武井壮とsinattraと有野課長とYoutuberでクオリティとニーズを考える

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この中の「クオリティとニーズは別モンだと分かった」という所をちょっと考え直してみたい。

2500人のトップが集まる陸上で、5万人入る国立競技場が1万人しか埋まらなかった。
選手1人で20人のファンを呼べたら埋まる計算だけど、1人あたり4人しか呼べてない。もしかしてトップ選手100人が100人ずつ呼んで、他はゼロかもしれない。日本のトップでもこれでは食べていけない。

例えば、世界で最高品質の何か商品を1個作りましたと。明らかに地球上で最高の品質のものなんです。だけれども、誰にも告知していないんで1つも売れていません。これって社会的価値ありますか?無いですよね?でも、世界で10番目位のものなんだけれど、世界中の人が使ってて、世界中の人が欲しがってて、一年に10億個売れます。これって凄い経済価値を生みますよね?それが多分、社会的な価値なんだと思うんですね。


 今年はe-sportsと言われるOverWatch Leagueをずっと見てた。sinattraという17歳だった選手は15万ドル(1650万円)の年俸で契約して話題に。ブリザードのリーグ規約としては選手には最低でも年俸500-600万以上払わないとダメらしい。

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 リーグ選手はまあそれでいいと思う。しかし2部リーグである Contendersやさらにその下のDivisionと呼ばれる大会はアマチュア混じりで何の契約保証もなく、食っていくには厳しい。チームが1部リーグへ登録するには当時でチームオーナーに2000万ドル(20億) が必要。こんなのアマチュアはもちろん、プロチームでも払える金額ではない。他にも選手の年俸や衣食住の設備投資が必要だと言うのに。

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ちなみにファースト・シーズンの成功を受けて、次からの新参入オーナーは35億や60億の金額が必要と噂されてる。といってもブリザードからゲームの売上、グッズ、Twitchのチアなどリターン得れる仕組みなので、長い目で見て投資回収できると判断すれば熱意ある金持ちオーナーは次から参入できる。現12チームで、来年また4チームぐらい増えるだろうか?

このとてつもない壁がある所でチームとしては熱意あるお金持ちオーナーに見初められる以外に手はなく、シーズン1はContendersまで活躍した選手がリーグに引き抜かれる、という形でしか1部へ上がる事はできなかった。引き抜きは選手の年俸4分の1ぐらいの移籍金がチームに支払われる。Contenders以下のチームにいても先はないことがみんな実感してるから、チームメンバーはこころよく送り出してくれる。

正直世界トップレベルで年俸1600万は厳しすぎる門だと言わざるを得ない。クオリティとニーズの乖離。英語圏の人気プレイヤーであればOWL選手を目指すより、PUBGやFortnite,Realm Royalなどバトルロワイヤル系のゲームを配信してストリーマーになった方が飯が食える確率は高い。LOLやDOTA2ならまたリーグも桁が違ってくるのだろうけどそれでも狭い門だろう。

プレイのクオリティを目指したところでニーズが増えるとは限らない。ゲーム実況の第一人者である有野課長はあれだけヘタクソなクオリティながら、大きなニーズを満たしていた。

今まで武井壮の説を考える時、クオリティ1位で知られてない商品より、クオリティ10位でみんなに知られてる商品のほうがいいという解釈で「どっちにしても一定のクオリティは必要で、それを担保に宣伝やニーズを考慮すればいい」という風に捉えてたけどそうじゃない。

「ニーズさえ満たしていれば、クオリティなんてクソ低くても構わない」というのが有野課長の教えなのではないかと。

結局ある程度クオリティは高く保ちたいというのはパンツも脱げず裸になれない本人のプライドやエゴやアイデンティティを守りたいのであって、クオリティ低くて構わないのであればひたすらニーズに徹したアウトプットはわりとすぐ出せると思う。

Youtuberとか、バーチャルYoutuberとかはまさにそれで、クオリティよりもそれをみんなで楽しめるニーズ、ニーズに間に合わせるスピードがあればいい。ニーズ読み違えなければへっぽこモデリングでも構わない。

その中で例えば企業がプロデュースしてるVtuberがゲーム実況するとき、FPS上手い影武者を連れてきてそれに声を当ててるのがあるけど、あれもクオリティ重視でニーズ読み違えてると思う。Vtuberの声優にやらせて、有野課長なみのへっぽこプレイで1キルも取れず地団駄踏んで、15分で怒ってリセットして終わりでいい。上手いプレイはダステルボックスとかプロ選手見ればいい。ニーズとしてはそっちが望まれてるんじゃないかな。

このブログも、ただニーズを追うだけだったら感動する名言を集めて、世の中の事件に合わせてペタペタ貼ったり、読み手が共感しそうなことや心情を満足させるようなことだけ言ってればいいんだよね。

ブクマいっぱいつく記事は読み手に満足してもらえる記事だけど、それ以外の記事は自分の思考を掘り下げるばかりだったり、読み手に冷や水浴びせてばかりで何も気持ちよくなれない。

ただこのブログは自分の思考を整理するのが第一目的で、それでも誰かの役に立つならという程度のログだから、ニーズを追うことは別の形でやりたいところ。
今回の武井壮の話をもういちどまとめると、クオリティとニーズは別モンといっても10位に入るクオリティは最低限必要でしょ? という事すら疑って、ニーズそのものは、低クオリティでも、低技術でも、低予算でも達成できる形があるということ。

それはどこまでアイデンティティやプライドやエゴを捨てて裸になってアウトプットできるかということを、有野課長やYoutuberやVtuberは実践してて、パンツ脱いで裸になるまでエゴやプライドをさらけ出すニーズとクオリティを両立せたらエヴァンゲリオンみたいな社会現象にもなるのだろうと。

クオリティを追うにしても、全ては裸になって本性見せる、本当のリアクションを見せるニーズが全てのベースなんではないか。逆にクオリティというプライドを守った形でニーズを追ってもいろいろ縛られてうまくいかないのではないか。
特にエンタメや作品作りにおいては、

おまえの本当に言いたいことはそれなのか?
おまえの本性をさらけ出しているか?
おまえの本当の感情を隠してないか?
おまえのエゴも全部出しきってるか?

理性的にいい子ぶらないで、そういう恥ずかしい本音や素をさらけ出せるか、裸になれるか、というところをみんな見たいのであって、そのニーズを満たさない限りクオリティを掛け算しても効果が薄いのではないかと考えてる。