカットノー編集が一番ありがたい。
でもその質問者がTBSラジオw

 

miyearnzzlabo.com

(澤田大樹)だから「なにを問題視して今回、発言を撤回して謝っているのか?」っていうのがまるでわからなかった。で、どこが問題だったのかを聞きたかったというのがあって、それを聞いたんですけども、まあ、ちゃんと答えていないということですね。で、「冒頭に言いました」っていう風に司会の人がいうんだけれども。でも、それを言っていないからこっちは聞いているわけで。

謝罪会見開いたのは女性差別発言かと思いますし、澤田記者の前の4人の質問でもそこに答えてるのですが、前の質問者の文脈ではなくゼロから1対1で聞き直してるということなんですかね?

(澤田大樹)基本的には謝る気はなくて。謝らさせられている場であるということなんだなという風に感じました。で、私のやり取りの前に「昨日は組織委員会の会長として行った場ではないんだ。JOCの名誉委員として挨拶をしているんだから」みたいなことを仰っていて。「だから組織委員会の会長としての責任は問われないのだ」という趣旨と受け取れる発言をしていたんですね。でも、そんな無茶苦茶な話はあるか?っていう風に途中で思ったところもあって。そこを重ねてさっき聞いていたということですね。

やはりそうでしょう。森会長が大雑把で差別的で口下手な人だというのは首相時代からわかってましたが、それに対して義憤なのか、何か持ち帰りたかったのか、心からの謝罪を引き出させようと、あえて怒らせるように詰めたわけですね。

この詰め方はメディアとして大成功で、森会長からもうひとつひどい言葉を引き出させたわけだけど、僕らは何かミスした人にこういうパワハラまがいな詰め方を黙認した共犯者にもなる。家庭や学校や会社でミスした人間をこういう詰め方して全員で叩くようにしむけたららいいんだよという、正攻法のいじめ手法を子供に教えてるようなもんだ。

差別発言をフェミニストが怒るのはわかるけど、この記者に踊らされて世間が怒るのは違うだろう。火を煽り火事にして儲かるのはメディア。不幸な火事を面白がるのが野次馬。


www.asahi.com

mainichi.jp
会員じゃないから全部読めないけど、スポーツ経験のない素人で「大手小町」編集長をラグビー協会の理事にしてどうすんだよw

完全に数合わせのお飾りなのに、真面目に仕事しようとするほど噛み合わないのは当然。ジェンダー問題を解決するために、こういう形式上の仕事増やすのまずやめたほうがいい。まったく女性のためにならない。

、、、とはいえ、必要な資質と経験をもって役職やりたがる女性というのは少ない。そもそも男性でも仕事増えて責任追う役職はあまりやりたがらない。義理かなにかで仕方無しに背負わされる形が多い。女性の権利やジェンダー問題解決のためには、形式上でも素人でもこうやって無理やり引っ張りあげる事は必要かも。こういう問題が起きるとしても。


さかのぼって、問題発言となった全文もあがったようです。40分の長い演説が3ページ分ですが、、なるほど、会議長いのはお前のせいだとツッコまれるのは当然w

www.nikkansports.com
1ページ目は昔話。
2ページ目に例の問題発言。
3ページ目がここまでの協力関係者達の苦労とやりくりと、無観客を想定しての意気込み。3ページ目だけ喋ってたら良かったんですが。

これはテレビがあるからやりにくいんだが、女性理事を4割というのは、女性がたくさん入っている理事会、理事会は時間がかかります。これもうちの恥を言います。ラグビー協会は倍の時間がかかる。女性がいま5人か。女性は競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分もやらなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。結局、女性はそういう、あまり私が言うと、これはまた悪口を言ったと書かれるが、必ずしも数で増やす場合は、時間も規制しないとなかなか終わらないと困る。

女性差別発言も、マスコミに切り取られる予防線を前後に張ってるんですね。本人は悪口のつもりさえないかもしれません。最初がこの40分の記事だったら印象違ってたでしょうか? 森会長嫌われてるから無理かな?

83歳、戦前生まれの人が悪口のつもりで言ってないという認識を不思議とは思いません。例えば僕自身はナチュラルで無意識な男性蔑視の傾向がありますが、男性蔑視は社会でほぼ問題になってなくむしろ現状は常識として扱われがち。キモくて金のないおっさんは社会底辺で這いつくばっても自己責任の世界。自分で環境勝ち取る有能な男女はそもそも差別されない。

50年後にこの価値観は、キン肉マン、ドラゴンボール、ワンピースごと非常識な老害扱いされるでしょう。それを森会長と重ねればジェンダー的にアウトでも、がんに侵され余命幾ばくもないこの爺さんとしてはほんとに悪気はないだろうと思います。森会長を擁護する人はその悪気のなさに対してでしょう。

悪気がない女性蔑視だからこそ大問題なわけですが、価値観のアップデートを求めるのは無理。批判するなというわけではなく、誹謗中傷や個人攻撃はやめて、戦前に生まれ戦争と日本の発展を支え生き抜いたひとりのジジイに一定の敬意をもった批判を。