teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

「JeSU騒動」は「けもフレ騒動」の再来ではないか?

news.yahoo.co.jp
ももち選手が国内大会で優勝したにもかかわらずプロライセンス取得を拒否し続けてるため、賞金が10万円(副賞+6万円?)に減額という記事。

これ見てけもフレ騒動のこと思い出したんだけど、

たつき監督がKADOKAWA方面のお達しによって降ろされたとき、(その後たつき監督は削除否定してたけど) あちこちの言い分を拾っても全員損して得する人が誰もいなかったのに揉めてたんだよね。それでみんな怒ってニコニコ会員退会してたけど。よく考えると、誰も得しないのに揉めるとしたらたつき監督と偉い人がクリエイティブなエゴでぶつかり合うしか無いわけで。

で、降板のとき対立する2人のクリエーターに批判が向かないようKADOKAWAは黙秘を貫いたんだよね。ニコニコの退会が止まらない状況でもそれを言い訳するのはかっこ悪いと考える人は多いはず。勝手に妄想して騒いでる人は騒がせとけと。

今回JeSUの副理事で顔にもなってる浜村通信もKADOKAWAの人なんだよね。2年間ずっと木曽崇氏が騒いでるのだけど完全無視を決め込んでる。勝手に妄想して騒いでる人は騒がせとけと。木曽崇氏は正論とは言えかなり無礼に煽ってるしね。

黙ってるほうが美徳というのもあるんだろうけど、たとえJeSUに怒ってるファンがたくさんいても、大会運営は粛々と進めていけるから問題ないとしても、もしかして「ももち選手」まで疑ったままライセンスと賞金を受け取らないような事態になってたとしたらそれは選手にとって問題ある実害なわけで、JeSUはももち選手の理解を得るための説明をしたほうが良いのではないか。


以下は僕が思うJeSUの利権の話。

木曽崇氏はライセンス制度はいらないと毎回扇動していて、JeSUは怪しい利権団体だと木曽氏に賛同する人たちが声を上げている。利権のターゲットはプレイヤーに発行するプロライセンス制度。この巨大利権にみんなもっと怒ったほうがいい。この記事書いてる時点でのライセンス発行額は以下。

https://jesu.or.jp/wp-content/themes/jesu/contents/pdf/agreement-license.pdf

7.5 JeSU公認プロライセンス発行時には発行手数料として以下に定める費用支払うものとする。

7.5.1「ジャパン・eスポーツ・プロライセンス」5000
7.5.2「ジャパン・eスポーツ・ジュニアライセンス」3000
7.5.3「ジャパン・eスポーツ・チームライセンス」5000円×チームの人数
(人数はIPホルダーとJeSUが相談の上、決めるものとする。)


8.1 JeSU公認プロライセンス更新は、発行から2年ごとに行うものとする
8.2 更新時には発行手数料と同額の費用を支払うものとする

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現在のタイトルはこれらだが、大会ゲームタイトルは2年で移り変わっていくので、更新しないでいいプロも毎年出てくるだろう。ライセンス手数料で儲けたかったろうに残念だったなJeSU。

プレイヤー | 一般社団法人日本eスポーツ連合オフィシャルサイト

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「Call of Duty BO4」と「Rainbow Six SIEGE」がタイトルにあるのでとりあえず1チーム5人と考えると現在のプロの人数は138+1+(8x5)の179名。
賞金をもらうときに発行するので179名が10万円以上の賞金を手にしたかもしれない。


JeSUは2018年2月に設立だがこれは闘会議初の高額賞金大会開催にまに合わせたもので、ももち選手がライセンスに意見表明したのは2017年12月で話題になった。設立以前にその前身のe-sport3団体から統一に動いてのライセンス発表があったので、なんだかんだ2年かけて、巨大利権のプロライセンスは179名にまで発行されたことになる。

ざっと計算してみよう。

138x5000=69万円
1x3000=3千円
8x5x5000=20万円

JeSUはなんと、たった2年間の活動で89万3千円もの利権を手にしてることになる。
年間の売上にすると約45万円。
この騒動の問題はこの年間45万円という利権にある。
これはPlaystation4Proが10台買えるほどの額だ。
木曽崇氏や、彼に賛同する人たちが怒るのも無理はないだろう。

しかしもっとこの利権を増やす方法ある。
今回ももち選手が出たSFVの大会は1000名近い参加者がいたので、各タイトル2年間のJeSU管轄国内賞金大会全部だと1万人ぐらいいるだろうか?

つまりもし1万人全員にライセンス取らないと大会参加させないという仕組みにしてしまえば、5000万円、、、年で、2500万円、、、、という庶民には想像もつかないようなお金がJeSUに入ってくることになる。

しかしJeSUはあまり賢くないようで、賞金がもらえる人のみにプロライセンスの発行をしてるため、みすみすこの2500万円の巨大利権を逃している。しかし45万円でも大金だ、役員の名を調べればどこに45万円が渡ってるか明白である。

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セガの社長、KADOKAWA、カプコン社長、コナミ会長、ガンホー取締役、他3人で45万円を山分けになる。なにもせずともひとり年間5万6千円も入ってくるのだ。これは怒っていいだろう。


ちなみに平方氏は元電通の人で、10年以上もeスポーツを広めるために尽力してきた方。SANKOの人も好きでリーグ・オブ・レジェンドの日本運営をこなしてきた人。浜村通信のゲームのやりこみようはファミ通などで知ってるが、詳しくは前に調べたこちらで。

teruyastar.hatenablog.com
株田実という方は今回初めて名前見るが、元セガの人でその後CESAで働いてた人らしい。


しかしここまではまやかしで、JeSUの正体は「悪の天下り自民党組織」という噂も流れている。俺たちの好きなゲームから甘い汁を天下りで吸おうと。なるほど、だからみんな怒ってるわけだ。

 appvs.famitsu.com
2018年3月30日、“オンラインゲーム・eスポーツ議員連盟”の総会が、衆議院第2議員会館にて行われた。

最高顧問/二階俊博
特別顧問/漆原良夫
顧問/馳浩、遠藤利明、古川元久、下村博文、小野寺五典、松野博一、細野豪志
会長/河村建夫
会長代行/林幹雄、石田祝稔
会長代理/佐藤茂樹、櫻田義孝
副会長/増子輝彦、泉健太、秋元司、濱村進、冨岡勉、笠浩史、武田良太
事務局長/松原仁
事務局長代行/西村康稔
事務局次長/鈴木隼人、片山さつき、高井崇志、小宮山泰子


ついに正体を表したな!JeSU!!

と思ったが、これはJeSUの動きやeスポーツの盛り上がりに合わせて1ヶ月後にできた「オンラインゲーム・eスポーツ議員連盟」
国会衆議院でこのことについて話し合う会だね。
法案を作るとしたら多分この人達になる。

まあ、議員でeスポーツの増資が深い人もいないだろうし、2年前なら「これがスポーツ? TVゲームでしょ?」とか言いそう。

でも、西村康稔氏はJeSUの前身のひとつ「日本eスポーツ協会」で平方氏や浜村通信と古くは10年以上eスポーツに関わってきた人なんで期待したい。

ある意味JeSUは45万円の巨大利権を天下りから守るために、業界が自主的に動いてるというのもあるか。CESAや、JAMMA、エロゲのソフ倫だって業界自主団体なわけで。



しかし、利権はまだあるのだよ。
正会員と、賛助会員だ。

連合について | 一般社団法人日本eスポーツ連合オフィシャルサイト

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ゲーム会社やデバイス会社はわかりやすい。eスポーツが盛り上がれば間接的にビジネスになる。電通、博報堂などはeスポーツ視聴での広告制作などで将来的な協力関係になるだろうからまあこの2社はどこにでもいる。

テレビ朝日は関係なさそうだが、AbemaTVに出資してるのとBSや深夜の地上波あたりを考えれば放送プラットフォームとしての立場がある。専門学校はeスポーツ選手育てたりしてるところもあるので、将来的に学科作りたいのかもしれない。ドコモや、三菱地所や、丸紅がどう関係してるのかわからんが、人のつながりでサポートしてるだけなのか、地上波のゴールデンタイムで流すほど盛り上がったときは広告に出るかもしれないし出資する余裕はあるだろう。

1年半ほど前に調べたときは、正会員から100万円出してもらってもスタッフと経費で全部消えるということだった。役員だけで仕事するわけじゃないのでそりゃそうだろ。

逆にセガ、KADOKAWA、カプコン、コナミ、ガンホーの出資のみで運営するとなると、eスポーツがほんとに大きくなったときに業界的な利権にはなりかねない。より狭い業界のソフ倫とか昔いろいろあったようで、CESAみたいに任期ごと大きな会社から持ち回りで役員を交代するか、正会員と出資分散してるぐらいがお互いのにらみが効いて良い。

45万円のプロライセンスを追うよりもこっちの利権のほうが後ではるかに大きなお金が動くだろう。が、こっちはBtoBのやりとりであって、どれだけeスポーツが盛り上がってロジクールのマウスが売れようが、ストリートファイター5が売れようが、Openrecの広告枠が売れようが、選手には関係ない話。

現状はせっかく大会誘致しても視聴者数的に赤字だったりして、あんま金にならんけどな!


「木曽崇氏は何でこんなにJeSUに絡んで煽るのか?」

単純に無礼に煽ってるのをずっと浜村通信に無視されつづけてるので、それを利権だと不審に思い意地になって2年も正論を繰り返してるだけなんじゃないかと思ってる。

正直、45万円に怒る理由も、45万が、2500万になったところで役員がタイトル作って、賞金そのものを出してるメーカー社長達なので、利権も何もという感じ。

その正論というのも1年半前に指摘したのをまとめると

teruyastar.hatenablog.com

日本の官僚省庁は縦割り社会だから、必ずしも消費者庁と他の省が同じ見解になるかわからん。ノンアクションレターもどっちにも解釈取れるような逃げ道残してる。法とか官僚とか政治家とか言いたいこと分かるけど、注釈でどっちでも取れるような曖昧な返答が多いのは、ここまでやったら捕まるよとハッキリ明文化されてないほうが市民は空気を読んでギリギリのグレーゾーン狙えなくなるから。この方が管理コストが安くなる。

AppleとかGoogleのアプリ申請とかTwitterとかはてなとか、ここのエロスやヘイトはセーフでここからがアウト!とハッキリ明文化してないのも管理コストや、規約ギリギリのグレーゾーンを狙わせないため。ギリギリの攻めからグレーゾーンの拡大をさせないため。

仮に消費者庁の言い分を利用して、Androidでなんの変哲もないじゃんけんアプリ1万円で売って、そのアプリで優勝賞金200万円の大会開いたら完全に賭博だけど公安とか検察とか黙ってるわけない。そんなヤクザな会社が出てきたらゲーム業界の大会まとめて規制くらう法案が出る可能性もある。じゃんけんアプリでなくても上手く工夫すれば法の穴をつく本格的な賭博格ゲーや、賭博カードゲームは可能だろう。

ちなみにソシャゲ業界は「絵合わせ」におけるいわゆる「コンプリートガチャ」について過去に強い規制を受け、今も「ルートボックスガチャ」は国によって規制があったり、規制かけられそうになってる議論の中にある。


だから、JeSUみたいに消費者庁以外の各省庁とも根気づよく話まとめて、ひとつハードル作っておくのもひとつの手だと思う。


木曽崇氏のノンアクションレターのように原則は昔から別にゲーム大会の賞金はOK。スクエニは少し前まで500万のCoD大会やってた。しかし個人的にはスクエニはガンガンとか、ハイスコアガールとか法務が甘い印象。逆にカプコンはずっと格ゲー作ってたのにJeSUができるまで日本では賞金大会を開かなかった。カプコンはIRページが何度か賞を取るほど法務がしっかりしてる印象。

TVの行列のできる法律相談所で弁護士がみんな違う見解だったりするのと同じで、大手ゲーム会社でも見解は分かれるが、あえて橋を渡る会社は少ない。

木曽崇氏が正論を言えて、JeSUが回答を逃げてるというよりは、省庁それぞれが責任を取らないでいいよう明文化をあえてハッキリさせないからこそ、JeSUが煮え切らないということにもなる。そのためのノンアクションレターでもあるが、石橋叩いても渡らない慎重なカプコンやJeSU相手に、OKって言ってるんだからいらんだろと正論叩きつける方が野暮とも見える。

もしJeSUのメンバーに私怨があって叩きたいなら、現状のライセンス制度運用がどれだけ巨額の利権を生み出すか試算したほうがより説得力を増すだろう。僕はメーカーやJeSUに知り合いもいないのでネットで調べる以上のことはわからないから、見解間違ってるかもしれないし。


「ももち選手はなぜプロライセンスを受け取らないのか?」

JeSU立ち上げのときは、カプコンから認められたこれまで実績のある選手に関してはカプコンの負担で最初のライセンスを発行してもらってる。ももち選手以外はもらってて、ウメハラ選手なども2年前「賞金大会は海外がベースなのでライセンスの有無は正直関係ないが、せっかく日本での大会を業界が盛り上げようというときに、これからの選手の選択肢にケチをつけるようなことはしたくない」と発言してる。

(詳しくは2年前の座談会で)

https://www.twitch.tv/videos/230230810?t=1h03m20s


一方ももち選手の2017/12の声明は「あなたたちは誰ですか。ゲームが好きな方々なんですか。」というJeSUを木曽崇氏なみに疑ってる立場を表明して。その思いのまま2年たってる気がして、いまでもあの声明を支持するファンの声も見かけるし、、このときは絶対役員の名前調べてないよね。


プロライセンスを2年分の発行手数料で、賞金発生する人のみと考えると利権と呼ぶには赤字すぎる。せめて大会のたびに1万円手数料徴収して、参加者全員ライセンス義務とし、10万人規模のプロプレイヤーが発生すれば10億分け合ってまあ、とりあえず利権と呼べるかなと、、、。それでも役員の各社が本業で200億以上稼ぐのには霞むけど。


怒るならそれぐらい手数料が改悪されてからでもいいのではないだろうか。もし500万貰う権利がまだ残ってるなら、素直にライセンス発行してもらえばいいと思うのだが。木曽崇氏が正論言い続けてる間は、JeSUが折れる理由もない以上、ももち選手も心開かない気はするなあ。


「ライセンス制度の廃止はありえるかも」

一応JeSUは制度の見直しを検討してるとのことで、消費者庁ノンアクションレター回答が9月3日で、大会が15日だったからこの期間にいろんな事を考慮して変更するわけにもいかなかったろう。

しかしこの2年で各省庁との充分な話し合いも終えて、官僚や議員へeスポーツへの認知もすんで、制度がなくても、どこかの新興メーカーがマネーロンダリングやらかしても、賞金eスポーツ大会への弊害はないとなれば、JeSUとしても面倒なライセンス制廃止も考慮にあたいするのではないだろうか。

そうすると、木曽崇氏が2年間騒いだかいも、ももち選手の反骨心も意義があったとなって、JeSUも丸く収まればいいなと思うけど。

あと、明文化すると穴をついてゲーム賭博大会考えつくメーカー(ソシャゲヤクザ?)が出てくる可能性の参入ハードルで、選手がSNSで問題行動起こしたときに免許剥奪などのコントロール権としての機能もあるのだろうけど、賞金貰う人に発行管理ではどうせ赤字だし、コミュニティには誤解の元にしかならないし、ライセンス廃止の方向で運用考えてもいいかもね。


「制度が残ったとしても」

賞金が発生する選手に限定発行ということは、500万円の賞金は499万5千円に。賞金30万だ29万5千円。10万以下はライセンスいらないので、ライセンス発行に実質選手負担はないとも取れる。ようやくカプコンから大きな賞金でるようになったうち5000円をJeSU役員のカプコン社長に返す制度と思えば。